蒲田(KORG Gadget)
- KORG Gadgetならではのチップチューン音源の一つ。往年の「ナムコサウンド」が手に入る。
- 硬質な電子音が持ち味。クセのあるローファイ・デジタルシンセとして使うのもアリ。
- 「ウェーブテーブル」の概念は特殊だが、今すぐ使える完成されたプリセット音色が充実。
🇯🇵 Wave Table Synthesizer "Kamata"
ビジュアル | |
タイプ | デジタルシンセ(波形メモリ方式) |
得意パート | リード FX |
得意ジャンル | チップチューン |
プログラム数 | 87音色 |
リリース年 | 2016年 |
Switch対応 | 対応 |
価格 | iOS版 ¥1,840/Nintendo Switch版 Free |
蒲田(Kamata)は、ビデオゲーム用の音源チップを再現したチップチューン音源。
Nintendo Switch版には標準搭載されていますが、iOS版ではアプリ内課金アイテムいう、珍しいガジェットです。
なお KORG Gadget for Mac および for Plugins には、最初から搭載されています。
かつてナムコの業務用ビデオゲームで採用された、カスタム音源チップC30のサウンドを忠実に再現。
「マッピー」「ドルアーガの塔」「パックランド」といったゲーム内BGMは、この音源で作られました。
Kamataはバンダイナムコスタジオの全面協力のもと開発された、まさに本気かつマニアックなガジェット音源に仕上がっています。
ウェーブテーブルと呼ばれる音源方式が特徴で、これはその名の通り波形1周期分をメモリーさせ、それを繰り返し再生させるというもの。
Kamataの元になった音源チップC30は4ビット/32サンプルのウェーブテーブルを持ちますから、Kamataでもこのように、波形1サイクルを縦軸16(=2の4乗)段階/横軸32段階で表現します。
このウェーブテーブルを記憶させ、それを繰り返し再生する…これが、波形メモリ音源の基本的な考え方なんですね。
なので、Kamataで矩形波っぽい音色を作りたければ、ウェーブテーブルも、このようにスクエア状にしましょう。
この波形は16x32のブロックで表現されていて、タッチパネルで自由に書き込むことができます。
ウェーブテーブルを複雑な形すると、音色もより複雑になります。ただ、これを1からクリエイトしようとしても、目指す音色を作ることは非常に難しいでしょう。
しかしご安心を。KamataにはWAVE BANKと呼ばれる96パターンのプリセットが用意されているので、WAVE BANKから好みの音がするウェーブテーブルを呼び出し、その波形をベースに追い込むといった使い方がオススメです。
では、どう追い込むか。Kamataは他のパラメーターも充実していて、通常のADSRに加え、ピッチ(音程)に対してエンベロープをかけることも可能。
いかにもゲームらしい「ピュ〜〜ン」という上昇・下降・その両方の音程変化を付けることが、自由に、そして簡単にできます。
さらに、音色に妙味をもたらすノイズジェネレーターやディチューン、ディレイ、リバーブなども装備。そして独立2基のLFOは音量・音程それぞれに適用でき、シンセとしての表現力はかなり広いといえます。
もちろん、実機で使われた「本物」も含むプリセット音色が87種類用意されているので、それだけでもKamataを楽しむことができますよ。
おすすめ利用シーン
Kamata最大の売りはもちろん、往年のナムコサウンドを完全再現できるところ。
このような音源は(筆者が知る限り)PCのDAWで用いるプラグインを含めても一切存在せず「Kamataを使いたい!」という動機だけでKORG Gadgetに手を出す方もいるでしょう。
当時のビデオゲーム・ミュージックの再現に用いると楽しいのはもちろん、チップチューン作りに使うとサイコー!にハマります。
また、4ビット/32サンプルというローファイ仕様を活かし、チープでビザールなデジタル・シンセサイザーとして積極的に起用するのはいかが?
そして、ビデオゲーム由来のプリセット音色はコミカルで変化に富んだものが多いので、あなたのトラックを彩る飛び道具としても十分活躍することでしょう。
コメント