- 当時としては破格の「6音ポリ」を実現したアナログシンセ KORG Polysix をガジェット化。
- 音色をユニゾンしつつディチューンしたり、独自のコーラスなどを活かした、ウォームなシンセパッドやストリングス・サウンドが得意。
- シンプルな構成ゆえ音色作成の幅は狭いが、古き良きアナログシンセの音作りにフォーカスできる。初心者向け入門シンセとしても最適。
🇮🇹 6Voices Analogue Synthesizer "Pompei"
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| タイプ | アナログシンセ |
| プログラム | 51音色 |
| リリース | 2019年 |
| for iOS | 対応 |
| for Mac | 対応 |
| for Plugins | 対応 |
| for Nintendo Switch | 非対応 |
| for PlayStation | 非対応 |
| KORG Gadget VR | 非対応 |
| 価格 | ¥3,680(KORG iPolysix) |
| 入手方法 | アプリ"iPolysix"をインストールする |


Pompeiとは
Pompei(ポンペイ)は、1981年にリリースされたアナログシンセの名機KORG Polysixをガジェット化したものです。

オリジナルのKORG Polysixは、その名の通り6音ポリ仕様を低価格で実現した名機。これは当時一世を風靡したアナログシンセ SEQUENTIAL CIRCUITS Prophet-5 の「5音ポリ」を上回る性能で、かなり売れたようです。
コーラスやアンサンブルなど、内蔵するモジュレーション系エフェクトを活用した、ふくよかで透明感のあるシンセパッドやストリングス・サウンドには定評があり、まさにPolysixらしい音色です。
シンセサイザーとしては 1VCO / 1VCF / 1VCA / 1EGというオーソドックスな構成。

VCOから出力可能な基本波形は、三角波、ノコギリ波、PW、PWM、またはノイズのいずれか。オシレーターは1基のみですが、1または2オクターブ下にサブオシレーターをセットすることで、音に厚みを加えることが出来ます。
フィルターは1基で、ハイまたはローパスのどちらかを選択可能。EGおよびMG(LFO)も1つずつ。しかもMGでのモジュレートは三角波固定という、良くも悪くも当時の「割り切り設計」がそのまま再現されています。

それゆえシンセサイザーとしてシンプルで分かりやすく、初心者でも難易度が低いモデルです。
また、コーラスやフェイズ、アンサンブルエフェクトをはじめとする、全28種類から選べるマルチエフェクターが装備されています。


「P6 CHORUS」といった専用エフェクトも用意され、コルグのこだわりが伝わってきます。
さて、もうひとつのVCA / ARP画面ではBENDとMGホイールが鎮座し、ライブパフォーマンスにおいても威力を発揮するでしょう。

この画面では、テンポと同期可能なアルペジエーターも用意されています。
Pompeiの使いかた
Pompeiのガジェットパネルは、VCO / VCF画面と、VCA / ARP画面で構成されます。

VCO / VCF画面
シンセサイザーとしての前段にあたるセクションです。

- VCO オシレーター。基本波形を生み出す
- VCF フィルター。音色を形づくる
- MG モジュレーション・ジェネレーター。LFOとほぼ同じで、サウンドに揺らぎを与える
- EG エンベロープ・ジェネレーター。音程や音色、音量の時間的変化を調節する
- EFFECTS Pompeiの内蔵マルチエフェクター
VCO
Pompeiのオシレーター。基本波形を生み出します。

- Octave オクターブを定める
- Waveform 基本波形を、Tri / Saw / PW / PWM / Noiseから選択
- PW / PVM 基本波形をPWまたはPWMとしたときの、波形のパルス幅を定める
- PWM Speed 基本波形をPWMとしたときの、波形の周期を定める
- EG Intensity EGをオシレーターにかける度合い。音程を時間的に変化させる
- sub OSC サブオシレーター。1または2オクターブ下でユニゾンさせサウンドに厚みを持たせる
VCF
Pompeiのフィルター。音色を作ります。

- Cutoff フィルターのカットオフ周波数。上げると明るく、下げるとこもったサウンドになる
- Resonance フィルターのレゾナンス。カットオフ周波数付近を強調して音にクセをつける
- EG Intensity EGをフィルターにかける度合い。音色を時間的に変化させる
- Kbd Track 上げると音程が上がるにつれフィルターが開く
- Mode フィルターのタイプ。ローパスまたはハイパスから選択
MG
モジュレーション・ジェネレーター。LFOにあたるセクションで、サウンドに周期的な揺らぎを与えます。

- Key Sync Onにすると、鍵盤を押さえるたびにMGの周期がリセットされる
- BPM Sync Onにすると、サウンドが曲のテンポに合わせて揺らぐ
- Frequency ②がOnのときはMGの周期を定め、OffのときはMGの周波数を定める
- Delay 鍵盤を押さえてからMGがかかるまでの時間を定める
- Level MGの効果の度合いを定める
- Mode MGをかける対象を、VCO(ビブラート)VCF(ワウ)VCA(トレモロ)から選択
EG
エンベロープ・ジェネレーター。サウンド(音程・音色・音量)に時間的変化を与えます。

