新春KORG Gadgetユーザーコンペ「3 Gadgets challenge !! 2023」開催決定!優秀作には賞品も。
2022~2023年の年末年始にかけて催された、年越しKORG Gadget ユーザー作曲コンペティション 3 Gadgets challenge !! 2023 。たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。
Twitterの「診断メーカー」で偶然引き上げた KORG Gadget 3音源だけで曲作りの腕前を競うという、おそらく世界で類を見ないであろう作曲コンテンストです。
当 Gadget-Junkies.net による厳正なる審査の結果、グランプリ3作品 、そして最後まで覇権を争ったファイナリスト9作品が選出されました。
グランプリ3作品へは副賞として、KORGグッズ6点が詰まった福袋が贈られます。何が届くかはお楽しみ。
それでは発表いたします!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
3 Gadgets challenge 2023
👑 WINNER 👑
005|potatomahawk "Vitreous Squall"
① 🥁Bilbao|ワンショットサンプラー
② 🎹Warszawa|ELECTRIBE Wave
③ 🎹Salzburg|グランドピアノ
選評:作者持ち前のマジカルなピアノ連弾に乗る、めくるめく美メロの数々。さらに聴くものを否が応でも高揚させるハイエナジーさに圧倒された。新たなチャレンジとしてグリッチを取り入れるなど音楽の幅はさらに広がり、着実に成長・進化を遂げている。そんな稀有な才能を持つミュージシャンが、数あるDAWの中からKORG Gadgetを選択してくれている。1ユーザーとしてこれほど頼もしく、誇らしいことはない。私たちユーザーの星として、いつまでもコルガジェ・シーンに君臨し続けることを心から願う。文句なしのグランプリです!!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
3 Gadgets challenge 2023
👑 WINNER 👑
014|Penguin Robot "Fixed Wave"
① 🎸Rosario|ギターアンプ
② 🥁Gladstone|アコースティックドラム
③ 🎹Berlin|エグいリードシンセ
選評:シンプルで美しいフレーズ同士がミニマルに絡み合い、足され変化しじわじわアガる。かつてベルリンで派生した反復ニューエイジ・ミュージックを彷彿とする、危うい陶酔感をたたえたエレクトロミュージック。神秘的、宇宙的、瞑想的とも言える「天国シークエンス」がトラック全体を支配している。細かいところでは、ウワ物とボトムのシーケンスをずらす技がフックとして非常に効いている。そして無骨なリードモノシンセBerlin🇩🇪が唸りを上げるオシレーターシンク・サウンド。過激で脳天を突き破られるようだ。アートワークの秀逸さもあり、総合芸術として極めて完成度が高い。なお、この作者がもう一作ドロップしたシューゲイザー的トラックのクオリティーも素晴らしく、それも加味しGPとさせていただいた。congratulations !!!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
3 Gadgets challenge 2023
👑 WINNER 👑
011:ROwhitea_/K75Ω "NeoN SIGN"
① 🎹Glasgow|高品位PCMシンセ
② 🥁Tokyo|エレクトリックドラム
③ 🎹Lisbon|宇宙シンセ
選評:これまで開催されてきた「3ガジェ」では音源数の制約からか、比較的静かでクールな曲調のエントリーが多い。本作はそんな中でも珍しい、ライトで小洒落たポップ・ミュージックに仕上がった。それでいて曲展開が起伏に富んでいるので、聴いていて実に楽しい。用いられている音色やフレーズもバリエーションが豊富で、かつ丹念に練り上げられているので聴きごたえがあり、リスナーを飽きさせない。良バランスなガジェットの組み合わせにも恵まれ、しっかり、そしてのびのびとした作り込み感が伝わってくる。最後のエンディングまで決して気を抜かず、丁寧に曲を終える…緻密なお仕事、お見事です!!
