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総力特集!「KORG Gadget 2」徹底解説。6つの新ガジェットや追加機能、Windows対応などを試す!セール情報も!!

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2019年2月28日、ついに「KORG Gadget 2」(コルグ・ガジェット2)がリリースされました。

Gadget-Junkies.netでは、音楽制作アプリとして大進化を遂げた「コルガジェ2」をいち早く入手。

新たに追加された6つのガジェット音源をはじめ、「DAW用プラグイン音源」としてのWindows対応、そして数々の新機能など、早速試してまいります!

「KORG Gadget 2」製品ラインナップは3つ。

iPad専用アプリとして2014年にデビューし、早や5年…満を持して「ナンバリング・タイトル化」したKORG Gadget 2。まずは製品ラインナップを確認しましょう。

  1. KORG Gadget 2 for iOS
  2. KORG Gadget 2 for Mac
  3. KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC

この他に、無料体験版のKORG Gadget Le(iOS / Mac)もあります。

目次

1.KORG Gadget 2 for iOS

KORG HPより

iPhoneやiPadなど、iOSデバイス上で動作するバージョン。

価格は4,800円と据え置かれており、KORG Gadget for iOSユーザーであれば無償でバージョンアップできます。

なお、このあと紹介する新作ガジェットMemphisPompeiは、スタンドアロン・アプリiMS-20 for iPadiPolysix for iPadを購入することでゲットできます。詳しくは後ほど!

2.KORG Gadget 2 for Mac

KORG HPより

こちらは、Mac OS上で動作するバージョンです。

価格は29,800円。〜for iOSと異なりバージョンアップは有償(KORG Shopのクーポン使用で9,980円)ですが、新作ガジェット4つと、後述するPlugins for Mac / PCが付いてきます。

なおクーポンの取得方法は、このツイートにてご確認を。

3.KORG Gadget 2 Plugins for Mac / PC

KORG HPより

最後に取り上げますのは、「お好きなDAW上で、ガジェット音源を使いたい」ユーザー向けの製品。

その名のとおり「ガジェット・プラグインの詰め合わせ」で、KORG Gadgetのシーケンサー部分などは省かれたバージョンです。

これまではMac版の各種DAWにて動作しましたが、このほどWindows版DAWにも対応しました。

価格は19,800円です。

ちなみに、この記事の最後に「発売記念の期間限定セール情報」を掲載しています。ぜひご覧ください!

見直された「メイン画面のUI」について。

お待たせしました。新しくなったKORG Gadget 2を見ていきましょう。

アプリを起動し、まず目を引くのはメイン画面にあしらわれた目新しいカラーリング。

このように、ガジェットによって固有の色が定められていて、メイン画面を見ると、そのトラックが何であるかが一目でわかります。

クリップとノートが、ガジェットカラーで塗られています。これはKingston

これまでずっと、基本的に「ブルー」&「イエロー」のツートーンだったので、とても新鮮ですね。

6種類の「新作ガジェット」とは?

KORG Gadget 2から新たに追加されるガジェット音源は、以下の6つ。

  • Memphis(メンフィス)
  • Pompei(ポンペイ)
  • Taipei(台北)
  • Durban(ダーバン)
  • 未発表(2019.2.28現在)
  • 未発表(2019.2.28現在)

下の2つは、近日発表とのこと(2019.2.28現在)ですが…一体どんなガジェットなのでしょうか。早速見ていきましょう!

セミモジュラー・シンセ「Memphis」

Memphisは、アナログ・モノフォニック・シンセ「KORG MS-20」(1978)をガジェット化したものです。

MS-20の最大の特徴は、当時98,000円という低価格ながら、パッチングによる自由でユニーク…更に言えば「エグい」音作りを実現した点。

そんな名機MS-20が、KORG Gadget 2で見事に再現されました。

Memphis「SYNTH」画面。

Memphis「PATCH」画面。

プリセット音色数は90ですが、そのどれもが「これぞMS-20!」と言いたくなるような(いい意味で)変態じみた音ですね。期待通りです。

ポリフォニック・シンセ「Pompei」

Pompeiは、6ボイスのアナログ・ポリシンセ「KORG Polysix」(1981)をガジェット化したもの。

Polysixといえば、80年代初頭、あの「Prophet-5」を意識して開発したとされるモデルです。

その持ち味は、何と言ってもリッチな和音を奏でる事で得られる、重厚で美しい「ストリングス」や「パッド・サウンド」。

KORG Gadgetでは、同じく「プロフェット」を模したと思われるPhoenixを彷彿とさせますが、やはりPolysixはPolysixにしか出せない音があります。

Pompei「VCO/VCF」画面。

Pompei「VCA/AMP」画面。

例えばこの動画のように、暖かなポリサウンドが得意なのかと思えば、思いっきり発振させた奇妙な音も鳴らせます。

MIDIアウト・コントロールモジュール「Taipei」

Taipeiは、シンセやドラムマシンではなく「MIDIアウト・コントロールモジュール」。

これは自ら音を出すのではなく、外部のMIDI機器を制御するという、特殊なガジェットです。

つまり、接続されたハードシンセやリズムマシン、音源モジュールに対して「CC」などのMIDI信号を出力したり、Taipeiに実装されている「X-Y PAD」で制御できたりするようです。

