GadgetSonic 2025 グランプリ作品発表
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2025
🌴 GREEN EARTH FIELD 🌴
👑 BEST OF SONIC 👑
217|necobit(ねこびっと) “でっらろーざ Weekly garbage disposal ROBOT’s VISION”
選評:本 GREEN EARTH FIELD での優勝作品はこちら!
「ロボットは毎週決まった曜日に起動し夜明けから日没まで働き夜には完全に機能停止されます。」との曲の概要欄の記載があったため、読んでから試聴してみた。
再生直後、スイッチが入り、ロボットのシステムが起動していく。0:40から稼働を始めたと思われる。2:20あたりから、ねこびっとさんの作品で特徴的なリードによる哀愁メロディーパートに移り、4:00リードソロを経て、4:25クラッシュ音と足音。ロボットは仕事を終えてドックに戻る。最後はバイオリンのメロディラインに乗せて、シャットダウン準備。最後はブチっと曲も突然シャットダウンされ終了。
また次の起動まで…ゆっくりおやすみなさい…短編ドラマを観終わったような余韻と満足感。
序盤のハイテンポパートでの、激しく奏でるスラップベースラインがカッコいい。その後のスローテンポパートでは、ピュアなリードで聴かせるパートが印象に残る。
全体的にプログレッシブな構成になっている楽曲構成面は、本作で表現されているストーリー性を感じさせる要因の一つになっているのではないだろうか。
本曲はSoundCloudでエントリーされた。動画もなく、ジャケットも文字だけ。楽曲に添えられた概要説明だけ。
にもかかわらず、曲だけで十分作者の創造したストーリーが語られており、受け手にしっかり伝わるような仕掛けが散りばめられている。
KORG Gadget上で、その表現を極めて高いレベルで成立していることに、選考時に高い評価を得た。
Signature style(独自性・オリジナリティ) 、Music Theory(理論面)、 Technical (技術面)、Art(芸術面)
全ての面で高評価を叩き出した本作に『BEST OF SONIC』の授与を持って讃えたい。
You’re on fleek!Kudos!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2025
🌴 GREEN EARTH FIELD 🌴
🎖️ SONIC OF THE YEAR 🎖️
170|Pheny “KITALPHA”
選評:ピアノのメロディーラインから始まり、ドラムとシーケンスパートが加わっていき、徐々にスピードを上げていく。
1:25四つ打ちバスドラに、ベースラインも加わり、激しく動き出しつつも、透明感のあるtranceパートが続く。2:00 dubstepのリズムと、強烈なサブベース、攻撃的なリードにより違う世界に誘い込まれていく。
最後に、ピアノが切なく余韻を残しオープニングに回帰していくエンディングも好評価。
リズム隊が目まぐるしく変わっていくのだが、Trance系の音色や曲調を基調に、構成、ミキシングともに違和感なく、非常に繊細に、丁寧にまとめられている。ぜひともフロアで鳴らしたい秀作。
039|あこぎ屋 “Dear Fragment”
選評: 『KORG Gadget for Nintendo Switch』で制作された本作。ではあるが、Switch版で作り上げた作品とは、選考での拝聴時には気付かなかった。音のキレ、音色の厚み、オートメーションの使い方が秀逸だったからだ。
シーケンス、バスドラからオープンハイハットのワクワクするような流れで曲が始まる。ここにコードバッキングが加わり、疾走感を感じるテクノ系のAパートに入っていく。
その後2:17にStabパートによる場面転換。2:45から3:41まではウネウネした倍音バリバリのリードが特徴的なBパート。その後バイオリンのメロディーを加えたAパートから大団円のBパートへの展開がsmartでcoolな展開だった。
個人的には、HIGHWAYを走っている時に流したいと思ったし、レース、STGにも合う。カッコいい!
Switch版で制作された楽曲に、またひとつ名作が誕生した。
070|Hiyocona “骨まで愛して”
選評:ポエトリーリーディング、ポップボーカル、テクノと、今回全く3つの異なる作風でエントリーされた中で、今回『骨まで愛して』を選出。
「抑えきれない恋の熱情」 をストレートに描いた情熱的な歌詞に、「骨まで愛して」と、一生をかけても惜しくない愛情という究極的な愛の表現。この歌詞を歌い上げるのは、読み上げソフトとして認知度が高い『ずんだもん』。
Kingstonを押し出した、スピード感あるチップチューンオケに乗ってくる「ずんだもん」。聴いてみると、このキャスティングバッチリ決まってます。
和のチップチューンフレーズから始まる軽快でシンプルな進行、スネアと絶妙なずんだもんの合いの手が入るBメロ、1:30に入ってくるCメロから自然な転調、大サビへの展開が、心地よく、あっという間のエンディング。エンディングもリバースH.Hで締めてキレイに決まってます!
素敵な曲をエントリーしてくれてありがとう!Thank you for loving this songwriting competition!
238|Swenzy Kong Yosh “Teaser Time / Yi Xi”
選評:2023年の優勝作品『そんな夏の日 feat.GUMI』で音声合成ボーカルによる作品に続く、ボカロトラックでは2023年以来のSwenzyさんのガジェソニエントリー。
今回は、中国人ラッパーのボイス音声合成ライブラリー「Yi Xi」をフューチャリングしてのボエントリー。日本語の歌詞を、ノンネイティブのライブラリーに歌わせることで、海外アーティストが日本語の歌詞を歌う時と同じようなイントネーションやアクセント感に聴こえる。効果的な演出として評価したい。
そして、これぞSwenzyさんのsignatures style とも言える、7thコードが奏でるオートパン入りのトレモロエレピサウンドが、しっかりこのボーカルを溶け込ませて曲全体を引っ張っている。ベースラインもしっかり作り込んであるが、後ろに控えるMIXになっており、小気味の良い軽快感を感じる作りになっている。心地よく終わるエンディングも好感。
またリピートして聞き直してしまう。そんな透明感のある素敵な一曲。良かった…
166|Makiko YY “A portrait obscured by foliage.”
