今回のチュートリアルは、ベーストラックを作っていきます。基本的には前回のチュートリアルで作ったコード進行に基づき、その構成音から音程を選ぶことになります。とりわけメインとなるのは、そのコードのルート音…つまり、コードがC#m7であれば「C#」を使うことです。そして、他のトラックとの兼ね合いを考えながらリズムを作れば、基本的なベースフレーズの完成です。
今回のチュートリアルで完成を目指すベーストラックです。PLAYボタンをタップするとプレビューできます。
ベーストラック用のガジェットを選ぼう
ベーストラックには、これまでのチュートリアルで覚えてきたドラムやコードトラックとは異なる特徴があります。それは「一度に一音ずつ打ち込む」こと。裏を返せば、一度に一つの音しか出せない音源(モノフォニック・シンセ)でもOKということです。
ということで今回は、シンセベースづくりに適したモノシンセDublinを使って進めていきます。
まずはベーストラック用のTrack 3を作ります。前のチャプターコードトラックを作ろうからのつづきです。
メイン画面で、+ボタン①をタップ。


ガジェットブラウザが起動するので、今回はBass / GuitarカテゴリにあるDublin②を選んでください。新たにTrack 3③が出現します。




Track 3のクリップ、またはガジェットアイコン④をタップして、エディット画面⑤に移ってください。




ベースラインの要素について
これから作っていくベースラインは、リズムとメロディーがポイントになります。
ベースのメロディーについて
メロディーに使う音ですが、このチュートリアルのデモソングで用いている「C#ドリアン・スケール」内であれば、どれでもOKです。


どの音を使うかはセンスやひらめきによりますが、曲作りに慣れるまでは、各コードのルート音である1度をメインに、3度と5度を意識するのが、安定したベースラインを作るコツです。
たとえばコードがC#mのときは、C#①,E②,G#③の音です。


ベースのリズムについて
使う音がわかったら、今度はリズムを考えてみます。コツとしては、ほかのトラックとの兼ね合い…つまり、ドラムやコードバッキングのフレーズを意識することです。
このあとお示しする作例を参考に、まずは基盤となるフレーズをつくり、ノートの長さを変えたりタイミングをずらしたりして、ベースライン作りを楽しんでください!
ベーストラックを打ち込んでみよう
以上を踏まえて、かんたんなフレーズづくりからはじめましょう。はじめにDublinのプリセットから、シンセベースにふさわしいプログラムを呼び出します。
SOUND PROGRAM①をタップし、17. Pick Bass②を選んでください。


ピアノロールをScale On③にすると、このチュートリアルのデモソングで使っているC#ドリアン・スケールの音だけが表示され、便利です。




Drawモード④に切り替えます。今回のベースラインも「ステップ入力」で打ち込んでいきます。




基本的なフレーズを打ち込む
まずは1 Barで、こんなフレーズ①を打ち込んでみましょう。この小節のコードはC#mだったので、とりあえずルート音(1度)のC#だけに打ち込みます。




2 Barに移動②し、フレーズ③を打ち込みます。2小節目のコードはF#だったので、ここでもルート音F#を打ち込みます。コードトラックとの兼ね合いで、2.4だけパターンが違うことに注意しましょう。




3 Barに移動④し、フレーズ⑤を打ち込みます。ノートの配置は1 Barと同じですが、音程を3小節目のコードD#mのルート音D#にしています。




そして4 Barに移動⑥して、4小節目のコードG#mのルート音G#に、こんなフレーズ⑦を打ち込んでください。区切りとなる4小節目でパターンを変え、アクセントをつけてみました。




これで、基本的なベースフレーズができました!ベーストラック最初のチュートリアルは、一旦ここまでにしておきましょう。
次回は、基本的なフレーズに音の高低をつけたり、長さを変えたりして、かんたんなベースラインを作っていきます。




