トラックメイキング

KORG Gadgetでブレイクビーツ!(Bilbao編)

今回はKORG Gadgetで「ブレイクビーツ」を作るやり方を紹介します。

ブレイクビーツとは?


ある楽曲のドラムソロをサンプリングし、ビートをちぎって「解体」(ブレイク)。

その断片を並べ直して新たなビートを作る…という手法です。

ヒップホップやドラムンベース界隈では定番中の定番的なテクニックですね。

ドラムループ波形を解析して自動的にスライスしてくれる“Recycle”という専用ソフトもあります。

今やブレイクビーツを作るための機能は大抵のDAWに実装されていますが、今回はKORG Gadgetの”Bilbao”を使い「人力で」ブレイクビーツを作る一例をご紹介したいと思います。

※ちなみに、KORG Gadgetの次期バージョンから“Allihoopa”というユーザーコミュニティーに参加できるようになりますが、そこの運営元であるPropellerhead社が開発したソフトです。

ブレイクビーツの作り方

ループ素材を用意する

それでは実際に作ってみたいと思うのですが、まずは材料となる「ドラムループ」が必要ですよね。

ドラムだけが鳴っているループ素材なら何でも良いのですが、今回はこれまた超定番ネタである”Amen”を使います。

1:26から1:33にかけての「4小節7秒間」が、いわゆる伝説のドラムソロ

ただしBilbaoは「扱えるオーディオファイルが5秒まで」という制約がありますから、今回はそこから更に「2小節目」だけを切り取ったサンプルを作ることにしました。

それがこれです(SoundCloudからダウンロードできますので、よろしければお使いください)。

このサンプル波形をお手持ちのDAWで切り取って使ってください。

フリーの波形編集ソフトAudacityを使うのもいいですね。

5秒以内のサンプルを切り取れたら次に行きましょう。

サンプルをアップロードする

切り取ったサンプルをクラウド経由でKORG Gadgetに取り込むため、DropBoxへアップロードします。

サンプルをKORG Gadgetにインポートする

KORG Gadgetにてワンショット・サンプラーガジェットの“Bilbao”を立ち上げてください。

まだお持ちでない方はとても使い勝手の良いドラム音源でもあるので、これを機に導入されるのをオススメしますよ!

さて、ガジェットパネルの左の方にあるPROGRAMボタンをタップ“033 Bilbao init”をロードしましょう。

これを行う理由は、デフォルトのドラムキット”001 RawCutz Kit 01″だと、すでにパートごとのパラメータ(PITCHやPANなど)が設定されている為です。

さきほどアップしたサンプルを各パートにインポートしていきます。

まずはPart “01”が選択されている状態で…

SAMPLEボタンをタップインポートをタップしてください。

Dropboxを選択します。

さきほどアップしたサンプルが表示されるので、タップしてダウンロードしましょう。

WiFi環境にもよりますが数秒かかると思います。

この作業をPart “02”〜”08″まで繰り返し行います。

各パートのサンプルの「再生タイミング」をエディットする

Part 01〜08に割り当てられたサンプル波形を、それぞれエディットします。

といっても簡単で、サンプルを再生させる「スタートポイント」と「レングス」(長さ)を、各パートで設定するだけです。

コツは波形の幅が大きいポイント…つまり「キックやスネアが鳴る瞬間の部分から、再生をスタートさせるようにする」事。

実際にやってみましょう。

Part 01をタップしてください。

インポートしたサンプルがゆっくり減衰しながら、最後まで再生されますよね。

“033 Bilbao init”というプログラムのパラメータ設定が、そうなっている為です。

DECAYノブを絞り切ってください。

するとサンプルが減衰されなくなり、LENGTHで設定された長さ分だけ、ピタッと再生されるようになります。

この状態でPart 01をタップすると、ちょっとだけ1拍目ウラのキックに食い込んでますね。

LENGTHノブを少し絞り、最初のキックだけが再生するように調整。

…こんな感じでしょうか。

こういった再生範囲の調整をPart 02以降にも行ってください。

どうやるかは自由ですが、筆者はおおよそ「8分音符」分の長さを、各パートのサンプルの長さにしました。

つまり、こういう事です。

【Part 02:1拍目ウラ】

STARTノブを上げて2打目のキックからスタートするように調整。

LENGTHも「次のスネアが鳴る直前までの長さ」に調整しています。

ちなみにPart 01と同じくキックですが、質感が全く異なります。

これがブレイクビーツの醍醐味というか、打ち込みだと出せない味ですよね。

【Part 03:2拍目】

スネアその1です。

【Part 04:2拍目ウラ】

ハットが16分音符で2発、16分ウラでスネアがかすかに聴こえますね。非常に美味しい部分です。

【Part 05:3拍目】

ここも16分音符のハットと小スネアのミックス。

【Part 06:3拍目ウラ】

ハットと小キックのミックス。

【Part 07:4拍目】

スネアその2。Part 03のスネアよりピッチが低めです。

【Part 08:4拍目ウラ】

ハットと小スネアのミックス。

これで、文字通りビートをブレイクできましたね。ダンドリ完了です!

解体したサンプルを順番に鳴らしてみる

試しに各パートを並べてシーケンスを組んで見ましょう。

各パートを8分音符の長さで範囲指定しましたから、ピアノロールでも8分音符で打ち込みます。

それではPlayしてみましょう!

ちなみにBPM144です。

人力ブレイクビーツの割には結構スムーズにつながっていると思います。

サンプルを自由に並び替えて新たなビートを作る

お待たせしました!いよいよブレイクビーツで最も楽しい、サンプルの並び替え作業に移りましょう。

ここは本当にあなたの感性がモノを言う作業で、正解はありません。

例えば…

BPM172に早めて、各パートのPITCHを少し上げました。16分や32分音符で細かく刻んでいる場所もあります。

これだけで何となくスクエア・プッシャーばりのドリルン・ベースっぽくなったと思いませんか?

逆にテンポとサンプルのピッチを下げると、マッシヴ・アタックっぽいトリップ・ホップなビートも作ることができますよ。

サンプルを並べ替えるなり個別にエフェクトをかけるなりして、あなただけのビートに仕上げましょう!

まとめ


以上KORG Gadget Bilbaoを使ってのブレイクビーツ・テクニックをご紹介しました。

パートごとにサンプルをアップしたり、再生タイミングをエディットする所だけ、若干メンドくさいです。

しかし一旦エディットしたプログラムをセーブしておけば、どのソングにも呼び出すことができます。

オリジナルのドラムキットが出来たようなものですから、あなたにとってかけがえのない財産になりますよ。

Bilbaoを用いたブレイクビーツ作り、是非お試しくださいませ。

それではまた。Have a nice trip!

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