GadgetSonic 2024 グランプリ作品発表
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2024
🔥 FIRE RED STAGE 🔥
👑 BEST OF SONIC 👑
153|Flightrec “Vengeance“
選評:映画のサウンドトラックのような大作で、「復讐」というタイトルもその世界観の演出に一役買っている。映像からすると相当なトラック数(23トラック?)を使用しているようで、「Gadgetでここまでできる」というお手本のような曲。曲、音色、構成、ミックス、どれをとっても素晴らしく、展開もドラマチックで完成度が極めて高い。この曲を聴いて、一体どんなストーリーの映画なのかを想像してみるのも一興。
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2024
🔥 FIRE RED STAGE 🔥
🎖️ SONIC OF THE YEAR 🎖️
015|Yu “Unmanageable”
選評:作者が「ポンポコアンビエントミュージック」と称しているだけあってユーモラスなサウンドが使われているが、本格的なアンビエント作品。今回はアンビエント系の曲の投稿も多かったが、その中でもこの人の作品は群を抜いており、ピアノを使った「New Salzburg」も素晴らしかった。投稿曲をまとめてミニアルバムにする予定があるようだが、是非聴いてみたい。
003|djhichannel “Inactive Shape”
選評:ゲームミュージックでドラムンベース、という発想が面白い。それも単なる思いつきではなく、非常に完成度の高い作品として仕上げているところがさすが。他の応募作を聴くと作者はこのジャンルのマナーを知り尽くしているようで、この曲はその応用編、といった余裕を感じさせる。ゲームっぽいSEの入れ方もグッドで、Kingstonというガジェットの可能性を感じさせる。何よりお洒落なのがいい。
084|Taiki overthere “Gin Tonic(24modify) ”
選評:切ない曲に乗せた物憂げなラップがとても良い。声もいいし、何よりリリックが深くて刺さる。後半の渾身のギターソロもぐっとくる。作者はマルチプレイヤーらしく、シンセ以外はほぼ生演奏のように思われる。Gadgetはバンドサウンドを録音する「DAW」としてもここまで使える、という証明にもなっている。あと聴いてるとジントニックが飲みたくなる。心に残る曲。
054|RedStoneBridge “壊れたオモチャの舞踏会”
選評:このコンテストでバンドサウンドで歌ものというのは非常にユニーク。こんなこともできる、というGadgetの可能性を感じさせる。ヴォーカルもキャラが立っていて、曲調やミックスも相まって全体に漂う雰囲気がどこか懐かしさを感じさせてくれる。「捨てられてしまった大切だった(筈)のオモチャが月夜の晩にポリバケツの上で音楽やダンスを披露する」というイメージで作られたそうだが、そのBGMがGadgetで作られたというのはなんとも素敵な話ではないか。
107|colorless record “オレンジレイク“
選評:「チップチューンなエレクトロニカ」ということだが、音色やアレンジのぶっ壊れ感が最高。単にぶっ壊れているだけでなく、繰り返し聴きたくなる中毒性がある。よく聴くとバックでいろいろな音が鳴っており、しっかり構成されている。おそらく緻密に計算されて作られているのではないか。説得力のあるアバンギャルドは簡単にできるものではない。「チップチューン」というとあるイメージを思い浮かべるが、そこから軽々と逸脱している。他の応募曲も良かったが、一番ぶっ壊れていたこの曲を推す。
171|simizy “Cat+Fish=Catfish“
選評:「中華料理作ろうかなと思って作り始めたら調味料の配合間違えてよくわからない料理になって」しまったというイメージで作られたそうだが、まさにそんな感じのストレンジなジャズ。ズッコケ感が癖になる。しかし天然ではなく意図的にズッコケているような節もあり、それでいてあざとさを全く感じさせないあたり、作者の知性と技量のほどが窺える。ヴェイパーウェイブ的な架空の閉店曲「Closing」も良かった。
215|Moai b “コトミズキ“
選評:全体の雰囲気がとても良く、一聴してつかまれた。エレクトロニカの歌ものというのがユニーク。しかも打ち込みのオケに対してヴォーカルがフォーキーでアーシー、という対比も良い。オケも完成度が高く、音の隙間が気持ちいい。日本語ロックの祖と言われる某バンドを彷彿とさせるところもあり、海外で評価されるのではないだろうか。ユニークなラップの乗った「Walking Like A Cat」もとても良かった。他の作品も聴いてみたい。
158|SWENZY “シグナルとノイズ(signal & noise) “
選評:どんどん展開していくお洒落なエレクトロジャズ。個々の音も非常に良く、完成度が高い。タイトルは一般的には「S/N」の意だが、ここでは「単調になりがちなGadgetの打ち込み(=シグナル)にいかに有機的な要素(=ノイズ)を取り込んでいけるか」というこの曲における作者の挑戦を表しているように感じられた。それに呼応してるかのような映像も面白い。
139|SadJuno “hope flowing ephemerally(Processing study) “
選評:音の「間(ま)」にわびさびを感じさせる和風アンビエント。少ない音数ながら、それぞれの音が選び抜かれ適切に配置されることで、非常に説得力が生まれている。その様はまるで音の枯山水のよう。これはむしろ海外で評価される作品かもしれない。ミニマルな映像も素晴らしい。
019|DORAYAKI “A Life We know But Forget“
選評:個々のサウンドがとても良い。「Gadgetでこんな音出せるんだ!」という発見がある。例えて言うならサンプラーやデジタルシンセが出始めた頃、音を聴くだけでわくわくしたあの頃の音。ミニマルな曲ながら、その音の良さと構成の面白さで全く飽きさせることがない。どことなくユーモラスなところにも作者のセンスが如実に現れている。
GREEN EARTH FIELD
BULE WATER LAKE
SONIC MEDAL