ブリュッセル(KORG Gadget)
- シンプルで軽快なれど、極めて存在感のある音を生み出す「リード専用モノシンセ」。
- あらゆるジャンルのEDMに欠かせないド派手サウンドが、素早く手に入る。
- 音色バリエーションの乏しさは、各種リアルタイム・エディットで補う。
🇧🇪 Monophonic Anthem Synthesizer "Brussels"
ビジュアル | |
タイプ | デジタルシンセ |
得意パート | リード |
得意ジャンル | クラブ/ダンス |
プログラム数 | 16音色 |
リリース年 | 2014年(オリジナル15) |
Switch対応 | 対応 |
価格 | Free |
Brussels(ブリュッセル)は、近未来的なルックスが印象的なモノフォニック・シンセ。
iOS版には最初から搭載されており、Nintendo Switch版でも扱う事ができます。
エレクトリック・ミュージック向けリードサウンドを作ることに特化した設計。
このような特性を持つガジェットは他にも存在しますが、とにかくBrusselsはEDM映えする美味しいリードを、素早くゲットする役割に徹しています。
それゆえ、ド派手な出音のわりには軽快で、トラックを重ねてもあまり重たくなりません。
かつて「ダンスミュージック特化アプリ」だったKORG Gadgetを支えた、象徴ともいえるガジェットかもしれませんね。
そんなBrusselsでの音色作りは非常にシンプル。PERFORMER・GENERATOR・OUTPUTという、3つのセクションだけで行います。
心臓部とも言えるGENERATORセクションには、「素の音」(Brusselsには、出力波形を定めるといった概念はない)を装飾するためのパラメーター群を配備。
主にBOTTOM(オクターブ下のサブ・オシレーター出力)とDEFFUSE(オシレーター間のピッチをズラす)で、音にユニゾン的な厚みを加えていきます。
またFILTERの設定次第で、音のキャラクターが大きく変わります。筆者的にはあえてフィルターを閉じ気味にし、別セクションにあるリバーブを深くかけた、ダークなサウンドもイケると感じました。
Brusselsは、そんな「ライト&ダーク」という、2面性をもつガジェットだと言えましょう。
もう一つ、Brusselsの持ち味を挙げるとすれば、パネル左側に用意されている2本のスライダー。
PUMPはリードに「パンピング・エフェクト」というサイドチェインに似たトレモロ効果を与えることができ、REPEAT(矩形波LFO)を用いれば、リードがタカタカタカ…と繰り返し発音されます。
これらはリアルタイム・エディット性に富むのでライブパフォーマンス向けの機能といえ、Brusselsの強みの一つでしょう。
上の動画はKORG Gadgetのデモソング「02 Slowmotion」の一部。REPEATをリアルタイムに操作することで、旋律に起伏をもたらしているのが分かりますね。
正直なところ、パラメーターが厳選されたBrusselsの音作りは、ややバリエーションに乏しい印象がありますが、このようなエディットを「一手間」加えることで、単調さを回避することができます。
おすすめ利用シーン
あらゆるジャンルのエレクトリック・ミュージックの、とりわけリードサウンド作りに大活躍します。
厳選されたシンプルなパラメーターゆえ、音色を作り込む必要がなく、トラック・メイキングにおいて時短につながるでしょう。
とにかくシンプルでEDM映えするサウンドですが、いささか音作りの幅が狭いので、まずは「下書き」のごとくBrusselsを起用し、しっくりくる旋律を作ってから他のガジェットに進化させる…といった使い方もオススメです。
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