メンフィス(KORG Gadget)
- 永遠の名機「MS-20」を再現した、モノフォニック仕様のアナログ・セミモジュラーシンセ。
- 図太いオシレーターと強烈なフィルターが持ち味。パッチングにより、自由で複雑な音色を作成できる。
- アシッドサウンドやSEといった「奇音」を作らせたら無双の、暴れ馬ガジェット。
🇺🇸 Semi-Modular analogue Synthesizer "Memphis"
ビジュアル | |
タイプ | アナログシンセ |
得意パート | リード ベース FX |
得意ジャンル | クラブ/ダンス ロック/ポップス |
プログラム数 | 90音色 |
リリース年 | 2019年 |
Switch対応 | 非対応 |
価格 | ¥3,680(KORG iMS-20 for iPad) |
Memphis(メンフィス)は、1978年にリリースされた、モノフォニック・アナログシンセの名機 KORG MS-20 をガジェット化したもの。
iOSアプリ iMS-20 for iPad をインストールすると、KORG GadgetにガジェットMemphisとして追加され、iMS-20と同じ音色を扱えるようになります。
なお、iMS-20はiPad専用アプリですが、リモート・インストールを行うことで、iPhoneにMemphisが転送されます。
KORG Gadget for Mac および for Plugins には、最初から搭載されています。
アナログシンセの中でも屈指の、ワイルドかつ野太い出音が持ち味。ブリブリ・グチョグチョとしたアシッドサウンドも得意で、いかにも電子楽器的です。
Memphis最大の特徴は、パッチングによってユーザー自らが信号の流れを定める、セミモジュラー仕様であること。
VCOやEGなど、各モジュールには入出力端子が用意されており、タッチパネルをドラッグして送信元と送信先をパッチ・ケーブルで接続し、様々な音色加工を行います。
一見難しそうに思えますが、実はインプット同士やアウトプット同士など、不適切なパッチングは行えないようになっています。一種の「ガイド機能」と言えるでしょう。
この種のセミモジュラーシンセ・ガジェットに、同じくモノフォニック仕様であるDublinがありますが、Memphisの方が自由で、より複雑なセッティングが可能。
外部から入力した信号のピッチをCV信号に変換するエクスターナル・シグナル・プロセッサまで用意されています。
そんなMemphisですが、シンセとしての仕様は2VCO・2VCF・1VCA・2EGと、いたってオーソドックスな構成。しかし、各モジュールの素性は強力そのもの。
リング・モジュレートも可能な2基のVCOは、倍音成分がたっぷり含まれた基本波形を発生します。まさにMemphisを率いる2トップ。
フィルターも強烈で、ローパスに加えてハイパスにもレゾナンスを適用可能。PEAKノブを上げていくと、やがてフィルター自らが発振します。
このキレの良いフィルターを活かした複雑な音色作りこそ、Memphisの醍醐味であると言えましょう。
そんな自由さゆえ、シンセ初心者にとっては難しいガジェットではありますが、90種類のユニーク、かつ即戦力となる音色がプリセット。それだけでもMS-20の魅力を存分に味わえるでしょう。
おすすめ利用シーン
実機MS-20と同じく、モノフォニック仕様であるMemphisの主戦場はやはりシンセ・ベース。非常に図太く、存在感のあるベースサウンドを生み出すことができます。
フィルターを目一杯効かせたビヨビヨとしたアシッド・サウンドも、得意中の得意。
さらにリング・モジュレーターを活かし、キンキンした金属的なサウンドも作れます。
ホワイト&ピンクノイズジェネレータもバッチリ用意されており、トラックメイキングにおいて場面展開に使えるような奇抜なSEなど、飛び道具作りも思いのまま。
とにかく非音楽的というか、不思議でエキセントリックなサウンドを作らせたら、このMemphisの右に出るガジェットはありません。一方、繊細で、浮遊感あふれるようなサウンド作りは不向きです。
アナログシンセの魅力がいっぱい詰まったMemphis。そんな「暴れ馬」を操ることができれば、あなたにとって大切な相棒になってくれることでしょう。
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