そしてここからは、最終選考に進んだファイナリスト9作品の発表です。応募総数のうち、わずか上位15%弱にあたるスペシャリストたち。珠玉のラインナップをお楽しみください!
KORG Gadget
COMPOSITION COMPETITION
3 Gadgets challenge 2023
🎖 Finalists 🎖
060:xxkadotani「チャンス・オペレーション」
① 🎸Rosario|ギターアンプ
② 🎮Kingston|ピコピコ音源
③ 🔪Abu Dhabi|スライスサンプラー
選評:いつも甘く気だるい、魅惑的なボーカルトラックで大会を盛り上げてくれる名トラッカー。今回の「3ガジェ」では、オーディオトラックを扱えるギターアンプRosario🇦🇷&グルーヴィーなビーツを生み出すAbu Dhabi🇦🇪という絶好の武器を引き当てた。しかし、最後の1つが作者にとって鬼門であるチップチューン系音源。放棄することもできたが果敢にトライし、結果としていつものトラックとは一味違う、ユニークかつ奥行きを感じさせる仕上がりとなった。作者の技量もさることながら、そんな才人に予期せぬ働きかけをもたらす…これぞチャンスオペレーション・コンペ「3ガジェ」の醍醐味といえるだろう。
052:Swenzy Kong Yosh「3 GALLERY COMPOSITION 〜GC2023 ENTRY TRACK 〜」
① 🥁London|ダンス向きドラムマシン
② 🎹Pompei|KORG Polysix
③ 🎹Wolfsburg|ゴージャスシンセ
選評:緻密、精細な打ち込みスキルを持つがゆえ敢えて音数を控え、音と音との「余白」で聴かせる巧妙さ。多大な労力が費やされたであろう「人力ウエーブテーブル」とでも呼びたいトラックメイクっぷりは、まるで音の断片を繋ぎ合わせたかのようだ。一聴、底抜けにポップでありながら、ブレイクビーツやコラージュ・ミュージックにも通づるアヴァンギャルドさが同居。コルガジェシーン屈指の名手の持ち味は、この2面性にあるのではないだろうか。うっかり手を出すと痛い目に遭う淑女のような、極めて刺激的で奥深い逸品。
048:Sean Winter「Haru Urara」
① 🎹Montreal|エレクトリックピアノ
② 🎹Salzburg|グランドピアノ
③ 🎮Kingston|ピコピコ音源
選評:満を持しての真打ち登場。ファットで印象的なリズムはファミコン音源だろうか。そんなスカッとした小気味良いボトム隊と、転調を駆使する芳醇なコード感により、いつもながらカラフルで誰もが笑顔になれるハッピーな音世界。メロディー・コードワーク・リズム捌き・アレンジ・ミックス…全てにおいて隙のない、いわば総合力の勝利といえよう。すべてのコルガジェユーザーにとってのお手本となるので、もし伝説のプロジェクト共有イベント「ディレU」が開催されたらぜひ手の内を拝んでみたい。DAWのデモソングと言われても真っ当だと思える、まさにプロの仕上がりだから。
008:KeterBear「Fragment 3」
① 🎹Lexington|ARP ODYSSEY
② 🎹Lisbon|宇宙シンセ
③ 🎮Otorii|セガ音源
選評:ビンテージ&モダンシンセに、セガのゲーミング音源が突拍子もなく絡む作品。しかしこの組み合わせにより、持ち前のアッパーな作風もあり疾走感あふれる曲に。都会の夜空を飛行するマイシップ視点を思わせる、90年代のビデオゲーム・ミュージックをアップデートしたようなトラックへと仕上がった。作者の十八番といえば美しいピアノ連弾だが、それを封印されても極上なポップ・ナンバーを生み出すことができる。そんな確かなスキルが図らずも実証された格好だ。余談ながら、ぜひセガ音源Otorii🇯🇵の多くのサウンドを生み出した伝説コンポーザー・Hiro師匠に聴いていただき、ご自身のサウンドが今もって活かされていることを知っていたきたいと思う。
