K.G.R

【KGR】アコースティックな情感あふれる、アコーディナの調べ。「Ammonite – by HibinoKakera」

この夏開催された、KORG Gadget非公式コンペティション GadgetSonic 2018

期間中は138エントリーという多くのご応募をいただき、その中から最優秀3作品「BEST OF SONIC」、および優秀作「SONIC OF THE YEAR」が選ばれ、その幕を閉じました。

当コーナー「KORG Gadget Recommends」では、これまでBEST OF SONIC 2楽曲の作者にインタビューを敢行し、貴重な制作ノウハウなどをご披露いただいております。

そして今回、いよいよBEST OF SONICに輝いた「最後の一曲」を紹介することができます!

Ammonite(アンモナイト)- by HibinoKakera

作者・ヒビノカケラさんの確かな演奏テクニックに裏打ちされた、人の息吹が感じられる美しいアコースティック・トラックです。

端正でゆったりとしたピアノ、密やかなサンプル使い、空間を生かした「間」、そしてアコーディナによる素朴でノスタルジックなソロプレイ。

打ち込み一辺倒のトラックでは感じることが難しい、抑揚をたたえた見事な表現力。思わず聴き惚れてしまいますね。

しっとりと曲の終わりを迎えた後は、心地よい余韻に浸ることができます。

制作環境について

「Ammonite」の作者・ヒビノカケラさんに、お話を伺いました。

【PC】Apple iMac mini 2010

【DAW】KORG Gadget for Mac

【MIDIキーボード】KORG microKEY Air

【使用楽器】アコーディナ

【マイク】Lewitt LCT940

この楽曲はMac miniで制作されていますが、なんと8年前のモデルだそうです。

image:https://en.wikipedia.org

昨今めっきり見かけなくなった、フロントの光学スロット(SuperDrive)が泣かせますね。。

CPUは懐かしのIntel Core 2 Duo 2.4GHzで、メモリは2GB(いずれも標準)。

そんな一昔前のPCでもKORG Gadgetであれば、オーディオレコーディングを用いたトラックメイキングが十分できることを、この楽曲は証明しています。

このような軽快な動作は、コルガジェが他のDAWを凌駕するアドバンテージの一つと言えましょう。

この楽曲の肝「アコーディナ」とは?

そして注目は、この楽曲に「アコーディナ」(accordinaという、あまり耳慣れない生楽器が使われていること。

image:kamide.net

アコーディナは、小型の吹奏楽器。

鍵盤ハーモニカと似た音色ですが、アコーディナは鍵盤の代わりにボタンが並び、それらを押さえながら筐体内のリードに息を吹き込んで演奏します。

演奏にボタンを用いることが大きな特徴で、それによりコンパクトな作りにも関わらず「3オクターブ半」(およそ44音)という広音域のカバーが可能。

一般的な鍵盤ハーモニカは2オクターブ半(32鍵)ですから、奏法のみならず、表現力の違いとして現れます。

アコーディナについては、ヒビノカケラさんのウェブサイトで詳しく解説されています。

この楽曲では、作者自身によるアコーディナのソロプレイを堪能でき、この情感溢れる演奏が「Ammonite」の世界を決定づけていますね。

KORG Gadgetは、強力なシンセ群やリズムマシンが武器ゆえ、デビュー以来とかく「ダンスミュージック向けアプリ」だと言われてきました。

しかし「Ammonite」を聴けば、味わい深いアコースティック楽曲が作れることを、瞬時に理解できるでしょう。

そういった意味でも、この作品がKORG Gadget非公式コンペ「GadgetSonic 2018」において、優秀作「BEST OF SONIC」の一曲に輝いたことは、非常に意義深いものがあると感じます。

テクニックについて

特にテクニックというものはないのですが、自分は楽器演奏が得意なのでピアノ系の音は手弾きで1テイクで録ります。

印象的なLexingtonによるシンセフレーズや、Darwinピアノのバッキング、そしてトラックをほのかに彩るGlasgowを用いたパッド。

これら一連の鍵盤パートは、生演奏、しかもワンテイクのみで入力されているとのことです。

やはり、ステップ入力では表現の難しい躍動が感じられますね。楽器が弾けない筆者からすると羨ましい限り。

一方、さきほど紹介した「アコーディナ」の録音で大活躍しているのは、KORG Gadgetでオーディオトラックを扱うことのできるレコーダーZurich。

レコーディングはMacで行い、オーディオインターフェースにコンデンサーマイクLewitt LCT940を接続して、ここでも一発録りで行ったようですね。

ドラムトラックは、アコーディナなどを引き立たせるためか控えめな仕上がりですが、キックに関してはBilbao、それにStockholmで作者手持ちのrexファイルをインポートし使っている模様。

そして曲の中盤以降は、Gladstoneの生ドラムサウンドで盛り上げています。

ダンサブルな打ち込み系サウンドが主体のコルガジェにあって、このGladstoneと、生ベースガジェットMadrid(この楽曲でも使われています)は、アコースティック系サウンドを支える貴重な音源。

いずれもiOS版では課金する必要がありますが、制作するジャンルによっては検討に十分値するガジェットだと言えましょう。

「KORG Gadgetは、音楽を作ることに集中できる。」

最後に、BEST OF SONICの一曲に輝いたAmmoniteの作者・ヒビノカケラさんから、こんなメッセージをいただきました。

(KORG Gadgetは)「多機能重視の今時のDAWには珍しく必要最小限で余分なものがない、そのため音楽を作ることに集中できる」と感じました。気合いを入れずラフスケッチで使うと行きには、コルガジェを起動しています。たとえていうと、部屋の隅にあるギターをちょっと手にとって、メロディを奏でてみる感覚でしょうか。音楽を作るというよりも、音楽とふれあう時間を作るという感じが楽しいですね。

筆者としても、大いに頷けるコメントです。

DAWを起動してガッツリ曲作りを行うシーンもあれば、KORG Gadgetで手軽にフレーズを考えるスタイルも当然アリ。

そんなコルガジェを「部屋の片隅にあるギターを手に取るようだ」とは、言い得て妙だと思いました。

ちなみにヒビノカケラさんは、普段 Propellerhead Reasonをお使いのようですが、なんとコルガジェは今年の8月…つまりGadgetSonic 2018の開催と同タイミングで使い始められたそうです。

プロペラヘッド社から割引クーポンが送られた時「なんとなく面白そうだな」といった感覚で使い始めたのがキッカケとのことですが、すぐに操作を覚えてコンペに応募するというフットワーク。見習わなければなりませんね。

そんなヒビノカケラさんは、SpotifyやiTunesで幅広く楽曲配信もされています。

ご自身のサイトから詳しい情報を知ることができますので、興味のある方は尋ねてみてください。

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