選評:まるでライブ会場にいるかのような音響感覚。低音から高音に至るまで、不思議な立体感を感じさせるのだ。
全編を通して、終始聴き心地の良い金属音、機械音が鳴っており、この曲のイメージを作っている。ここに曲中さまざまなPad系の音色が代わる代わる登場し、風景が色々代わっている。
今回は、MakikoYY 女史による、本作と作風の異なる複数の作品も候補に上がっていたが、今回こちらのアンビエントテクノ独自の世界観を表現された本作品を積極的に推したい。あっという間の5:55の素敵な世界でした。
068|KeterBear “Avalon”
選評:KeterBearさんの曲には、透明感、静寂と疾走感が同居している。青空、風を感じさせる。地平線には草原または海…
そんな美しい景色の中での試練ある旅立ちの場面を連想させるのだ。
バイオリンの奏でるメロディーラインは切ないながらも決意を感じさせるKeter節。ピアノが高音まで駆け抜けるアルペジオやシーケンスが奏でる疾走感。途中リズムが鳴り止む静寂の対比。
曲全体を通して深めにリバーブをかけた世界感。エンディングは余韻を感じさせてこの場面の幕を閉じる。
終始丁寧に作られており、非常に高い完成度の一曲だった。素晴らしかった!
097|RAWSEQ “CYBERPUNK DAWN”
選評:今回、コンペ開幕直後に、元ナムコレジェンドアーティストの川田宏行様より、Gadget音源「KAMATA」を使用した作品を期待するとのコメントをもいただき、皆さんから多くのKAMATAフューチャリング作品をいただいた。名手RAWSEQ氏は、この突然の宿題をどう料理したのか。
本作は、他のガジェットも設定してある中で、曲の主要なパートをKAMATAに演じさせている作品である。作者も概要欄で説明しているように、KAMATAについては既にアイコニックな物が完成しているため、音作りではなく、他のガジェットと音を重ねることによる効果を狙っている。
曲を拝聴してみると、メロディーをはじめ、曲のポイントとなる箇所は、他の音源とデュアルさせて、音に厚みを与えられたKAMATAがしっかり前に出てきている。波形メモリ音源が猛威を振るった80年代を彷彿させる、印象的なメロディーラインが機械的、未来的な世界観がしっかり表現されている。
突然出された課題を受け、期間中に素晴らしい世界観を表現した秀作を世に放った。
Great work!!!
194|potatomahawk(ぽてまほ) “Star Seeker”
選評:今回、「静」と「動」と、作風の異なる2作品がエントリー。運営の選考では両作とも非常に評価が高かったが、より上位に食い込んだ「動」の本曲を選出。
ピアノとストリングスのオープニングにチップチューンが重なる形で曲は幕を開ける。ここからは、ぽてまほさんワールドである、オケストリングス、ベル、チップチューン、シンセリード、ドラムロールが奏でていく音の洪水、なのに繊細な組立がされていて聴いていて心地よい。
曲の構成、軽快、スピード感、オートメーション、間の取り方(音を詰めてる中の休符部分)、オリジナリティーは文句のつけようがない完成度。
最後は映画の壮大なオーケストラみたく、迫力あるエンディングでしっかり締める!本当に素晴らしい!
ぽてまほ氏は過去に、signature styleの根幹となる部分のテクニックをSNSで公開されておられるため、ファンになられた方は是非参考にしていただきたい。
022|Jay Nagano “mercury retorograde”
選評:Chicagoのベースフレーズとリードフレーズが印象的なハウスナンバー。
早速曲名の『水星逆行』をイメージしながら拝聴してみる。 第一印象は非常にシンプルながらも、音色の増減 、brightフィルター操作等で細かく変化させて、随所に繊細な工夫が見られる。中盤で、リズムが抜け、尺八系の笛が鳴るパートは選者の個人的な好みのポイントである。
リズムが戻ってきてから、透明感のあるsteel・ガラス音。ンタター、ンタターと、リードに代わって入ってくるPadのコードが心地よい。
次の曲に回すことを念頭にしたエンディングにしてるのも配慮が細かい!
とても丁寧に作られた秀作である。
219|Thickone “灯す信念”
選評:GREEN EARTH FIELD のトリを飾る逸品がこちら!
昨年の優勝者が帰ってきた!
ラップの歌詞もどんどん耳に入ってくる、興味をそそられるワードや、抑揚あるボーカルパートに聞き惚れ、あっという間にエンディングを迎えた。
ボーカルトラックは、パートによって聴こえ方に細かい変化を付け、相当調整の手間をかけてミックスダウンしたと感じられる。
オケとのボーカルMIXバランスについても、オケに埋まることなく、前に出過ぎることなく、ちょうどいい塩梅。かなり調整されたんだろうなと感じる。
同時に一音一音が聴こえるように非常に丁寧に構成されたオケ。特に曲を通してベースラインがカッコいい!SubBassを土台にしての重厚感のあるベースラインの流れがホントに渋い!
素晴らしかった!
Wow That‘s NEAT !!!
🔥 FIRE RED STAGE 🔥
🌊 BULE WATER LAKE 🌊
🎖️ SONIC MEDAL 🎖️