006:RAWSEQ「Factory Tube」
① 🎹Kiev|ベクターシンセ
② 🎸Madrid|アコースティックベース
③ 🎹Montpellier|KORG Mono/Poly
選評:極端に無駄さが切り落とされた非常にクールなトラック。3ガジェで3トラック。ドラムひとつないという厳しい制約下において、各音源の持ち味、エキスを絞り出しているかのよう。Montpellier🇫🇷によりアナログシンセらしいトリッキーなリズムがもたらされ、畏怖堂々と我が道をゆく生エレキベースMadrid🇪🇸。そしてウワ物を司る不思議系ベクターシンセKiev🇺🇦の音の配置が絶妙で、まさに「痒い所に手が届く」仕上がり。間違いなくテクノ、そしてシンセサイザーの達人によるそれと分かるトラックで、聴き込むほどに味わい深く、危うく引き込まれてしまう逸品。曲名も実にかっこいい。
024:WARYU「2023_3gadget Lb DeTokyo」
① 🎹Lisbon|宇宙シンセ
② ☠️DeeMax|音圧爆上げエフェクト
③ 🥁Tokyo|エレクトリックドラム
選評:それ自体では音の出ないラウドネス・マキシマイザーDeeMax☠️を引きあてるということは「2ガジェ」になることを意味し、楽曲制作が困難となり忌避されがち。しかし作者は、曲作りの不自由さと引き換えに、またとない「音圧」を手に入れた。それこそが他作品との比肩を許さぬ、本作だけのプレゼンスにつながっている。そして残されたシンセとアナログドラムだけで、これほどまでに儚く、美しいトラックに仕立て上げてしまうセンス。最低限度の構成だからこそ、美メロがより引き立っていると感じる。
043:makikoYY「Passing January 3GC2023」
① 🥁Recife|ダンス向きドラムマシン
② 🔪Stockholm|スライスサンプラー
③ 🎹Lexington|ARP ODYSSEY
選評:こちらはリズム系2発と、アナログシンセだからこそ生まれたソリッドな感触。しかし荒々しくも、どことなくインテリジェンスな匂いが漂うのは作者ならでは。決して一筋縄では行かない、複雑さが魅力なトラックだ。
027:thickone「FTD」
① 🎹Dublin|セミモジュラーシンセ
② 🎹Marseille|生楽器PCMシンセ
③ 🎹Alexandria|オルガン
選評:3ガジェットの持ち味をフルに生かしている、まさに「3ガジェ」の理念を体現したかのような逸品。今大会においては、幅広いサウンドを得られるマルチ音源Marseille🇫🇷を引き当てた時点で曲作りが楽になる。だが作者は年始イベントであることを意識し、あえての「三味線」縛りを自らに課す。それと「診断メーカー」から提示されたオルガンAlexandria🇪🇬、そしてファットなシンセベースDublin🇮🇪の組み合わせは無国籍的であり、なんとも不思議でオンリー・ワンな作品に仕上がった。
063:MIX-MAX「TG Panic」
① 🥁Gladstone|アコースティックドラム
② 🎹Taipei|MIDIアウトデバイス
③ 🥁Tokyo|エレクトリックドラム
選評:Tokyo🇯🇵&Gladstone🇦🇺でTG Panic…作者が引き当てた組み合わせは、まさに死神の札。実質ドラムオンリー。しかしそれでもアナログドラムシンセTokyoを駆使し何とかフレーズを生み出し、常人離れしたガッツで一曲に仕上げた。この作者のスピリットとでもいうか、ミュージシャンとして矜持を感じるかのよう。本作に注げられた執念、そしてチャレンジ精神に最大級の敬意を表する。
今回も大盛り上がりの中で閉幕する、世界初?のおみくじチャンスオペレーション・バトル「3ガジェ」。たくさんのご応募ありがとうございました。またお会いしましょう!
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