- KORG Gadgetならではのチップチューン音源の一つ。
- FM音源を中心とした「タイトーサウンド」が手に入る。
- ゲーミング音色が特色も、充実したパラメーターで、ユニークでチープなデジタルシンセとしても使える。
🇯🇵 TAITO Arcade Synthesizer "Ebina"
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| タイプ | デジタルシンセ(FM / PCM音源) |
| プログラム | 65音色 |
| リリース | 2019年 |
| for iOS | 対応 |
| for Mac | 対応 |
| for Plugins | 対応 |
| for Nintendo Switch | 対応 |
| for PlayStation | 非対応 |
| KORG Gadget VR | 非対応 |
| 価格 | for iOS ¥1,840 / for Nintendo Switch ¥1,000 |
| 入手方法 | アプリ内課金 |


Ebinaとは
Ebina(エビナ)は、ビデオゲーム用の音源チップを再現したチップチューン音源。

かのスペースインベーダーを生み出したタイトーによる、数々の名作アーケードゲームのサウンドを収録したガジェットです。
ダライアスやニンジャウォーリアーズ、ナイトストライカーなど、80年代に一斉を風靡したFM音源サウンドが再現できます。
お聴きのとおり、煌びやかで硬質なFMサウンドです。
そんなEbinaの面白い特徴は、オシレーター(音の波形を生み出す装置)が3チャンネル仕様であること。

これらは同じサンプルの音を出しますが、チャンネルごとに出力レベルを調節できます。
発音タイミングを微妙にずらすことで、サウンドに厚みをもたらすディチューンや、ディレイ効果を生みだせます。
Ebinaのはじめかた
ガジェットパネルにあるプログラムディスプレイ①をタップして、Ebinaに内蔵されたプログラム②を呼び出します。

Ebinaの使いかた
Ebinaの音作りは、6つのボタンを切り替えながら行います。

- OSC オシレーターに関する設定
- PITCH 音程に関する設定
- AMP 音量に関する設定
- FLT 音色に関する設定
- LFO 音に揺らぎを与える設定
- MISC その他の設定
① OSC(オシレーター)
オシレーターに関する設定を行います。

- CHANNEL LEVEL
CH 1 オシレーターの音量レベル
CH 2 オシレーターのディレイやディチューンのレベル
CH 3 オシレーターのディレイやディチューンのレベル - DETUNE 音程のずらし幅
- DELAY オシレーターをディレイ(やまびこ効果)させる時間
- DELAY BPM SYNC Onにすると、オシレーターのディレイタイムが曲のテンポに合う
② PITCH(音程)
音程に関する設定を行います。EG(エンベロープ・ジェネレーター)は、音の立ち上がり時間や消える時間などを定めるところで、Ebinaはピッチやフィルターにもかけることができます。

- EG INT ピッチに対するEGの効き具合。0だと⑤〜⑧の効果がなくなる。マイナスだとエンペロープ波形が反転する。
- LFO DEPTH LFOによって音程が揺らぐ度合い(ビブラート効果)
- OCTAVE オシレーターの音程をオクターブ単位で設定
- PORTAMENTO 別の鍵盤を押さえてなめらかに音が移るまでの時間
- EG START LEVEL ピッチ・エンベロープのスタートレベル
- EG ATTACK TIME ピッチ・エンベロープのアタックタイム
- EG ATTACK LEVEL ピッチ・エンベロープのアタックレベル
- EG DECAY TIME ピッチ・エンベロープのディケイタイム
⑤〜⑧は少し難しいので、図で解説しましょう。
たとえば、ピッチを少しずつ上昇させたいときは、このように設定します。

この設定を図にしたものです。


まず、START LEVEL⑤でピッチの開始位置を決めます。-99から+99の間で設定できます。
つぎにATTACK LEVEL⑦を定めます。⑤よりも高くするとピッチが上昇し、低くすると下降します。
そしてATTACK TIME⑥で、⑤から⑦へ行くまでの時間を定めます。短くすると素早くピッチが変わり、長くするとなだらかに変化します。
最後にDECAY TIME⑧で、もとのピッチに戻るまでの時間を定めます。
このように、START LEVELとATTACK LEVELで高低差をつけると、ピッチが変わっていく音を作ることができます。
③ AMP(音量)
音量レベルに関する設定を行います。

- OUTPUT LEVEL 音量の出力レベル
- LFO DEPTH LFOによって音量が揺らぐ度合い(トレモロ効果)
- EG ATTACK TIME 鍵盤を押さえてから音量が最大になるまでの時間
- EG DECAY TIME 音量が最大になってから⑤に行くまでの時間
- EG SUSTAIN LEVEL 鍵盤を押さえている間に鳴り続く音量
- EG RELEASE TIME 鍵盤を離して音が消えるまでの時間
④ FLT(フィルター)
音色に関する設定を行います。

- CUTOFF カットオフ周波数。上げると音が明るくなり、下げると「こもる」感じになる
- RESONANCE カットオフ付近を強調して音にクセをつける
- EG INT フィルターに対するEGの効き具合。0だと⑤〜⑧の効果がなくなる。マイナスだとエンペロープ波形が反転する。
- LFO DEPTH LFOによって音色が揺らぐ度合い(ワウワウ効果)
- EG ATTACK TIME フィルター・エンベロープのアタックタイム
- EG DECAY TIME フィルター・エンベロープのディケイタイム
- EG SUSTAIN LEVEL フィルター・エンベロープのサスティンレベル
- EG RELEASE TIME フィルター・エンベロープのリリースタイム
こちらも、一部の設定値を図で解説しましょう。


