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【KGR #08】宇宙シンセと巫女コラボ。両者が織りなす幸せダンス。「Cosmic Autumn Festival Kagura Mix – by TKMT」

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KORG Gadgetで制作された優れたトラックを、作者ご本人のノウハウやコメントを交えながら楽しくピックアップする「KORG Gadget Recommends」。

このコーナーでは、KORG Gadgetで作られた楽曲のうち、私たちGadgetユーザーのお手本になるようなセレクションを心がけています。

そんなKGRも早や8回目。今回は、この曲をご紹介します。

Cosmic Autumn Festival Kagura Mix – by TKMT

緩やかなビートとテンポが印象的な、ゆったりとしたダンスミュージック。

壮大かつキャッチーなメロディーも持ち味で、今はなき?ダッチ・トランスのそれを彷彿とさせます。

Phoenixが奏でる明快で印象的なブラスの裏で、Chicagoによる緻密かつ変化に富んだシーケンスが巧みに動き、リスナーを飽きさせません。Bruxellesの分厚いサウンドも効いてますね。

それでいて、どこか「和」や「雅」を感じさせるフレーズも魅力的。

「シャンシャン」と鳴る清冽な神楽鈴もあいまって、なんともピースフルで独特な世界感が表現されています。

作者のTKMTさん曰く「ある日、日本の山奥の小村に宇宙船が降りてきて、そこから出てきた宇宙人と村民がパーティを始めるイメージ」とのことです。

そんなこの曲は、どんなやり方で作られたのでしょうか?

制作環境とテクニックについて

この曲を制作するにあたって用いられた機材や様々なテクニックについて、TKMTさんに伺いました。

【コンピューター】iMac early 2008 intel core2duo 2.4 GHz メモリ 4 GB

【ソフトウェア】KORG Gadget for Mac / Ableton Live10 Standard

【プラグイン】Air Music Technology "The Riser" / iZotope "Ozone8 Standard" & "Neutron2 Standard"

【MIDIキーボード】Line6 MobileKeys 49

【フィジカルコントローラー】KORG nanoPad2 / nanoKontrol2

なかなか興味深いラインナップですね。さっそく個別に見て行きましょう。

目次

10年前のiMacでも軽快に動作

まず、楽曲制作はiOS環境でなく、デスクトップPCのiMacで。

一昔前のモデルですが、KORG Gadget for Macなら余裕で、軽々と動いてくれたそうです。

ちなみにこの曲は、8トラックで構成されているとの事。

Abletonとの「強力無比な連携機能」をフル活用

この楽曲は、ひとまずKORG Gadgetで完成させたトラックを、Ableton Liveにて整える…というスタイルで制作されています。

以前、当Gadget-Junkies.netで取り上げましたが、KORG Gadgetは、Ableton Liveと極めて緊密に連携します。

なにせ、Gadgetで作ったシーケンスはもちろん、音色情報も含め、そっくりそのままAbleton上で完全再現できるのですから。

[clink url="https://gadget-junkies.net/?p=3080"]

このメリットを生かし、ドラムガジェット「London」で鳴らしていたシンバルを、Abletonにて「神楽鈴」へ差し替え。

巫女さんが神事の時に鳴らす、あの鈴ですね。

神楽鈴。出典:https://jp.yamaha.com

ちなみに神楽鈴のサンプルは、効果音やボイスなどを数多く取り揃えた素材サイトPixtaで購入されたそう。

リスナーの意表をつく「シャンシャン」響く音色はとても印象的で、この曲をよくあるEDMに留めない、ユニークで味わい深い作品にしています。

こういった柔軟な対応が簡単に行えるのも、Abletonとの強力な連携ゆえでしょう。

プラグイン音源を追加投入

またAbletonにて、プラグイン・シンセThe Riserのトラックが追加されています。

「簡単に盛り上げ音が作れる」というThe Riser。ちなみにこんな音。

The Riserは読んで字のごとく、EDMに欠かせない「ライザーサウンド」(サビに向かってピッチが上昇していく音)や、小節アタマで用いる「インパクト系FX」作りなどに特化した便利シンセ。

8トラックなのに感じるゴージャスさは、このサウンドの存在が功を奏しているのでしょう。

話題の自動ミックス/マスタリング・スイーツも

そして注目は、2017年10月にリリースされたばかりの自動ミックスツールNeutron2 Standardと、自動マスタリングツールOzone8 Standard!

ボタン一つで、人工知能君が「わっせわっせ」と勝手にミックスやマスタリングしてくれる、夢のようなプラグインです。

「曲の後半、Bruxellesの音に飲み込まれて、Chicagoのウネウネ音やPhoenixのコード音がよく聴こえなくなったのが、NeutronのEQ処理によって音が分離し、聴きやすいものになった」(TKMTさん)とのこと。

作者はこれらのプラグインを、サブスクリプション・サービスSplice(月額$9.99)にて、必要な時だけ利用されているそうです。

なお、Neutron2やOzone8についてもっと知りたい方は、藤本健さんの「DTMステーション」の記事がオススメ。

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

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