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みんなが待ってたKORG Gadget「for Mac」! 新機能まとめ

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コルグは2017年1月20日未明、NAMM Show 2017(毎年1月にアメリカで開催される楽器見本市)において新製品KORG Gadget for Macを正式発表しました。

今回はMac版Gadgetで具体的に何ができるようになるか、個別に紹介してみたいと思います。

iOS版の課金ガジェット「全部入り」

iOS版リリース当初は15種類ほどのガジェット楽器がプリインストールされ、その後にリリースの追加ガジェットについては別途購入する。というスタンスでした。

しかしMac版は、これら追加分ガジェットを購入する必要がなくなります。

つまりARP ODYSSEYやM1といったプレミアム音源を含む、30以上あるガジェットが、初めから無料で使える(※)という、大変太っ腹な仕様です。

そのためKORG Gadget for Macのアプリ価格が気になる所ですが、群雄割拠なDAW界に殴り込みをかける後発組だけに、戦略的な価格設定がなされることを期待しましょう!

(追記)価格は29,800円で、今なら発売記念特別価格の19,800円です。4月30日まで!

※"KORG Module"のアペンド音源である"Ivory Mbile Grand"を除く。

「オーディオ・トラック」に対応。ボーカルやギター録音が可能に

全KORG Gadgetユーザー待望の「オーディオ・トラック」対応が、遂に実現。

他のDAWのようにボーカルやギターなどをマイクやラインで録音し、その波形データを扱えるようになります。

そのために新たに2つの録音用ガジェットが投入されるとの事で、まずは6ミリのオープンリールっぽいルックスが粋な"Zurich"(チューリッヒ)

ボーカルなどのマイク録音時は、このガジェットが担当します。

オーディオファイルのインポートも可能な模様。

これまでも"Bilbao"などのガジェットで可能でしたが、いかんせん「5秒」までしかロードできなかったので、かなり期待できますね。

もう一つの"Rosario"(ロザリオ)は、いわゆる「ギター・アンプ・シミュレータ」です。

各種ギターアンプのモデルのほか、ディストーションやファズなどといったエフェクトも多数搭載される事でしょう。

本格的にオーディオを取り込むには、"iRig"などのオーディオ・インターフェースが必要になりますね。

このオーディオトラックの対応は、KORG Gadgetにとって、既存のDAWと肩を並べる大きなな進歩だと思います!

MPCライク?なドラムマシン・ガジェット"Recife"の追加

16個のパッドが並ぶドラムマシン・ガジェット"Recife"(レシフェ)

このようなMPCライクな音源は、今やどのDAWにも搭載されてますから、要望も多かったのでしょうね。

「高音質なサンプルを内蔵した新型ドラム・ガジェット」との事です。

サンプルをスライスしてのブレイク・ビーツや、Abletonで言うところのWARP機能なども期待したいところ。

※Recifeについて、特集記事を書きました。詳しくはこちら

音色検索機能「ニュー・ガジェット・セレクター」搭載

今や30本以上あるガジェット楽器。

これらの中から狙いの音色を探し出すのは、特に初心者の方にとっては至難の技でした。

例えば「ベース」ひとつ取っても、モコモコしたシンセベースから、フィンガー・ピッキングな生ベース、果てはFM音源で作るチョッパーっぽい音まで、そのバリエーションは無限に思えるほど。

そこで投入された、音色探しのための検索機能だと思われます。

「シンセリード」「ブラス」「SFX」といった音色カテゴリーでも呼び出せるでしょうし、EDMやテクノ、バンドサウンドといった音楽ジャンルを指定することで、あなたが必要な音色を素早くナビゲートしてくれることでしょう。

(2017.4.11追記)

実際は「音色探し」というより「ガジェット探し」的な機能でした。

"Type"でガジェットの大まかな種類を定めたり、"Tag"でBassやLeadといった音色の特徴を指定したりして、それにふさわしいガジェットを抽出表示するというものです。

音色そのものをガジェットを横断して検索できるかと思っていたので、少々残念。

"Touch Bar"対応でバーチャル鍵盤を演奏可能

新型MacBook Proに搭載されたTouch Bar。

ファンクションキーを廃止する代わりに、横長の有機ELディスプレイを設け、そこにアプリごとのショートカットやボタンが表示・操作できるという新しいインターフェースです。

このTouch BarにKORG Gadget for Macも、いち早く対応するようですね。

Touch Barにバーチャル鍵盤を表示して指で演奏できたり、各種Functionボタンなどが適宜出現すると思われます。

あの小ささですから本格的な演奏は厳しいかもしれませんが、ドラムなどの打ち込みや音色チェック用としては十分機能してくれるでしょう。

タッチパネルによる快適操作を実現した元祖"KORG Gadget for iOS"の美点というか、DNAを受け継ぐ機能だと思います。

このTouch Bar、今のところ2016年11月リリースの新型MacBook Proだけの機能ですが、ぜひ「次期Apple wireless keyboard」への実装も期待したいですね!

