トラックは「パート」と言い換えることもできます。
バンドで例えると、ドラム・ベース・ギター・キーボード…といった感じで、各トラックには1つのガジェット楽器が割り当てられます。
KORG Gadgetでは、このトラックをいくつも並べてソングを完成させていきます。

このソング例では、Helsinki・London・Dublin・Kievという、4種類のガジェットが割り当てられたトラックで構成されています。
それぞれのトラックには、演奏データを入力するためのシーケンサーと、音量バランスなどを調整するミキサーが自動的に用意されます。
トラックの基本操作
ここでは、トラックに関する基本操作を解説します。
トラックを追加したい
トラックを追加するには、メイン画面のミキサーセクションにある+(トラック追加ボタン)をタップ。

ガジェットセレクターが起動しますので、お好きなガジェット音源をタップしましょう。

選んだガジェットが割り付けられた新規トラックが作成されました。

トラックを複製したい
トラックを複製するには、まずメイン画面左下にあるFunctionをタップ。

様々な機能がオーバーレイ表示されますので、複製をタップ。

入力済みの演奏データごとトラックが複製されました。

トラックを削除したい
トラックを削除するには、まずメイン画面左下にあるFunctionをタップ。

様々な機能がオーバーレイ表示されますので、削除をタップ。

選択したトラックが削除されました。

一度削除したトラックは取り消すことができません。ご注意ください。
トラックのガジェットを変更したい
トラックに割り当てたガジェットの変更は、メイン画面とエディット画面で行うことができます。
メイン画面でガジェットを変更するには
まずメイン画面左下にあるFunctionをタップ。各機能のオーバーレイ表示状態で変更をタップ。

画面がガジェットセレクターに切り替わります。

ここで変更したいガジェットをタップすると、そのトラックにて入力済みの演奏データはそのままに、ガジェットだけが変更されました。

エディット画面でガジェットを変更するには
エディット画面のヘッダー中央部に表示されているTrack No. / ガジェット名をタップ。

画面がガジェットセレクターに切り替わります。

ここで変更したいガジェットをタップすると、そのトラックにて入力済みの演奏データはそのままに、ガジェットだけが変更されました。

トラックの並びを変更したい
メイン画面にてトラックを並び替えるには、画面左下にあるFunctionをタップ。

様々な機能がオーバーレイ表示されますので、左移動は<、右移動は>をタップ。

今回はTrack 3で>をタップしたので、右手のTrack 4と入れ替わりました。

この操作はトラックの位置が変更されるだけで、演奏データなどへの影響はありません。
選択トラックを消音したい(Muteボタン)
トラックのミュートは、メイン画面とエディット画面で行うことができます。
メイン画面でミュートするには
ミキサーセクションにてMuteをタップ。ブルーランプが点灯し、そのトラックのみ消音されます。

エディット画面でミュートするには
フッターにてMuteをタップ。ブルーランプが点灯し、そのトラックのみ消音されます。

選択トラックだけを鳴らしたい(Soloボタン)
そのトラックだけソロで鳴るようにする操作は、メイン画面とエディット画面で行えます。
メイン画面でソロにするには
ミキサーセクションにてSoloをタップ。イエローランプが点灯し、そのトラックのみ音が出るようになります。

エディット画面でソロにするには
フッターにてSoloをタップ。イエローランプが点灯し、そのトラックのみ音が出るようになります。

Mute/Soloをオールリセットしたい(Mute/Solo Offボタン)
複数のトラックでSoloやMuteを適用すると、元に戻したいとき苦労します。
そんな時は、メイン画面のマスターフェーダーにあるMute/Solo Offをタップすると、MuteやSoloを一度に解除することができます。


トラックにインサーション・エフェクトを適用したい(IFXボタン)
トラックごとにインサーション・エフェクトが装備され、14種類のうち5つまで適用することができます。
メイン画面のミキサーセクションにあるIFXをタップ。

