エディット性能を高め、さらなる快適操作が実現…平成最後の「KORG Gadget 2.1」新機能まとめ。

平成の世も終わろうとしている2019年4月25日、コルグはKORG Gadget 2 for iOS/Macの新バージョン「2.1」をリリースしました。
コルガジェが「2」になってから2ヶ月経ってのマイナー・アップデートですが、ユーザーからするとツボを心得た、充実の内容となっています。
今回は「KORG Gadget 2.1」になって実装された新機能を、個別にフォーカスしていきましょう。
新機能① ピアノロールの「縦方向」への拡大縮小(for iOS / Mac)
これまでもピアノロール画面にて左右にピンチすると、複数のBarを1つの画面に広げて表示できたり、逆にフォーカスできたりしました。
それに加え、今度のアップデートではピアノロールの拡大縮小が「縦方向」でも可能になりました。
iPhone / iPadでのやり方
iOS版コルガジェでは、ピアノロール画面左端にある音名上にて、上下方向にピンチイン・アウトすればOKです。
この機能が素晴らしいのは、広い音域に渡ってノートを打ち込まれていても、わざわざ上下にスクロールする必要がなくなること。
そんなシーンは曲作りの過程において結構あり、例えばストリングス・アンサンブルを一つのトラックで打ち込んでいる時や、アルペジオを3オクターブ以上で行なう際など、「縦方向への拡大縮小」は大変便利に使えるでしょう。
Macでのやり方
Mac版についてはピンチという概念がないので、ピアノロールの拡大縮小はマウスドラッグで行います。
ピアノロールの鍵盤が表示されている列にマウスカーソルを合わせると、「虫眼鏡」アイコンに変わります。
その状態で左右にドラッグすると、縦方向の拡大縮小が行えます。下の画像は「目一杯」縮小した様子で、ほぼ全オクターブを表示できています。
画面サイズが小さく、解像度の低い昔のMacBookなど、こちらも重宝すると思いますよ。
ちなみに横方向への拡大縮小も可能です。Bar(小節)が表示されている行にマウスカーソルを合わせ、今度は上下にドラッグしましょう。
新機能② ノートの全選択(for iOS)
ノートの全選択は、現在開いているクリップ内の全てのノートを一瞬で選択できる機能。
今までのKORG Gadgetは、ノートを全選択するまでの操作が煩わしかったのですが、これで解決です!
iPadでのやり方
やり方は、まず普通に一部のノートを選択。するとフッターに「すべて選択」ボタンが表示されるのでタップしてください。
これでノートの全選択が完了。
なお全選択の範囲は、そのクリップ内にある全てのノートに及びます。
iPhoneでのやり方
iPhoneでは、一部のノートを選択すると、このような >> ボタンが表示されます。
>> をタップすると、iPadと同様「すべて選択」ボタンが現れるので、これをタップするとノートの全選択が完了です。
iPadよりも一手増えてしまいますが、iPhoneの画面領域の関係上、やむを得ないところでしょうか。
Macでのやり方
ちなみにKORG Gadget for Macで「ノートの全選択」を行う場合、キーボードショートカット ⌘(command) + A を使いましょう。とても便利です。
Macでは以前から可能な操作でしたが、おまけで紹介しました。
ノートの全選択は「移調」を試す時にも便利
この後解説するトランスポーズと組み合わせることで、そのクリップにおいて「オクターブ単位の移動」や「半音単位の移調」を、とても手軽に行えるようになります。ぜひお試しを。
新機能③ オクターブ単位のトランスポーズ(for iOS)
ノートの音域を瞬時に上げ下げできるオクターブ単位のトランスポーズも、KORG Gadgetユーザー待望の機能です。
先に述べた「ノート全選択」と併用すれば、そのパート楽器にとって適切な音域を、素早く試すことができますよ。
iPhone / iPadでのやり方
ノートを選択すると、フッターにTransposeを行う4つのボタンが現れます。各ボタンは以下の通り機能します。
各ボタンをタップすると、直前で選択されたノートがそれぞれ移動します。
Macでのやり方
Macについては、該当するノートを選択した上で、ショートカット Shift + カーソルキー(↑または↓) を使うとオクターブ単位で移動できます。
前述の ⌘ + A と併用すれば、そのクリップ内におけるオクターブの上げ下げが、一瞬で行えますよ。
こちらも以前から行えましたが、おまけです。
新機能④ ピアノロールの配色の見直し
KORG Gadget 2より、メイン画面やピアノロールに、ガジェット音源固有のテーマカラーがあしらわれるようになりました。
それまでは全て「ライトブルー」で示されていたので、ずいぶんカラフルに、また分かりやすくなったと思います。
そのカラーリングが、KORG Gadget 2.1では幾分明るめなトーンに再調整されました。
しかしホワイトが採用されたガジェットのノートで、選択/非選択の区別がつかないという問題が生じています。
元々、選択中のノートは「明るいホワイト」で表現されていましたから当然ですよね。
ChicagoやChiang Mai、Montrealなどの白系ガジェットで、ノート選択時の視認性が非常に悪くなってしまいました。
特にDublinは、選択/非選択時とまったく同じで、お手上げです。
KORG Gadget 2.1になってから、ピアノロールの配色が白系だとノートも白で、選択されているのかが分からない…という声が一部ユーザーから上がっています。明らかに視認性が悪化しているので、早急に改善してほしいですね。ちなみにこの動画はDublinのピアノロール。 pic.twitter.com/Mpy177VbVl
— くらんけ@Gadget-Junkies.net (@Gadget_Junkies) 2019年4月28日
これには、Twitterでもコルガジェ・ユーザーの間で不満の声が続出。早急に改修して欲しいところです。
着実に進化を続けるKORG Gadget。今後も更なる改善を!
さて、平成最後となったKORG Gadgetアップデート。
2.0で実装された「曲中テンポチェンジ」や「フェードイン・アウト」などに続き、今度はエディット周りが快適となる充実した内容。多くのユーザーから高評価の声が上がっています。
ユーザーインターフェースについても、前述した「選択/非選択表示問題」はあるものの、非常に洗練されました。
KORG Gadgetが「最高のモバイル音楽制作アプリ」として君臨し続け、さらなる発展を遂げるため、今日から始まった「令和」になっても、絶え間ないブラッシュアップを続けて欲しいですね。
それではまた。Have a nice trip!