- Attack Time 鍵盤を押さえてからアタックレベルになるまでの時間
- Decay Time アタックレベルからサスティンレベルになるまでの時間
- Sustain Level 鍵盤を押さえている間の持続レベル
- Release Time 鍵盤を離してから音が減衰するまでの時間
EFFECTS
Pompeiの内蔵マルチエフェクターです。

- FX Switch Onにするとエフェクトがかかる
- Type エフェクトタイプを28種類から選択
- EDIT 1 エフェクトのひとつ目の効果
- EDIT 2 エフェクトのふたつ目の効果
EDIT 1とEDIT 2は、エフェクトタイプによりパラメーターが変わります。パラメーターの効果は、ノブをタップすると表示されます。
VCA / ARP画面
VCAやホイール・コントローラー、アルペジエーターなどがあります。

- ホイール・コントローラー ピッチベンドとMGをリアルタイムで操作する
- PITCH 音程に関するセクション
- VCA 音量に関するセクション
- ARPEGGIATOR 押さえた鍵盤の構成音を、一つずつ繰り返し演奏する機能
- KEY ASSIGN MODE 鍵盤を同時に押さえたときの動作などを定めるセクション
- OUTPUT Pompeiのマスターボリューム
ホイール・コントローラー
ピッチベンドとモジュレーションを、リアルタイムで操作します。

- ピッチベンド・ホイール 音程をコントロールする
- モジュレーション・ホイール ピッチ・モジュレーションの度合いをコントロールする
PITCH
音程に関する設定を行います。

- Bend Range ピッチベンド・ホイールを操作したときの音程の変化量を定める
- Transpose オシレーターの音程を半音単位で定める
VCA
音量に関する設定を行います。

- VCA Mode 音量に時間的変化を与えるための送信元を、EGまたはGateから選択
- Attenuator 音量を増幅したり、減衰させる
ARPEGGIATOR
分散和音を自動演奏する装置です。

- Arp Switch Onにするとアルペジエーターが動作する
- Sync 同期に関する設定
Key Onにすると、鍵盤を押さえるたびにアルペジエーターがリセットする
Tenpo Onにすると、曲のテンポにアルペジエーターが同期する - Speed Tempo SyncがOnのときはアルペジエーターの周期を定め、Offのときはアルペジエーターの速度を定める
- Range アルペジエーターの演奏範囲を定める
- Mode アルペジエーターの動きを、上昇 / 下降 / 上昇→下降から選択
KEY ASSIGN MODE
鍵盤を同時に押さえたときの動作や、同時発音数などを定めるセクションです。

- Chord Switch Onにすると押さえた鍵盤を記憶し、以降は平行和音を一本指で演奏できる
- Unison Switch Onにすると、ユニゾンで同時に発音する
- Poly Switch Onにすると、ポリフォニックで発音する
- Voices Unisonのときは同時発音数を定め、Polyのときは最大発音数を定める
- Unison Detune Unisonのとき、音程を微妙にずらしてサウンドに厚みを出す
- Unison Spread Unisonのとき、各ボイスをステレオに振る
Chord Switch、Unison Switch、Poly Switchは、ひとつをOnにするとその他はOffになります。
OUTPUT
Pompeiのマスターボリュームを定めます。

おすすめ利用シーン

かつて、Polysixと同時期に発売された4VCOシンセ「KORG Mono/Poly」をガジェット化したMontpellierは、野太い出音や豊富なモジュレーションを踏襲しつつ、最大32音ポリ/16音ユニゾンであったり、バーチャルパッチで幅広い音作りを実現したりと、実機を遥かに凌駕するスーパー・アナログシンセにリボーンしました。
それに比べPompeiは追加要素に乏しく、Polysixの完全再現に止まっています。
しかもPolysixは、6音ポリというインパクトと引き換えに最低限度のスペックでまとめられた、ハイコストパフォーマンス・モデル。すなわち、強力なモジュレーションで過激な音をギンギンに生むシンセではありません。
それゆえPompeiは、今日のモンスター級シンセを扱うような手練れのミュージシャンにとっては、いささか物足りなさが残るかもしれません。
しかし独自のコーラスや、アンサンブル・エフェクトを活かした厚みのあるウォームなサウンドは唯一無二。
シンセパッドやストリングス・アンサンブル、ホーンセクションなどで使えば、リスナーを一発で、ノスタルジックなアナログ電子音楽の世界に誘えます。
また、シンセサイザーの基本に絞ったパラメーターは極めて分かりやすく、初心者にとっては絶好の入門教材になりえます。
Montpellierはできることが多い分、いささか難易度の高いガジェットですから、初心者の方はまずPompeiで、シンセによる音作りの楽しさを味わうのも良いと思います。

