高さのことなる、ふたつ以上の音を同時に鳴らした「和音」のことをコードといいます。世の中には、ひとつのコードしか使わないワンコードの楽曲もありますが、たいていは場面ごとにコードをチェンジさせて曲の雰囲気を変えていきます。これをコード進行といいます。
コードを理解して曲作りに活かすには、キーやスケールといった音楽知識を要しますが、KORG Gadgetは「知識ゼロ」でもコード進行を作ることができます。そのやり方も含め、このチュートリアルで覚えていきましょう。
今回のチュートリアルで完成を目指すコードトラックです。PLAYボタンをタップするとプレビューできます。
コード用のトラックを作る
まずは、コード・バッキング用のトラックを作りましょう。前回のチュートリアルドラムトラックを作ろうからのつづきです。
新しいトラックを追加するには、メイン画面で+ボタン①をタップします。

ガジェットブラウザが起動するので、今回はSynthカテゴリにあるWolfsburg②を選んでください。新たにTrack 2③ができます。


「キー」「スケール」とは
コードトラックを打ち込むにあたり、この曲のキーとスケールを決めたいと思います。
キーは曲の調性で、「ハ長調」「ニ短調」などと呼ばれるものです。12種類の中から選びます。
スケールは音階で、この種類によって曲の雰囲気が大きく変わります。西洋音楽でおなじみの「ドリアン」や「リディアン」から「マイナーブルース」、エキゾチックな響きの「アラビック」「琉球音階」など、さまざまです。KORG Gadgetは、50種類以上あるスケールから選べます。
このチュートリアルで用いるキーとスケールは、次のとおりです。
キー|C#(=D♭)
スケール|Dorian(ドリアン)
C#とD♭は異名同音といって、ちがう名前ですが同じ音です。このチュートリアルではC#の方で解説します。
キーとスケールを定めるには、エディット画面でガジェットパネルのSCALE①をタップ。表示された吹き出しでChord off②にして、スケールに関する設定③を行います。


とりあえず、このように設定してください。
| 項目 | 設定値 | 意味 |
|---|---|---|
| Scale Type | Dorian | スケールの種類を定める |
| Key | C# | キーを定める |
| Oct Position | 3 | 表示する鍵盤の音域を定める |
| Oct Range | 2 | 鍵盤のオクターブ数を定める |
| Scale Step | 7 | オクターブあたりの鍵盤数を定める |
ここでピアノロールを見ると、音名表示が明るいものと暗いものに分かれています④。


これは、先ほど設定したC#ドリアン・スケールで演奏するための音をガイドしています。逆にいうと暗い音はスケール外であり、打ち込みの際に避けるべき音です。
C#ドリアン・スケールを楽譜にしてみました。ピアノロールと見比べてみましょう。


「コードトラック編」最初のチュートリアルはここまで。キーとスケールの意味を知ることができ、ガイドされたスケールの音だけを選んで打ち込むことで、誰でもモーダルな旋律を作れることが分かりました。
次回は、実際にコードトラックを打ち込んでみましょう。

