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【KGR #06】荘厳なピアノの調べと変拍子。「Answer for… – by Taiki overthere」

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KORG Gadgetで制作された優れたトラックを、作者の方のノウハウを交えながら紹介させていただくKORG Gadget Recommends。

前回の更新から4ヶ月も経過してしまいました。

いつもはTwitterにて「KORG Gadget」を検索して探すのですが、筆者の眼力(耳力?)のなさから見落としてしまう事も多々あり、そうそう優れた作品とは巡り会えないのも事実。

そんな中、ようやく皆さんにオススメできる作品に出会うことができました。

アコースティックとデジタルがクールに絡む、非常にインテリジェンスな逸品です。

Answer for... – by Taiki overthere

制作環境について

このトラックを作曲されたTaiki overthereさんへ、まずは使用機材についてお聞きしました。

【コンピューター】

Apple iPad Air2 / iMac / MacBook Pro

【ソフトウェア】

KORG Gadget

【AUDIO / MIDIインターフェース】

KORG plugKEY

【MIDIキーボード】

KORG KingKORG

曲作りに際しては「スキマ時間にiPadで曲の種を作り」「自宅のiMacでそれを拡げ」「出先でMacBookを使いエフェクト調整」とのこと。

この制作フローは、「モバイル」「PC」間で高度に連携するGadgetならでは。実に機動的、かつ効率的な作業を実現されています。

plugKEYは、iPadやiPhoneのLightening端子に、外部のMIDIキーボードを接続するためのインターフェース。

KORG plugKEY。出典:http://www.korg.com/jp/

手のひらサイズで安価(サウンドハウスさんでは6,220円。2017年12月現在)ですが、これだけでiOSデバイスを楽器として扱え、「演奏」「打ち込み」「オーディオ出力」そして「充電」ができるというスグレモノです。

KingKORGは、MIDIキーボードとして使われているようですね。

アナログ・モデリング・シンセ「KORG KingKORG」 出典:http://www.korg.com/jp/

テクニックについて

変幻自在に展開するこのトラックを、Taiki overthereさんは、どのような心持ちで制作されたのでしょうか。さらに伺います。

目次

曲作りに対する考え方

この曲に限った話ならば、3拍子、4拍子、5拍子、7拍子のパートが曲中にあって、関係性は等しくさりげなく馴染んでるようにしました。

理由としては4つ打ちに慣れた耳で奇数拍の曲を聴いた時、規則性が人によって違いバラバラの動きを行いその風景にグルーヴの起源を感じたからです。

リズムとメロディは2つに分けがちですが、メロディの中にリズムが内在するようにしました。

リズムトラックはビートというよりもダイナミクスを担う感じにしました。

とても理知的な視点で制作されています。曲自体は極めて今日的でありながら「現代音楽」的な試みです。

それでいてこの曲がとても自然で心地よいのは、作者が持つ確かなテクニックと、卓越したセンスのなせる技なのでしょうか…。

「DeeMax」の使い方

先日のアップデートで登場したラウドネス・マキシマイザー「DeeMax」についての言及もありました。

DeeMaxの使い方。japodragonさんの作品を研究した結果、僕が良いと思う設置よりも17位上の設置にすること。

そうすることによって音像の重心が高くなり今っぽい質感になるのではないかという考えです。

どういう事なのでしょうか。この曲がアップされているAllihoopaからプロジェクトファイルをダウンロードし、実際に見てみました。

DeeMaxの音圧レバーの位置は、なんと「75」。

ここまで上げると、さすがに音が飽和するようにも思いますが、聴いてみるとギリギリのところで踏みとどまっている印象。

「音像の重心が高くなる」との独特の表現をされてますが、マキシマイザーを効かせることで発生する適度なサチュレーションが「今っぽい」サウンドをもたらすのは、頷けるお話だと思います。

Allihoopaがもたらす「ユーザー同士のコラボ」という奇跡

筆者はTwitter上でこの曲と出会い、僭越ながら当ブログにてレコメンドさせて頂こうと考え、ダイレクトメッセージ機能を用いて取材を申し込みました。

その際、Taiki overthereさんから、こんな素敵な返信を頂戴しました。

gadget動画をTwitterにアップした際、くらんけさんに勧められたのをきっかけにアリフーパをはじめてみました。

大袈裟ではなく毎日何かが起きているので刺激的です。

何かの形で御礼を伝えたかったので、お力になれるのであればこの件をありがたく了承いたします。

このほど行われたKORG Gadgetのアップデート。

新作ガジェットのリリースが注目を集める中、「音楽共有サービス"Allihoopa"との連携強化」という重大項目がありました。

これはGadgetで作った曲を直接Allihoopaにアップすると、他のGadgetユーザーはその曲をプロジェクトごとダウンロードできるという施策で、すなわち「Gadgetユーザー同士の自由なコラボレーションが実現」することを意味します。

実際にAllihoopaを介して、至る所でGadgetユーザー間による化学反応が次々と行われています。

KORG Gadgetが、他のDAWとは一線を画す「ソーシャル音楽制作アプリ」としての可能性。

様々な所でその種がまかれ、徐々に花開きつつあることを、改めて気付かされました。

今回は、Taiki overthereさんの「Answer for...」をレコメンドさせて頂きました。

それではまた。Have a nice trip!

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

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