キエフ(KORG Gadget)
- 不思議で近未来的な雰囲気を生む、お手軽ベクターシンセ。
- 4基のオシレータにサンプルを割り当て、タッチパッドを駆使すれば劇的な音色変化が。
- 楽曲にオーガニックな味わいをもたらす、パッドサウンド向き。
🇺🇦 Advanced Spatial Digital Synthesizer "Kiev"
ビジュアル | |
タイプ | デジタルシンセ(ベクター・シンセシス方式) |
得意パート | パッド FX |
得意ジャンル | クラブ/ダンス アンビエント/ニューエイジ |
プログラム数 | 41音色 |
リリース年 | 2014年(オリジナル15) |
Switch対応 | 対応 |
価格 | Free |
Kiev(キエフ)は、空間的なアブストラクト・サウンドを生み出すデジタルシンセ。
iOS版には最初から搭載されており、Nintendo Switch版でも扱う事ができます。
Kievは、いわゆるベクターシンセであり、複数サンプルを並べて一つのサウンドに仕立て上げるという、シンセサイザーとしては独特の考え方で設計されています。
Kievでの音作りは、4つあるオシレーターから出力されるサンプルを選ぶ事から始まります。
この92種類ほど用意されているサンプルは、シンセウェーブやパッドはもちろん、ギターなどの楽器音、ボイス、各種ノイズや雨音といった環境音など多岐に渡るもの。
これらを各オシレーターに割付けたら、パネル中央にあるタッチパッドで、サンプル相互間の音量バランスを調節していきます。
一方、2つあるSPEEDノブでは「OSC A-B」「OSC C-D」間におけるLFOの速度を定めることができ、その結果がタッチパッド外側にあるLEDの往復運動によって、視覚的にチェックできます。見た目のビジュアルと実用性を両立させた、この辺りのデザインはお見事。
また、各オシレーターから出力されるサンプルの音程は可変可能。
さらにKiev2画面目の「FILTER / AMPセクション」では、プログラム全体に対し、タッチパッドを駆使してフィルター(LPF,HPF,BPF選択可能)をかけられ、仕上げに内蔵FXで「スライサー」や「モジュレーション」といったエフェクトを適用すれば、様々な音色変化を伴うオリジナル・サウンドの出来上がりです。
プリセットとして用意されているプログラム数は41ですが、4つのオシレーターに92種類のサンプルを割り当てつつ、様々なパラメーターを活用することができので、サウンドメイクの幅は非常に広いといえましょう。
なお、同じベクターシンセに分類されるガジェットとして、より複雑で本格的な音作りが可能なMilpitas、ELECTRIBE Waveの音源部をガジェット化したWarszawaがありますが、Kievはそれらより遥かに手軽にベクトルシンセシスを楽しめます。
簡便な反面、音作りの奥深さはMilpitasやWarszawaに譲るので、もしベクターシンセの世界が気に入ったら、是非それらに手を出してみましょう。
おすすめ利用シーン
各オシレーターにシンプルな波形をアサインし、ストレートなサウンドを作ることもできますが、やはり複雑な時間的音色変化をたたえた、オーガニックなパッドサウンドを得意とします。
Kievだけでアンビエント・トラックを作るのもオツ。さらにEDMに用いるとトラックが一気に大人び、奥行き感あふれる仕上がりになることでしょう。
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