Marseille

PCM音源ガジェットMarseilleについて。CHORD機能で美味しいコード進行を。

KORG Gadget Marseille(マルセイユ:フランスの港町)は、とても使い勝手の良いポリフォニックPCM音源。

ピアノやエレピ、各種ブラス、マレットなどの打楽器系、果てはギターやストリングスといった弦楽器まで取り揃えられています。

個性的で強力なシンセサイザーが揃うKORG Gadgetにあって、いわゆる「生楽器」系のサウンドを多数収録する貴重なガジェットです。

例えるなら、かつてのSC-88といった「PCM音源モジュール」のようなガジェットと言えるかもしれません。

Marseille最大の武器「CHORD機能」とは

Marsseileには、たとえ知識がなくても簡単にコードをつけることができる「CHORD」ボタンが搭載されています。

試しに「CHORD」ボタンをオンにして、ガジェットの鍵盤を押してみてください。

・・・単音弾きのはずなのに、何ともいい感じの和音が奏でられましたね。

「SCALE」ボタンで設定されたスケール(音階)と連動し、それに沿ったコードを演奏することができるわけです。

SCALEについて

SCALEについて簡単におさらいしてみましょう。

SCALEボタンを押すとスケールを設定するためのダイアログが表示されます。

左にあるScale Typeで、好みのスケールを選択します。

本来「スケール」を理解し、正しく演奏するためには、「モード」と呼ばれる難しい音楽理論を学ぶ必要があります。

しかしKORG Gadget Marseilleを使えば、好みの響きのスケールを自由に選ぶだけで、スケールからハズれない演奏を簡単に行うことができるのです。

ブルース・エスニック・ハワイアン・・・ここは難しいことを考えず、作りたい曲のテイストに合わせて、フィーリングで選んでみてくださいね。

一気にソレっぽくなって、楽しいですよ!

設定できるスケールについて

以下に各スケールの構成音と、特徴を抜粋してみました。

KORG Gadgetには、これ以外にも35種類ものスケールが登録されています。

スケール名 スケール(Key=Cの場合) 一口メモ(筆者主観)
メジャー1(アイオニアン) C,D,E,F,G,A,B 明るい響き
メジャー2 (リディアン) C,D,E,F#,G,A,B 緊張感のある響き
マイナー1(エオニアン) C,D,Eb,F,G,Ab,Bb 物悲しい響き
マイナー2(ドリアン) C,D,Eb,F,G,A,Bb 都会的な響き
マイナー3(フリジアン) C,Db,Eb,F,G,Ab,Bb エスニックな響き
メジャー・ブルース C,D,Eb,E,G,A 明るいロックな響き
マイナー・ブルース C,Eb,F,Gb,G,Bb ジャジーな響き
メジャー・ペンタ C,D,E,G,A 童謡・ポップスっぽい響き
マイナー・ペンタ C,Eb,F,G,Bb メジャーペンタより渋い響き
ラーガ・バイラブ C,Db,E,F,G,Ab,B インドっぽい響き
リュウキュウ C,E,F,G,B 沖縄っぽい響き
チャイニーズ C,E,F#,G,B 中華っぽい響き
ベース・ライン C,G,Bb I → VIIb → V など
ホールトーン C,D,E,Gb,Ab,Bb 全音音階 調性感がぼやける
5th インターバル C,G 完全5度

普通の「ドレミファ・・・」を弾きたい場合は、”Chromatic”を選択してくださいね。

SCALE機能とCHORD機能を組み合わせて演奏する

さて、話を元の「CHORD」機能に戻します。

先ほどCHORDボタンをオンにすると、スケールに沿ったコード演奏が行えるとお伝えしました。

これについて少し詳しく述べます。

例えば「ドリアン」スケールを選択した状態で「CHORD」機能をオンにし、Cの鍵盤を弾くと、以下のコード演奏が行えます。

これは”Cm7″(シー・マイナー・セブンス)というコード。

ピアノロールの一番左にある「音名」を見ると、「C3」「G3」「D#4」「A#4」が演奏されたことがわかります。

「D#=E♭」「A#=B♭」ですから、上の表にあるドリアン・スケールの構成音通りに演奏されていますよね。

「スケールをハズさずコード演奏ができる」というのは、つまりはこういう意味なのです。

(ちなみに上のピアノロールにて表示が薄くなっている音名は、設定したスケールの構成音ではない(ハズレている)ことを示しています)

逆に言えば「弾いたコードからハズれないスケールのメロディーを演奏できる」ということ。

なんにせよCHORD機能とSCALE機能を活用すれば、ユーザーはモード理論などを意識せずとも、手軽にスケール演奏の醍醐味を味わえるわけです。

音楽初心者の方はもちろん、好みのテイストのスケールを設定して鍵盤をなぞるだけで簡単に美味しいフレーズを作ることができるので、とても使える機能だと思いますよ。

各パラメータの説明

Marseilleでの音作りは、すべてこの1画面だけで完結します。

PROGRAMSセクション

Marseille中央にあるパネルで音色を選択します。

ピアノやブラス、弦楽器などの生音系を中心に、128種類の音色がプリセットされています。

パネル上で上下にドラッグすると、プログラムのリスト表示がスクロールします。

左のスイッチでカテゴリーを選び、その音色だけを抽出して表示することもできます。

OUTPUTセクション

Marseilleのトータル・ボリュームです。

OUTPUT LEVEL(0~127)

