ミルピタス(KORG Gadget)

- 90年代に活躍したデジタルシンセサイザー WAVESTATION をガジェット化。
- 世界に2つとない、オーガニックでアブストラクトなサウンドを創造できる。
- 音作りの概念は難解だが、奥深い世界を理解できれば極めて強力な武器に。
🇺🇸 Wave Sequence Synthesizer "Milpitas"
ビジュアル | ![]() |
タイプ | デジタルシンセ |
得意パート | パッド |
得意ジャンル | アンビエント/ニューエイジ |
プログラム数 | 550パフォーマンス 385パッチ(Max 900パフォーマンス 630パッチ) |
リリース年 | 2016年 |
Switch対応 | 非対応 |
価格 | ¥3,680(KORG iWAVESTATION) |
App内課金アイテム | WAVESTATION Expansion Card Pack(350パフォーマンス 245パッチ) |

Milpitas(ミルピタス)は、1990年にリリースされたデジタルシンセ KORG iWAVESTATION をガジェット化したもの。
iOSアプリ iWAVESTATION をインストールすると、KORG GadgetにガジェットMilpitasとして追加され、iWAVESTATIONと同じ音色を扱えるようになります。
KORG Gadget for Mac および for Plugins には、最初から搭載されています。

まるで「万華鏡」のごとく次から次へと時間的に音色が変化する、極めて抽象的なサウンドを作ることができます。
Milpitasでは、ベクトル・シンセシスと呼ばれる、通常のシンセサイザーとは全く異なる方法でサウンドを作っていきます。
その方法とは、ウェーブテーブルを最大32ステップ繋ぎ、それをシーケンサーのように再生させるというもの。

ウェーブテーブル一つ一つは、1秒ににも満たない細かなPCM波形で、それらのレベルやピッチを変えたり、ループさせたりして、一つのパートを形成していきます。
パートは8つまで作成可能なので、非常に複雑、かつ時間的変化に富むサウンドをクリエイトできるわけですね。
ちなみにMilpitasでは、パートの集合体のことをパフォーマンスといい、11枚のカードに50種類ずつプリセットされています。

収録されたパフォーマンスは、ベルとストリングスをレイヤーした素直なサウンドから、風や小川のせせらぎのような音、リズミカルなパーカッション・サウンドなど、実に多彩。
そんなMilpitasでのサウンド作りは、ブラウザから気に入ったパフォーマンスを呼び出し、そのパートを自分好みにエディットしていくことが基本となるでしょう。
波形上で上下ドラッグすると切り替えることができるのですが、筆者的にはタッチパネルを一筆書きのようになぞり、ランダムっぽく波形を切り替えていくのがオススメ。

ここはトライ&エラーで、お望みのサウンドが得られるまでなぞりまくりましょう。
さらにRandomボタンをタップするたび、波形がランダムにシーケンスされた、新たなパフォーマンスが生成されます。偶然頼りですが、時折いい感じのサウンドが生まれるのが面白い。
また実機WAVESTATION同様、ジョイスティックを装備。

カットオフやレゾナンスといったパラメーターを割り当てることで、サウンドをリアルタイムに変化させることが可能です。
そしてMixer画面で、各パートの音量バランスや発音タイミング、エフェクトなどでサウンドを整え、オリジナルのパフォーマンスを完成させましょう。

このマルチエフェクターは2系統の完全独立型で、55種類のFXを使用できる強力なもの。ルーティングもシリアル/パラレルと、柔軟に設定できます。
おすすめ利用シーン

世界に2つとない、複雑で有機的な音世界を創造することできます。
トラック・メイキングにおいてはパッドに使えば、間違いなく楽曲の奥深さが増すことでしょう。
時間的変化に富むサウンドでコードを弾くと、えも言えぬマジカルで美しいサウンドが生まれることも。
またMilpitasは、いわば8パート/32ステップのシーケンサーのようなものですから、これ単体でソングを仕上げることも十分可能。
上手くいけば、1トラックだけでもアンビエントソングが出来上がります。
アブストラクトなサウンドを活かし、不思議な雰囲気のBGM作りに用いてもいいですね。
ベクトル・シンセシスの概念、そして音作りは難解ですが、これをモノにできればMilpitasはあなたにとって、またとない武器になるでしょう。