ガジェット楽器のプラグイン化。他社製DAW上で動作。

「KORG Gadgetの音源を他のDAWでも使いたい」。そんな要望を幾度となく目にしてきました。

その要望に対するコルグさんからの回答が、全ガジェット楽器のプラグイン化(※)

あなたが愛用するDAW上で、KORG Gadget BerlinやKamataが動作する…なんとなく、不思議な感じがしますね。

なお、これらプラグイン群は"Gadget Plug-in Collection"という形で供給されます。

対応フォーマットはVST(Cubaseなど、ほぼ全DAW)・AU(GarageBandやLogic)・AAX(Pro Tools)・NKS(NI)。

KORG Gadgetを「音源」として欲しい方には、とても嬉しいサービスだと思います。

Gadget Plus-in Collectionについては、別の記事で詳しく紹介しています。こちらをご覧下さい!

Ableton Liveとの連携がさらに強化

KORG GadgetとAbleton Liveの連携機能については、これまでもGadgetで作成したトラックを、Ableton Liveのプロジェクト・ファイルとして書き出すことができました。

Gadget上でクリップごとにオーディオデータ(WAV)に変換し、それをLive上でもクリップとして扱える機能です。

これに加えGadgetで打ち込んだMIDIデータを「音色情報も含めた」形で、書き出すことができるようになります。

つまり、さきほど紹介したガジェット楽器のプラグイン化により、Gadgetで打ち込んだシーケンスデータがLive上でも全く同じように再現できる。ということです。

この機能の素晴らしいところは、書き出すのは通常のMIDIデータなので、Live上で思いのままに編集できる点。

これで移調でもオクターブの上げ下げでもなんでも、好きなようにエディットできますね。

※Ableton Liveとの連携について、特集記事を書きました。詳しくはこちら!

"Allihoopa"で、世界中のクリエーターとトラックをシェア。コラボレーションも。

ユーザー参加型楽曲共有サービスAllihoopa(アリフーパ)に対応との事。

Allihoopaとは同社のiOSアプリ"Figure"や"Take"、Propellerhead社の超有名DAW"Reason"で作成した楽曲をアップロードできるサービス。

このコミュニティーにKORG Gadgetユーザーも参加できるようになります。

私たちGadgetユーザーにとって楽曲をシェアできるサービスとしては、SoundCloudのシステムを使った"GadgetCloud"がお馴染みですよね。

どうやらAllihoopaでは、誰かがアップした楽曲を誰でもアレンジすることができ、世界中のユーザー間でコラボレーションが実現するらしいのです。

国を超えたクリエーター同士のコラボやリミックスなど、共同制作によってコミュニケーションできる可能性が広がりますね!

※アリフーパについてのレポートをアップしました。記事はこちらです。

iOS版とMac版のシームレスな連携

iOS版とMac版で制作したデータをiCloudにて完全同期。

クラウド上にデータがバックアップされる機能だと思われます。

これにより「出先でiOS版」「自宅でMac版」という例のワークフローが、よりスムーズに行えますね。

※iCloudの同期機能について、特集記事を書きました。こちらでご確認ください

"for Mac"・"for iOS ver.3"とも、2017年2月にリリース予定!

以上、今のところ判明しているKORG Gadget for Macの新機能についてご紹介しました。

Mac版のリリースは2017年2月で、ダウンロード価格は未定(1/22現在)となっています。

(2017/3/4追記:残念ながら、2月28日予定だったリリースは3月下旬に延期となりました。価格は29,800円で、発売記念特価は19,800円との事!)

またMac版のリリースに合わせKORG Gadget for iOS version 3がリリースされる予定。

ご紹介した新機能や新ガジェットが、iOS版でも使用できるようになります!!

購入はKORG Shopから。今なら発売記念特価で19,800円!!

KORG Gadget for Macはダウンロード販売。

KORG Shopというオンラインショップにて、購入することができます。

2017/3/24のリリース当初は大人気でサーバが混み合い一時販売中止になったようですが、現在は復旧。

ぜひコチラからゲットしてくださいね!

「DAW界」という大海原への船出。頑張れKORG Gadget!

さて、いよいよDAW界に殴り込みをかけることになる、我らがKORG Gadget。

これまではiOSきっての「ダンスミュージック制作アプリ」として名を上げてきましたが、今回のオーディオトラック対応で「総合的な音楽制作DAW」として、大きく舵を切ることになります。

Cubase・Logic・ProTools・FL・DP・StudioOne・・・そんな猛者が溢れかえる大海原に戦いを挑むという英断を、私たちユーザーは誇らしく思っていいと思います。

今後のコルグさんの奮闘に期待しましょう!

それではまた。Have a nice trip!

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは!
    KorgGadgetについての情報を探していたところ、偶然にもこちらのサイトにたどり着き、書き込みをさせて頂きました。
    他の方のサイトにて、KorgGadgetの話は載っているものの、KorgGadgetを主体に楽曲製作….という記事が無く、困っておりました。
    こちらはKorgGadget主体(専門?)のサイトだということで、たどり着けたことを大変嬉しく思っています。
    分かりやすく美しい、見やすいサイトデザインにより、自分の探している記事を見つけることも容易でした。
    詳細に書かれているため、他にサイトを回る必要がありませんでした。
    新しい記事を楽しみにしております。それでは、また。

    • T[9]さん
      コメントいただき、ありがとうございます。
      ぼくがこのブログを立ち上げたキッカケもまさにTさんが仰る通り、KORG Gadgetに関する情報があまりに少なかったからです。
      ですから、そのようなご感想をいただき、これ以上の喜びはありません!
      このところ多忙で更新ペースが落ちがちですが、引き続き頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いします!!

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