プリセットされているセッティングには、minilogueやvolcaシリーズ、ELECTRIBEといったKORG社製ハードウェアが並んでいますね。

なかなか謎に包まれたPompei。今度、実際にMIDIシンセを接続して検証したいと思います。

ベースエフェクト・プロセッサー「Durban」

生のエレクトリック・ベースに、様々なエフェクトをもたらすためのガジェットDurban

これはギターアンプ・ガジェットRosarioのベース版。それとZurichに次ぐ「第三の」オーディオ・トラック対応ガジェットとなります。

KORG Gadgetのシーケンスと、ベーシストが弾く生演奏セッション…というのも可能になりますね。

オーディオファイルを入力させて、ベースエフェクトならではの効果をつけるのも面白いでしょう。

新たに追加された「基本機能」を試す!

ここからは、KORG Gadget 2で追加投入された「新機能」を3つほど、チェックしていきましょう。

新機能①「テンポチェンジ」

2014年のデビュー以来、iOS音楽制作アプリとして進化してきたKORG Gadget。

そんな中、ずっと言われていたのは曲途中でテンポを変える事が出来ない事でしたが、今回のKORG Gadget 2でようやく実装されました。

やり方は以下の通り。


画像で説明しますと、メイン画面にてFunvtionボタンをタップし、テンポを変えたいシーンの「拍子(4/4 x 1と表示される所)」をタップします。

すると、右側にグレーのダイアログが表示され、「シーンテンポ」というコーナーが現れます。

シーンテンポを「有効」にすると、このソングの標準テンポが表示されます。

ここを上下ドラッグして、移行させたいテンポを設定します。

ポイントは、「移行先のシーン」(この例ではシーン「2」)で設定を行う事。

なお「スムース」をONにすると徐々にテンポが変化し、OFFではシーン変わりで即、テンポが切り替わります。

新機能②「ソングのフェードイン/フェードアウト」

これまで、KORG Gadgetで「フェードイン」や「フェードアウト」を行うには、個別のトラック一つ一つをオートメーションする以外、手段がありませんでした。

かなり根気のいる作業でしたが、KORG Gadget 2ではF.I / F.Oがワンタッチで可能となります。

やり方は、こちら。


画像でも解説します。

テンポチェンジの時と同様Functionボタンをタップし、音量をフェードさせたいシーンの「拍子(4/4 x 1と表示される所)」をタップします。

右側に表示されるダイアログの「フェードイン フェードアウト」で設定。

そのシーンの音量を0から徐々に上げたければ「フェードイン」を「有効」に少しずつ下げて0にしたければ「フェードアウト」を「有効」にしてください。

なお「フェードイン」「フェードアウト」の両方を「有効」にすることもでき、その場合は一つのクリップ内で音量が上下します。

また、このフェード機能が優れているのは「F.Oがかかり始める」または「F.Iがかかり終わる」ポイントを、パーセントで指定できる点。

例えば、このように「フェードイン50%」にした場合、そのシーンの長さの半分の位置で、音量が上がり切ります。

つまり、そのシーンが「4/4(4分の4拍子)」「4 Bar」かつ「リピート1回」であれば、3小節目に入るまでに音量が上がり切る…というわけですね。

極めてシンプルなのに、シーン全体の音量を思い通りに制御できる。良くできた仕組みだと思います。

新機能③ 「トラック名」の変更(for iOS)

地味ながら嬉しい機能追加が、トラックの名称変更です。

すでにMac版では実装されていましたが、このほどiOS版でも可能となりました。


今まではメイン画面で同じガジェットが並ぶと、 どのトラックが何であるかが分かりにくかったのですが、これで一目瞭然ですね。

WindowsのDAW上で「ガジェット音源」が使える。

さあ、いよいよ今回のアップデートの目玉「Windows対応」を迫ってみたいと思います。

「KORG Gadget 2 for Mac」または「KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC」ユーザーは、Windows版の各DAWにおいて、約40種類にも上るガジェット音源を「プラグイン」として扱えるようになります。

「出音の良さ」には定評のあるKORG Gadgetのシンセ群を、使い慣れたPCのDAWで演奏できる。これは嬉しいですね。

早速試してみました…と言いたいところですが、あいにく筆者にはWindows、それも64bit環境がありません。

今回のKORG Gadget 2のセールスポイントであるWindows対応を確認できないのは誠に残念ですが、この検証はまたの機会に譲りたいと思います。

…この方は、Windows 10版Ableton Live 10上で、ガジェットを動かされておられますね。

ところで…古いiPhoneやiPadでも使えるの?