Marseilleの出力レベルを設定します。

ENVELOPEセクション

音量変化の度合いを設定します。

ATTACK(0~127)

アタックタイム(鍵盤を叩いてから最大レベルになるまでの時間)を設定します。このパラメータを上げると、音がふわっと立ち上がります。

DECAY(0~127)

ディケイタイム(サスティンレベルに至るまでの時間)を設定します。短くすれば歯切れの良い、長くすればゆったりとしたサウンドになっていきます。

SUSTAIN(0~127)

サスティンレベル(音が継続するレベル)を設定します。0 にすると、DECAYで設定した時間に音が消えます。

RELEASE(0~127)

リリースタイム(鍵盤から離れてから音が消えるまでの時間)を設定します。長くすれば余韻が増していきます。

EFFECTSセクション

Marseille独自のマルチエフェクターです。

2系統まで設定することができます。

FX SELECT

設定するエフェクターを選択します。

前段がFX1、後段がFX2なので、エフェクトをかける順番で効果が変わります。

EFFECT TYPE

エフェクトのタイプを選択します。

FX1・FX2にそれぞれ、以下のエフェクトがプリセットされています。

Bypass

エフェクターをバイパス、つまりオフにします。

Peak EQ・2 Band EQ

イコライザー。特定の周波数をカット/ブーストさせます。

LPF・HPF・BPF

フィルター。一般的な、ローパス・ハイパス・バンドパスフィルターが用意されています。

COMB FILTER

コム・フィルター。入力信号をフィードバックさせて付け足し干渉させることで、複雑な波形を生み出します。

COMPRESSOR

コンプレッサー。音の強弱の差を小さくし、その結果として音圧を稼ぎます。

Tube Drive

オーバードライブ。ディストーションより柔らかい歪みが得られます。

Distortion

ディストーション。オーバードライブより激しい歪みが得られます。

DECIMATOR

デシメーター。サンプリング周波数や量子化ビットを下げて音を汚し、いかにもデジタルっぽいサウンドにさせます。

RING MOD

リング・モジュレーター。通常のVCOでは生成できない金属的なサウンドに変化します。

Talk Mod

トーキング・モジュレーター。

元々は、ギターなどの音が出力される専用スピーカーにホースを繋ぎ、それを口にくわえて口腔内をフィルターがわりに使って、その音をマイクで拾う…というものらしいですね。

ロボットボイスのような、摩訶不思議な効果が得られます。

CHO/FLG

コーラス/フランジャー。原音と、原音に極めて小さく遅延させた音とを干渉させ、音を変化させます。

すこし上げると音が重厚に、さらに上げるとジェット機の上昇/下降のような、ウネるサウンドになります。

ENSEMBLE

アンサンブル。コーラスとはまた違った重厚さを与えます。

PHASER

フェイザー。原音と、位相をずらした音を干渉させ、フランジャーとは違ったウネりを与えます

Auto Pan

オート・パン。音を周期的に左右に振ります。

PANのパラメーターをいじらなくても、オートメーションがわりに使えますね。

Tremolo

トレモロ。音量を小刻みに可変させます。

Pump

ポンプ? アタックからすぐ音が減衰し、その後徐々にフェードインするような効果が得られます。

Slicer

スライサー。トレモロに近いのですが、音量を連続的ではなく「0か100か」で小刻みに可変させます。

GRAIN SHIFT

グレイン・シフター。ある周期の音をサンプリングして、それをやまびこのように一定期間繰り返します。

SHORT DELAY

ショート・ディレイ。やまびこのように繰り返し跳ね返ってくるサウンドを作ります。

BPM DELAY

BPMディレイ。BPMに同期したやまびこにアジャストしてくれます。

ROOM REVERB

ルーム・リバーブ。部屋の中の残響をシミュレートします。

HALL REVERB

ホール・リバーブ。コンサートホール内の残響をシミュレートします。

GATE REVERB

ゲート・リバーブ。まず深めにリバーブをかけ、その後ノイズ・ゲートをかけて残響の後半部分を切り取ります。

80年代に大流行りしたサウンド。

EDIT 1

選択したエフェクトの1つ目のパラメータを設定します。

EDIT 2

選択したエフェクトの1つ目のパラメータを設定します。

・・・と言われても、具体的に何のパラメータをどう調整すればいいのかが、パネル上に一切表示されません。

おそらく、EDIT 1が「エフェクトによって異なる様々なパラメータ」で、EDIT 2が「エフェクトの効き具合(いわゆるデプスやレベル)」思われます。

ここは「ざっくり設定して、いい感じの音になったらOK!」という、フィーリングでいじってみましょう。。

CHORDセクション

冒頭に解説したグローバル・コード機能をON/OFFします。

“Marseille”サウンドメイキングのポイント

MarseilleはいわゆるポリフォニックPCMシンセなので、フィルターで音色変化させる事は得意ではありません。

そのかわり2系統あるエフェクトのプリセットがかなり充実しているので、これらを駆使しての音作りになります。

音色そのものを変化させるというより、音色に効果を与えて音を作り込むという感じでしょうか?

2つのエフェクターの組み合わせや並べ方で、様々な音色変化のバリエーションが得られます。

またグレインシフターやトーキングモジュールといった変わり種エフェクトもありますから、色々試してみましょうね。

それではまた。Have a nive trip!

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