GadgetSonic 2022 グランプリ作品発表
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2022
🌴 GREEN FIELD 🌴
👑 BEST OF SONIC 👑
112:KeterBear「AXIOM」
選評:昨年に引き続き、今年も優勝を勝ち取ったトラックメイカーKeterさん。美しいピアノアルペジオが持ち味の作風は本作においても健在。
ハイテンポで突き進む作品全体を通して、Keter節のピアノアルペジオが響きまくる。1:25あたりのMiamiのComp Lex Bass系の間奏がいいスパイスで挿入されて来る。ピアノと併せて、哀愁感を漂わせるソロバイオリンのメロディーが美しく、勇ましい旋律を奏でている。選者は苦難に向かう主人公の旅立ちの場面が脳裏に浮かんできた。
構成、技術、個性全てにおいて素晴らしいの一言の作品。連覇おめでとうございます!
Congratulations!
It’s time to celebrate!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
GadgetSonic 2022
🌴 GREEN FIELD 🌴
SONIC OF THE YEAR
132:Penguin Robot「Summer Evening」
選評:メインフレーズに「ビュンタタッタ」と跳ね回るベースラインが魅力的。疾走感ある王道アシッドテクノ。所々で様々なギミックがメインフレーズにさりげなく被っていく。音質調整もバッチリで、各音源がぶつかり合わず、奥行き感、立体感もしっかり作り込まれている。知らず知らずのうちに足でリズムを取ってノッている自身に気付く。フロアで聴きたい逸品!
Your Track is epic!
187:waterdropsound「Before The Dawn」
選評:神殿や澄んだ水辺にいるかのようなピアノメインの幻想的な曲をSwitch版で表現。リバーブ系の音響処理も含めて曲の世界観をうまく纏めている。ぜひ目を閉じて試聴してみてほしい。1分あたりからメジャーコードが見え隠れする曲調に変わり、そこから30秒後にどんどん曲が盛り上がっていきフィナーレを迎える。
この透明感はwaterdropさんならでは!
195:あこぎ屋別館「SxT GiG」
選評:現在KORG Gadgetには、ナムコ、SEGA、タイトーの3社のゲームメーカーのガジェット音源が選択できる。うちSEGAとタイトーの2種類のガジェットだけで制作されたコンセプト曲。初見、昔この音楽のゲームやったことあったっけ?と錯覚するくらい、85年〜95年あたりのアーケードゲームテイストを再現している。シューティングゲームやレースゲームにピッタリ。その秘密はベースライン。当時基盤に採用されていたYAMAHA製FM音源といえば、あのエッジの効いたスラップベース。本曲も複雑なスラップベース譜面がカッコよく突き刺さって来る。この曲でゲームをプレイしたいと思った次第。良作!
146:tominagayuki「Sunrise of Automatism I」
選評:作者はテクノ・アンビエント作品で、独自の世界観を確立しており、今回ガジェソニにカムバックし、複数作品をエントリー。
今回選者自身、曲の題になぞらえ、実際、日の出を待ちながら本作品を試聴。18分超えの作品となるが、ピアノを主体として、バックのPad系、音の空白、余韻が効果的に使われている。KORG Gadgetはこんな繊細で勇壮な表現ができるのかという驚きを改めて体感できた1作。
一方、「Stable Blade」というテクノ作品もエントリーされている。入賞作品とはまた違った雰囲気の作品となっているので、気になった方は試聴してみてほしい。
038:ROwhitea_/K75Ω「アイスブレイク・アイスパーティー」
選評:今回趣向を変えて3曲をエントリーも、どれも創意工夫が見られ、選者を悩ませた。その中で今回はこのチップチューン調の夏らしくキラキラした曲をチョイス。
最初はチップチューンの確信はないが、20秒台になって、あ、これもしかしてチップチューン⁉︎という感じで始まる。その後は、チップチューン系リードが曲の進行を主導しつつ、途中Berlin系のギュンギュンポルタメントリードが良いアクセントに。また低音パートがしっかり作り込んであるため、チップチューンに迫力が加わっている部分も選考時に作者の工夫を感じるポイントとなった箇所であった。
002:Paint by number「Secret Life 空欄を埋める」
選評:作者は絵画からインスピレーションを得る等、独自の世界観を確立しており、本作も絵画的に表現されている逸品。
序盤、突然鳴り響くエグい波形の音。聴き手は「えっ⁉︎何々?」とハッとさせられるところから始まる。
この音は印象深く、簡単に頭から離れない。一体この音色は何を意味しているのか?作品の舞台設定は何処?聴き手によって色々な解釈が出来そうである。
音からストーリー性を探っていきたくなる芸術作品。
192:かち割り氷 (K-Ice)「Migratory Bird」
選評:冒頭の波の音と共に流れるピュアなイントロ音。上空の渡り鳥の鳴き声か。その後、力強くもさわやかなリードがこの曲全体を牽引していく。このリード音、聴いていて心地が良い。1分を経過し、リズムが一旦途切れる。選者はこの時の渡り鳥の鳴き声をイメージし、終盤に向かって去っていく。この後の鳥たちの旅路はきっと明るいことを予感させる。
087:RAWSEQ「SUNSET CAVIN」
選評:古参のトラックメイカーRAWSEQさんが今回も入賞。Lisbonには7つのパッドがあり、16タイプの神コード進行が簡単に作れてしまうというLisbon Magicが存在する。今回Lisbon Magicで作られたコード進行をベースにしながらも、上に異なるハーモニーを乗せることで、同じコード進行ながらも全く雰囲気の異なる展開が待っていた。今回リズム面で、キック以外の倍音系を控えており、上物の音源がクリアに聴こえて来る。後日作者の解説を読んで、作者は「ローレゾchoir」や「原点回帰」というコンセプトで作られていたと知り納得。楽しんで拝聴させてもらった良作。
205:KOBABOO「The Garden into Summer」
選評:夏の喧騒的な風景の中から聞こえて来るドラムとフルートの掛け合い。曲のリズム、演奏に夏、そして和の雰囲気を感じるため、太鼓と笛のセッションに聴こえて来る。太鼓や笛の2種類をメイン据え、弦楽器、鈴など他の使用音源は非常にシンプルも、一つ一つのガジェットの作り込みは丁寧で、特にリズムの熱量が半端ない。力強い演奏から何かパワーをもらったかのような圧倒された2分半であった。
013:RedStoneBridge「living dead/リビングデッド」
選評:オーディオレコーダーガジェットを最大に活用したボーカル曲。
KORG Gadgetの仕様上、音声データはシーンごとに分割して配置する必要があるなど、手間がかかったと思われるが、非常にカッコいいHR/HM系の曲を堪能させてもらった。マイクはiPad内蔵とのことだが、音質やシーンごとの切れ目も自然。今後、作者のボーカルやギター演奏に、KORG Gadgetならではの音源を活用した新境地の曲も聴いてみたい。是非!
🔥 RED STAGE 🔥
🐠 BLUE LAKE 🐠
🏅SONIC MEDAL🏅