AMPのエンベロープと同じですが、フィルターはカットオフのポイントが動くので「音色」を時間的に変化できます。
たとえば、「こもった感じから徐々に明るいサウンドになり、鍵盤を離すとこもった感じに戻る」という、複雑な音色変化をつけられます。
⑤ LFO(ロー・フリケンシー・オシレーター)
PITCH(音程)、FLT(音色)、音量(AMP)に揺らぎの効果を与える、LFOの設定を行います。

- WAVEFORM LFO波形を、TRIANGLE、SAW、SQUARE、SINE、RANDOMから選ぶ
- FREQUENCY LFOのスピード
- BPM SYNC Onにすると、LFOの揺らぎが曲のテンポに合う
- KEY SYNC Onにすると、鍵盤を押さえるたびにLFOがリセットされる
- FADE IN 鍵盤を押さえてからLFOの揺らぎが最大になるまでの時間
⑥ MISC(その他)
その他の設定を行うセクションです。

- EFFECT TYPE 内蔵FXを25種類から選ぶ
- EFFECT EDIT 1 内蔵FXのパラメーター1
- EFFECT EDIT 2 内蔵FXのパラメーター2
- VOICE MODE 発音モードを、POLY(複数の音を同時に鳴らせる)、またはMONO(同時にひとつの音しか鳴らせない)から選ぶ
- BEND RANGE ピッチベンド時の音程の変化量
エフェクトタイプとパラメーターの効果は、次のとおりです。
内蔵FXの種類とパラメーターの効果 (26)
| Effect Type | 効果 | EDIT-1 | EDIT-2 |
|---|---|---|---|
| Bypass | FXを適用しない | - | - |
| Peak EQ | 任意の周波数をブースト | 周波数 | ゲイン |
| 2Band EQ | 高低2ポイントの周波数をブースト | 低音域のゲイン | 高音域のゲイン |
| LPF | ローパスフィルターで音色を変える | カットオフ | レゾナンス |
| HPF | ハイパスフィルターで音色を変える | カットオフ | レゾナンス |
| BPF | バンドパスフィルターで音色を変える | カットオフ | レゾナンス |
| Comb Filter | 任意の周波数をブーストさせ攻撃的な音に | 周波数 | フィードバック量 |
| Compressor | 音を圧縮して音圧を上げる | 効果の度合い | 効果のかかりはじめ |
| Tube Drive | ウォーミーな歪み | チューブゲイン | - |
| Distortion | 過激な歪み | ディストーションゲイン | 音量レベル |
| Decimator | ローファイなデジタルサウンド | サンプリング周波数 | FX適用後の音量バランス |
| Ring Mod | 金属的な音 | オシレータ周波数 | FX適用後の音量バランス |
| Talk Mod | ヒューマンボイス | フォルマント | オフセット |
| Cho/Flg | コーラス及びジェット的うねり | スピード(コーラス→フランジャー効果) | 効果の深さ |
| Ensemble | サウンドに深さと広がり | 効果の深さ | 効果の広がり |
| Phaser | シュワシュワしたうねり | 効果の速さ | 効果の深さ |
| Auto Pan | ステレオ定位を自動で左右に振る | 移動スピード | 効果の深さ |
| Tremolo | 音量を揺らしてトレモロ効果 | 効果の速さ | 効果の深さ |
| Pump | 脈打つような音 | 効果の速さ | 効果のかかりはじめ |
| Slicer | 音を切り刻む | 効果の速さ | 効果の長さ |
| GrainShift | 音を粒々にする | 効果の速さ | FX適用後の音量バランス |
| Short Delay | 短い間隔の遅延で金属的な響き | ディレイタイム | 効果の深さ |
| BPM Delay | テンポと同期したディレイ | ディレイタイム | 効果の深さ |
| Room Reverb | 室内環境らしい残響 | 部屋の大きさ | 音量レベル |
| Hall Reverb | ホール環境らしい残響 | ホールの大きさ | 音量レベル |
| Gate Reverb | ドラムにかけると80sらしい音 | 響きの大きさ | 音量レベル |
おすすめ利用シーン
やはり、80年代の雰囲気をたたえたチップチューン制作に威力を発揮するでしょう。プリセット音色を鳴らすだけでも、懐かしのFMサウンドを思う存分堪能できます。
PCM音源による意匠を凝らしたSEもプリセットされていて、これらをうまく活用すればトラックにファニーなコミカルさを演出できます。
また、シンセシス機能が意外に?充実しています。特にピッチに対してEGをかけられるのが美点で、「ピュ〜〜ン」というゲーミングな効果音作りもできます。
サンプルにフィルターをかけることで音色の明暗を定めることができますし、LFOで音色に揺らぎを加えるのも楽しい。
このように思いのほか音作りの幅が広いので、チップチューンのみならず、通常のトラックでもユニークなデジタル・シンセサイザーとして活用できます。