すると、フェーダーがInsert Effectsパネルに切り替わります。上から下へと音が流れ、それぞれのエフェクトが適用されます。

⏻をタップするとランプが点灯して有効となり、さらにEditをタップすると、選択したエフェクトの設定画面に切り替わります。

KORG Gadget インサーション・エフェクト一覧
No Effect…そのスロットでエフェクトを適用しない。
Compressor(コンプレッサー)…サウンドに力強さをもたらす。
Sidechain(サイドチェイン)…うねりのあるグルーヴをもたらす。
EQ(イコライザー)…特定の周波数をブースト、またはカットする。
Filter(フィルター)…ある周波数から先の音をカットする。
Auto Wah(オート・ワウ)…ワウ効果を自動的にもたらす。
Fhaser(フェイザー)…「シュワシュワ」としたサウンドをもたらす。
Flanger(フランジャー)…うねりのあるジェットサウンドをもたらす。
Decimator(デシメーター)…レトロ感のあるデジタル音にする。
Delay(ディレイ)…音を遅延させつつ繰り返し、山びこ効果をもたらす。
Reverb(リバーブ)…サウンドに響きをもたらす。
Fb Reverb(フィードバック・リバーブ)…ノイジーな響きをもたらす。
Enhancer(エンハンサー)…低域と高域の音を強調し、抜けをよくする。
Exciter(エキサイター)…原音の倍音を強調し、埋もれたサウンドを前に出す。
Saturator(サチュレーター)…サウンドを歪ませ迫力をもたらす。
トラックのボリュームを調節したい(Trackフェーダー)
トラックの音量レベルを調節するには、メイン画面のミキサーセクションにあるフェーダー上でドラッグ。トラック個別の音量レベルを上げ下げできます。
フェーダー右側では、音量レベルに応じレベルメーターが点灯します。

トラック全体のボリュームを調節したい(Masterフェーダー)
トラック全体の音量レベルを調節するには、メイン画面のミキサーセクションにあるマスターフェーダー上でドラッグ。全体的な音量レベルを上げ下げできます。
マスターフェーダー右側では、音量レベルに応じレベルメーターが点灯します。

ノブ(ツマミ)の回し方を切り替えたい
KORG Gadgetにおいては、ノブ(ツマミ)の回し方を2通りから選択可能。
実際のつまみを回すように回転させるジェスチャーRotaryと、上下ドラッグで回転させるジェスチャーLinearがあります。
ジェスチャーの切り替えは、KORG Gadgetの設定画面で行います。(デスクトップ→設定→Gadget 2→Knob Gesture)

両方試してみて、自分に合ったジェスチャーを探ってみましょう。
Knob Gestureの設定は、すべてのノブで適用されます。
トラックのステレオ定位を設定したい(Panノブ)
トラックのステレオ定位(Pan)を定めるには、メイン画面のミキサーセクションにあるPanノブ上でノブを回しましょう。
一番左(L63)からCenterを経て、一番右(R63)まで設定可能です。

トラックにリバーブをつけたい(Sendノブ)
各トラックには、インサーション・エフェクトとは別にリバーブ効果を得ることのできる独立したSendノブが存在し、手軽に残響感をもたらすことができます。
Sendノブで信号の送り量を調節でき、Reverb Send(残響の度合い)を0~127段階で設定できます。

トラック全体のリバーブタイムを調節したい(Reverb Timeノブ)
トラック全体のリバーブタイムを調節するノブです。Reverb Time(残響がかかる時間)を0~127段階で設定できます。

トラックのオートメーションを記録したい(メイン画面のRecボタン)
メイン画面のミキサーセクションにて、各トラックのフェーダー、Panノブ、Reverbノブ操作をリアルタイムに記録することができます。
メイン画面のフッターにて、◯(Recボタン)をタップ。するとヘッダーがレッド表示となり、Recスタンバイとなります。

この状態で▷(Playボタン)をタップしてソングをスタートさせ、フェーダーやノブを操作するとすべて記録され、以降はオートメーションで動作します。
トラックのオートメーションをリセットしたい
ノブやフェーダー操作といったオートメーションをリセットするには、エディット画面にて画面左下のFunction(①)をタップ。続いてオートメーションを削除(②)をタップします。

トラック全体の音圧を上げたい(OFF / Limiter / DeeMax)
KORG Gadgetのマスターフェーダーモジュールには、トラック全体のダイナミックレンジをコントロールするため標準搭載されているLimiterと、別売課金アイテムであるラウドネス・マキシマイザーDeeMaxが用意されています。

Limiterは、トラック全体の音量レベルの最大値を決めることで音量差を縮め、結果的に音圧感を強めることができます。
ただし上げすぎると音質の低下を招きます。
Limiter Depthノブにより、0~127段階で調節できます。
DeeMaxは、音楽性を保ったまま音圧感をアップすることができるラウドネス・マキシマイザー。
レバーを上げることで過激なサチュレーション(歪み)を発生させ、暴力的なサウンドに仕上げるというエフェクティブな使い方も可能です。
それとは逆に、サチュレーションを防ぎつつ穏やかな音圧アップを図るSAFEスイッチも搭載されています。
Editボタンをタップで、DeeMaxの表示・非表示が行えます。

トラック負荷を軽減してプチノイズを防ぎたい(フリーズ)
多くのトラックを追加したり、処理の重いガジェットを多く用いると、使用するデバイスの性能によっては負荷に耐えきれず、いわゆるプチノイズや音切れが発生します。
そんな時は、トラックをフリーズすることで回避できる場合があります。
実行するには、メイン画面にてFunction(①)をタップ。様々な機能がオーバーレイ表示されるのでフリーズ(②)をタップします。
フリーズはいつでも解除することができます。

フリーズを行うことでCPUへの負担が軽減できますが、フリーズ中のトラックは一切の操作ができなくなります。
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