- 固定ノブ8つを駆使し、選んだ音色によってパラメーターが変化するハイブリッド・デジタルシンセ。
 - iOSアプリ「KORG Module Pro」をインストールすると使えるようになる。
 - 音色ライブラリーが極めて豊富(2023年現在 14種類)。楽器からではなく、作りたいジャンルやシチュエーションから選ぶスタイル。
 
🇺🇸 Hybrid Digital Synthesizer "Fairbanks"
| ビジュアル | ![]()  | 
| タイプ | デジタルシンセサイザー | 
| 得意パート | オールジャンル | 
| 得意ジャンル | クラシック/室内楽 ロック/ポップス アンビエント/ニューエイジ クラブ/ダンス | 
| プログラム数 | 膨大 | 
| リリース年 | 2020年 | 
| Switch対応 | 非対応 | 
| 価格 | ¥4,800(KORG Module Pro) | 
| App内課金アイテム | 14ライブラリー(2023年現在) | 
Fairbanks(フェアバンクス)は、ハイブリッド・デジタル・シンセサイザー。
iOSアプリKORG Module Proをインストールすると、KORG Gadgetに追加される6つのガジェットのひとつGlasgowとして、Moduleと同じ音色を扱えるようになります。
KORG Gadget for Mac および for Plugins には、最初から搭載されています。
最大の特徴はガジェットパネルに配置された8つのノブ。選んだ音色に合わせてパラメーターが自動的に切り替わる仕様になっています。
これにより、最小限の操作子ながら、非常に多彩なパラメーターを選ぶことが可能。
つまり、その音色に相応しいパラメーターだけが最初から割り当てられるので、プレーヤーは何も考えずとも「美味しいサウンド」のみを求めることができるのです。
こうしたスマートさは、まさにバーチャルシンセならでは。最小限の労力で最大限の成果を得られる、とても理にかなった設計だと感じます。
またGlasgowと同じく、膨大な別売音色ライブラリーも魅力。
ただしサウンドの傾向は明確に異なり、オーケストラやクワイア、ビンテージ・シンセといった生真面目さが光るGlasgowに対し、Fairbanksはユニークなコンセプト系ライブラリーが多い印象です。

たとえば、別売ライブラリーの一つ90s IDMは、その名の通り90年代に盛んだったIDM(インテリジェンス・ダンス・ミュージック)制作に特化したもの。
こうした追加サウンドパックは、ピアノやシンセ機種に搭載された音色で構成されるもの。
しかしFairbanksでは、作りたい音楽ジャンルやシチュエーションにマッチしたサウンドが、リードやベース、ドラムなどノージャンルに収録されています。
他にも、「つまびく」「叩く」サウンドばかりを集めたPlucks & Malletsや、女性ダンス&ボーカルグループkolmeで活動中の MIMORIさんによるボイスをフィーチャーしたmimoPopという変わり種パックまであります。

おすすめ利用シーン

欲しいサウンドを、シンセの基本波形から作り込むのは大変ですが、Fairbanksにプリセットされているプログラムは、どれもすぐ使えるようエディットされています。
それでいて自らもエディットしやすい設計で、非常によく練られたガジェットだと思います。
14種類の別売りライブラリーという拡張性を誇り、極めて多方面のサウンド趣向に応えるFairbanksは、オリジナルプロダクトであるKORG Moduleを象徴するハイブリッドシンセ。やりたい音楽が何であろうと、欲しい音色が必ず見つかること請け合いです。
すべてのコルガジェ・ユーザーにおすすめできる逸品でしょう。

