かんたん打ち込みギター講座②「コード・ストロークに挑戦しよう」

今回からシリーズで、KORG Gadgetを用いた、打ち込みによるリアルなギター表現にチャレンジしていきます。

このブログでは、以前にも「お手軽エレクトリックギター編」として、こんな記事を書きました。

この記事は「お手軽にギターっぽい表現を目指す」ことを目的としたカジュアルな内容でしたが、今度のシリーズは、より掘り下げた内容にしたいと思っています。

第一回目の今日は、ギター・プレイの基本とも言えるコード・ストローク。この記事の通りにやっていけば、打ち込みなのにギターっぽい響きが得られますよ。

はじめに、今回のレッスンの完成形を示しておきましょう。

① コードを決める

これから始めるのはギターによるバッキングですから、まずはコードを考えましょう。

ここでは、C△7(シー・メジャー・セブンス)というコードでやってみます。このメジャー・セブンス・コード、またとない豊潤な響きが得られるので大好きです。

このC△7を、ピアノロールでベタに打ち込んだ様子がこちら。上で示した譜面通りの基本形、C3・E3・G3・B3です。ちなみに音色は、マルチPCMガジェットMarseille「118 A.GUITAR STEEL」

ギターは「E2」〜「C6」の音域で鳴らそう

ここで、ギターを打ち込む時の音域について触れておきます。

たいていのギターには6本の弦が張られていて、一番上の弦が「6弦」で、弾くと低い音が一番下の弦が「1弦」で、高い音が出ます。

ギターは、フレットを押さえず6弦を弾いた時に最も低い音を出せますが、その音はE2となります。

ということで、ピアノロールでギターを打ち込むときはE2よりも低いノートを置くのは避けてください。

反対に、ギターを打ち込む時の一番高い音はC6までを目安にしましょう。

② リズムを考える

ギターは「ジャンジャガジャガジャン」させてナンボですから、リズミカルに刻んでいきましょう。

このリズムで打ち込んだ様子がこちら。

しばしば初心者向けのギターレッスンで用いられる、シンコペーションを含む定番パターンですね。

③ オープン・ボイシングに変える

打ち込みギターに「らしさ」を吹き込むには、オープン・ボイシングにすることが肝要です。

ボイシングとは、コードの押さえ方のこと。これをオープン…つまり1オクターブ以上に広げることは、ギターらしい豊かな響きを得るための必須テクとなります。

今回は、C△7の基本形C3・E3・G3・B3を、C3・G3・B3・E4・G4・C5に広げてみました。

これだけで、ずいぶんギターっぽい響きになったと思いますが、いかがでしょう。

ちなみに②で述べたような、コードの構成音間が近接したボジションはクローズ・ボイシングと呼ばれ、たいていのコードでは物理的に押さえる事が困難。それゆえ、どうしてもギターらしくない響きになってしまいます。このことは、ぜひ覚えておきましょう。

ギターの打ち込みは「オープン・スタイル」で

先ほど、ギターらしい響きを得るにはオープン・ボイシング基本だと述べましたが、もう少し突っ込んで解説します。

ギターを打ち込む際、1オクターブ内で音符がくっついているクローズ・ボイシングだと、リアルな響きを得る事ができないことは、先ほど述べた通り。

例えばC△7(シー・メジャー・セブンス)というコードを、クローズ・ボイシング(G3・B3・C3・E4)で示すとこうなりますが…

このボイシングでギターで弾くと、こんなサウンドになります…なんだか、あまりギターらしくない響きだと感じませんか?

実は、このようなクローズ・ボイシングでギターを弾くことは極めて困難。押さえるフレットが離れすぎて、指が届かなくなるからです。

 

ドラムを打ち込む時も、ちょっと油断すると手足が3本あったり4本になったりしますが、ギターも同様。

人間が実現可能なボイシングで打ち込むこと。それこそが、本物っぽいギターサウンドを得るための最大のポイントです。

では、どうすれば良いか…コード構成音間の音程を広げるオープン・ボイシングで打ち込むことです。

ギターの演奏ではたいていの場合、ボイシングを1オクターブ以上に広げることで、指の使い勝手が楽になるもの。

こうしたギター演奏ならではの物理的な制約を意識することが、打ち込みで「ギターらしさ」を醸し出す秘訣なんですね。

「オープン・ボイシング」を調べる方法

そうは言っても、ギターを弾いたことのない方にとって、どのようにオープンさせれば良いか分からないと思いますので、どうやるのかを解説します。

ギターのフレットとピッチの関係は、以下の通りです。

 