アプリのバージョンアップで気になるのは、発売から年月を経たデバイスを持つユーザーにとって「動作が重く」なってしまう事。

しばしばDAWでは、メジャー・アップデートによる機能強化と引き換えに、それなりのマシンスペックが要求されるようになります。

KORG Gadget 2を「iPad Air 2」で動かす

たとえば、2014年10月にデビューしたタブレット「iPad Air 2」。

発売から5年ほど経ちますが、大抵のアプリは軽快に動作し、lightening端子を実装するなど、今なおバリバリの名機です。

しかし、今となっては旧型のプロセッサ「A8X」(2019年2月現在、最新のiPad Proは「A12X」)だけに、そろそろスペック不足が気になるところ。

そこで、iPad Air 2でデモソングをロードし、色々と操作してみました。


詳しくは動画で確認いただきたいのですが、感覚としてはKORG Gadget 2になっても全く変わらず、軽快に動作してくれました。

これで、世代の近いプロセッサを用いているiPhone SEユーザーなども、コルガジェ2を安心して導入できますね。

お待ちかね!コルグ社製品の発売記念「セール情報」。

KORG Gadget 2のリリースを記念して、今回もセールが実施されます。

その内容を以下にまとめましたので、このチャンスを是非モノにしてくださいね。

セール期間

2019年2月28日(木)〜 3月31日(日)

対象製品

  • KORG Gadget 2 for iOS
  • KORG Gadget 2 for Mac
  • KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC
  • KORG iMS-20 for iPad
  • KORG iPolysix for iPad

KORG Gadget 2 ファースト・インプレッション。今後もフォーカスし続けます!!

さて、コルグさんによる当初の予告「2月発売予定」通り、見事2月28日11時頃にリリースされた、KORG Gadget 2。

今回筆者が唸ったのは、Windows対応や新作ガジェット以上に「基本機能のブラッシュアップ」を地道に果たしていることです。

先に挙げた柔軟なフェード機能をはじめ、満を持して実装されたテンポチェンジトラック名称の変更機能など、またしてもKORG Gadgetは着実なる進化を遂げました。

完成形に近づきつつある我らがコルガジェですが、もう一歩、及ばない要素があります。

それは、シーンまたぎのシンコペーションが出来ないこと。


不具合…とまでは言いませんが、筆者としても、これが未だに実装されないのは謎ですね。

しかし、常にユーザーの声を汲みながら進んできたコルガジェですから、近い将来かならず実現してくれるはず。

そんな期待を抱きつつ、KORG Gadget First impressionを終えたいと思います。

それではまた。Have a nice trip!

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 以前にも書かせていただきましたが、
    シーンまたぎの件について難儀しているのは、
    私だけでは無いんですね…。(悩)
    シンコはもちろんですが、ロングトーンの打ち込みが出来ないわけで…。

    1シーンで最大足掛け16小節までしか小節またぎは出来ません。
    フュージョン系のバンドスコアを好んで打ち込んでいる私としては、
    現在絶版のバンドスコアを苦労して手に入れたところで、
    この機能面が理由で断念した曲がどれだけあるか…。

    他のみなさんはどうやって克服しているのか分かりませんが、
    自作曲ならどうにでも出来ると思いますが、
    カバー曲を無理やり挑戦するとなると、
    小節を分割して変拍子的に打ち込んでいくしかありませんが、
    ものすごい労力ですし、シンコには有効ですが、
    ロングトーンに関しては先述の通りです。

    素人考えではありますが、同じ音程であることを前提条件に、
    ボタンひとつでシーンまたぎであっても、
    次のノートまで音が鳴り続けてくれる機能とかが
    あれば楽なんですけどね。

    「ボタンひとつ」と書いていて思い出しましたが、
    各種設定値(ピッチやパンなど)も、
    ボタンひとつで「ゼロ」に出来る機能は付けて欲しいですね。
    (特にドラム系のガジェットで。)

    *****

    早速の新機能の判りやすい解説、ありがとうございます。
    KORGが機能追加に関してはアナウンスしているものの、
    実際の手順はどこにも明記していないので大助かりです。

    新ガジェット、どういう仕組みなのかは分かりませんが、
    iM1はiPadPに入れて、iTunesかicloudで連携が取れているからか、
    本来for iPadなのでiPhoneでは使えないはずなわけですが、
    iPhoneのガジェット選択でiM1のガジェットが選択可能なんですよね。

    今回の追加ガジェットもiPadで購入すれば、
    選択して鳴らすだけならiPhoneでも出来るかも?と期待したのですが、
    どうやらダメみたいですね…。
    iM1同様になってくれたら嬉しいのですが…。

    長文失礼いたしました。

  • 私は iOS ver. しか使用していないので、他の ver. は分かりませんが、
    今回の Gadget 2 から、Gadget 2 のアプリ内で曲名の変更が出来なくなりました。
    最初はリリース初期によくある不具合なのかと思ったのですが、
    KORGに問い合わせてみたところ、誤消去や保存前の打ち込みデータ飛びを防ぐために
    仕様を変更したとのことです。

    では、どうすれば変更できるのかと言うと、
    「files」というアプリを使い、ブラウズ→KORG Gadget をタップ、
    「選択」→曲名を変更したいファイルの曲名部分を長押しして添削、
    その後、「完了」を押すと新たなものに上書きされるとのことです。

    個人的にはものすごく面倒臭くなってしまったなぁと思います。

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