シドニー(KORG Gadget)
- タイムストレッチ可能な本格ループ・サンプラー。ソングのテンポに完全同期するビートやフレーズを作ることができる。
- 豊富なプリセットの他、外部から最長30秒のロングサンプルを取り込める。
- TapeやDigitalなど独自のLo-Fiエフェクトで、味のあるユニークなサウンドメイクも。
🇦🇺 Loop Sampler Machine "Sydney"
ビジュアル | |
タイプ | サンプラー |
得意パート | ドラム・ベース・FXなど |
得意ジャンル | クラブ/ダンス ロック/ポップス アンビエント |
プログラム数 | 34キット/164サンプル(Bass20,Chord23,Drum22,FX18,Melo20,Perc20,Tops20,Voice21) |
リリース年 | 2024年 |
Switch対応 | 非対応 |
価格 | ¥1,840(2024年現在) |
シドニー(Sydney)は、使い勝手の良い本格ループ・サンプラー。
KORG Gadget for iOSにおいては、アプリ内課金で入手することができます。
KORG Gadget for Mac および for Plugins には、最初から搭載されています。
Sydney1台につき6トラックのループ・サンプルを呼び出すことが可能。豊富なプリセットはもちろん、外部からwavをインポートして扱うこともできます。
そして最大の特徴は、何といってもソングのテンポに完全同期するタイムストレッチ機能。ついにKORG Gadgetで、PCのDAWに肩を並べる機能が実現します。
やり方は、Sydneyのディスプレイ上部にあるBPM SyncボタンをON。これだけでサンプルの音程を保ったまま、曲のテンポ変更に追従してくれます。もちろんタイムストレッチをOFFにすれば、独自のテンポで再生OK。
ループ・サンプラーとしての機能は一通り網羅しており、たとえば呼び出したサンプル波形のスタートポイントやレングス、ループポイントを操作して、捻りのあるフレーズを生み出すことができます。
このスタートやループポイントは%単位で設定。これが非常に分かりやすく、例えば4小節あるサンプルで25%動かすと1小節分、50%であれば2小節分ポイントが前後…といった具合です。
以下の画像は4小節分のサンプル波形ですが、Start 25%、Length 50%、Loop Point 50%にした例。
この場合、サンプルの1小節分先に位置する2小節目からスタートし、再生範囲であるレングスはサンプル全体の50%にしたので2小節分、そのループ範囲は、レングスの50%ということで1小節分です。
文字にするとややこしいかもしれませんが、実際に操作してみると再生範囲が分かりやすくハイライトされ、直感的に各ポイントを定めることができますよ。
サンプルをタイムストレッチしつつもピッチシフトできたり、テープを逆回転させたような効果が楽しいリバースなど、シンプル操作ながらループ・サンプラーとしての機能はすべて押さえられています。
他にも、呼び出したサンプル波形に味わいをもたらす、Sydney独自のLo-Fiエフェクトを装備。25種類ある内蔵エフェクトと組み合わせることで、積極的なサウンドメイクも楽しめます。
おすすめ利用シーン
外部サンプルを取り込むことができるガジェットとしては、ワンショット・サンプラーBilbaoをはじめ、スライス・サンプラーAbu Dhabi、メロディー・サンプラーVancouver、そしてKORG Gadgetの標準レコーダーZurichがあります。
これらの中だとSydneyは、比較的Bilbaoに近いサンプラーと言えます。しかしSydneyはタイムストレッチ機能に加え、最長30秒のロングサンプルを扱うことが可能です。
一方で、Bilbaoがインポートしループさせることができるサンプルは5秒まで。ただしBilbaoは、1台につき16パートまで対応します(Sydneyは6パート)。
このように、SydneyとBilbaoはそれぞれ得手・不得手な側面があります。長尺のビートループやベースフレーズなどを柔軟に扱うならSydney、よりシンプルなリズムマシンとして、また、サンプルを切り刻んで並べ替えるようなブレイク・ビーツがやりたければBilbao…いった使い分けが良いのではないでしょうか。
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