ボイシングを考える際は、ぜひこの図を参考にして押さえるフレットが離れすぎていないかをチェックしてください。

今やっている、C3・G3・B3・E4・G4・C5を押さえると、このようになります。

これなら、実際に押さえる事ができそうですね。

④ ストロークをかける

ギターらしいボイシングに整えたところで、いよいよ磨きをかけていきます。

すでにお気づきの方もいるかと思いますが、ギターという楽器でコードを弾く場合、その構成音が「同時」に発音されることは決してありません。

なぜならギター演奏は、6本の弦を上から、または下から弾くから…当たり前ですね。

なので、コードを構成する音の発音タイミングを、微妙にずらす必要があるわけです。

ポイントは2つ。まずギター・ストロークでは、向かって上の弦(低い音)から下の弦(高い音)へピッキングするダウン・ストロークと、逆に下から上へとピッキングするアップ・ストロークを交互に用いて演奏します。

「ダウン」と「アップ」のストロークを、交互に打ち込む

下の譜面をご覧ください。

「↓」と示した部分が、ダウン・ストロークで下のノートから順に発音させ、「↑」が、アップ・ストロークで上のノートから発音させる所。

前半〜中盤部分

中盤〜後半部分

微妙に発音タイミングをずらしているのが、お分かりでしょうか。

ちなみに、さきほど示した譜面の左から2番目と5番目は空ピッキングといって、何も弾かない場面で弦に触れず、かつダウン・アップ・ダウン・アップ…の動きを止めない演奏。これはギタープレイの基本なので、打ち込み時においても踏襲すると良いでしょう。

グリッドをオフにして打ち込む

そしてもう一つのポイントは、グリッドを「Off」にし、無段階で音を前後させること。つまりクォンタイズをかけないことです。

KORG Gadgetは、クォンタイズのためのグリッドを64分音符分まで細かくできますが、ギターピッキングを再現するには荒すぎて話になりません。

ぜひグリッドを解除してフリーハンドに音の間隔を詰めたり、細かくバラけさせたりして、打ち込みの機械っぽさを回避してくださいね。

⑤ ベロシティーを調節する

最後に、各ノートの音量を調節していきます。

基本的には、弾きはじめの音を最も大きく、徐々に小さくしていくのが王道。

しかし、あえて目立たせたい音を上げても、いい雰囲気がでるものです。

また、この例では2拍目と4拍目にアクセントをつけていますが、1拍目を強調するのもアリ。

そしてベロシティーは、基本的に派手めにバラつかせると、より人間らしいフィーリングになります。

以上、打ち込みギターの作り方でした。この5つのステップを実践するだけで、かなりリアルなコード・ストロークが実現できると思います。

まとめ:ギターの打ち込み=難しい…を払拭する「3つのエッセンス」とは

とかく「ギター」の打ち込みは、他のパートに比べて難易度が高いと言われます。

コードやアルペジオを機械的に打ち込んでも、決してギター演奏のニュアンスは再現できません。

しかし、今日紹介したやり方を実践すれば、よりギターらしいリアルな打ち込み表現が可能になります。

最後に、今回覚えたことをおさらいしておきましょう。

1.ボイシングは「オープンスタイル」で

コードの基本形や展開形など、音符のくっついたクローズ・ボイシングは、鍵盤楽器だと弾きやすいのですが、ギター演奏ではフレットが離れすぎる可能性が高いです。

人間の指が届く=ギターらしさであると心得ましょう。

なお、オープン・ボイシングを行うために、コード構成音の上から2番目を1オクターブ下げるドロップ2や、上から3番目を下げるドロップ3というテクニックも存在しますが、それはまた別の機会に。

2.「ダウン」or「アップストローク」を意識しつつ、発音タイミングをずらす

ギター演奏を打ち込みで再現する時は、テクノのように同時に発音させず微妙にずらしてやると、劇的にそれっぽくなります。

その際、空ピッキングを含めたダウン・アップストロークに気を使うことで、よりリアルなギター表現となります。

3.「ベタ打ち」NG。「ベロシティ」に変化を加えよう

そして音量を大胆に散らし、マシンフィールを払拭しましょう。とりあえず始めに鳴る音から、徐々に弱めればOK!

今回の「打ち込みギター・コードストローク編」は以上です。

次回は、これまた極めてギターらしい分散和音表現「アルペジオ」について解説する予定です。

それではまた。Have a nice trip. ciao!

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