KORG Gadgetとは? 〜あなたがKORG Gadgetを選ぶべき3つの理由〜
KORG Gadget(通常コルガジェ)は、株式会社コルグが開発する音楽制作アプリです。
ガジェットと呼ばれる、シンセやドラムマシン、サンプラーといったバーチャルソフト音源を組み合わせて楽曲制作を行えるのが最大の特徴。
そして、あらゆるユーザーフレンドリーな仕組みにより初心者には優しく、慣れてくると本格的なトラックメイキングに対応する、奥の深いオールイン音楽制作環境です。
老舗電子楽器メーカーであるコルグの優位性を活かした膨大な音色群も持ち味。KORG M1やMS-20といった名作シンセを含む、ユニークなガジェット音源を44種類まで拡張できます。
さらには、各ガジェットに対応する追加ライブラリーもリリースされています。
ラインナップは、当ガイドで取り上げるiOS版(for iOS)の他、Mac版(for Mac)、MacやPCの他社製DAWでもガジェット音源を使えるプラグイン版(for Plugins)、そしてビデオゲーム・プラットフォームであるNintendo Switch版(for Nintendo Switch)が展開されています。
ここからは、あなたがKORG Gadgetを選ぶべき3つの理由を簡単に述べていきましょう。
理由① 初心者に優しい、軽快かつ直感的なユーザーインターフェース。
iPhoneやiPadといった、モバイルデバイス上での音楽制作に特化したUIを採用。
「iPhoneで音楽制作?」と思われるかもしれませんが、あの画面サイズでも十分にトラックメイキングを楽しめます。
実際、iPhoneだけでハイクォリティーなオリジナル楽曲を作るユーザーはたくさんいます。
それでいて、基本的な制作フローはPCにおけるDAWと同じ。
ただKORG Gadgetがユニークなのは、DAWが空白トラックを作成してから扱うソースを指定するのに対し、コルガジェはタッチパネルで使いたいガジェットを選択するだけ。この時点で音楽制作のワークフローが一手、軽くなっています。
ユーザーが追加したトラックには、選んだガジェットに応じたエディット画面が自動セットされます。
シンセサイザーのガジェットならお馴染みのピアノロールですし、ドラムマシンであればリズム入力に特化したグリッド画面、レコーダーの場合はオーディオ波形を取り扱うための表示画面…といった具合。
ユーザーはこれらのエディット画面上で、スイスイ打ち込みを行なっていきます。
理由② 各種エフェクト完備。テンポチェンジやフェード処理など、DAWとしての基本機能に抜かりなし。
打ち込んだ演奏データはミキサーセクションでミキシングを行います。
トラックごとに用意されるフェーダーモジュールには、音量レベルを調節するスライダーや、ステレオ定位を定めるパンポットはもちろん、一般的なDAWと同じくSoloやMuteボタンも搭載。
リバーブへのSENDレベルも調節できますし、さらにはEQやコンプレッサーといった14種類のインサーション系エフェクトを、1トラックにつき5系統まで適用できます。
トラックに変化や抑揚を持たせるための機能も充実していて、たとえば曲全体にグルーヴ感を持たせるスウィング機能や、徐々に早めたりスローにできる曲途中でのテンポチェンジも可能。
曲全体のフェードインやフェードアウトを、どの局面(シーン)からでも行えます。
また、曲途中での拍子変更にも対応。ユーザーは5拍子や7拍子といった変拍子を簡単に適用可能です。
しかも「イントロ」「Aメロ」「サビ」といったシーンごとに指定できるので、プログレッシブロックのような展開も思いのまま。
ちなみにこうした拍子変更は、KORG Gadgetと同じ有力音楽制作アプリであるGarageBandでは記事執筆時点で実現不可能。変拍子を積極的に行いたいトラックメーカーは、KORG Gadgetを選ぶほかありません。
理由③ iOS音楽制作環境では圧倒的。膨大なガジェット楽器&音色群、そして高品位サウンド。
ここまででKORG Gadgetの持つポテンシャルが理解できたと思いますが、いよいよコルガジェ最大のストロング・ポイントであるハイクォリティーなサウンド面と豊富なガジェット楽器群について述べましょう。
KORG Gadget 2 for iOS購入すると20種類の標準ガジェットが付いてきますが、アプリ内課金アイテムを加えるとなんと全44種類まで拡張可能。
外部からWAVファイルを取り込んでトラックメイクに使えるワンショット・サンプラーや、ドラム系ガジェットもデフォルトでは補完が難しいアコースティックなものから、コルガジェ自慢のゲーミング・ガジェットであるナムコやタイトー、セガ音源といった、実にユニークなガジェットが揃います。
そしてお待ちかね、コルグの名機を再現するガジェットの存在について。
KORG M1のガジェット版は単体だけで総プログラム数3,300(!)を誇り、伝説の4VCOアナログシンセKORG Mono/Polyは基本性能の再現のみならず、現代位的にブラッシュアップされた優れもの。
他にもMS-20やPolysix、WAVESTATION、さらにはARP ODYSSEYまで。
国産の老舗電子楽器メーカーであるコルグの矜持をも感じさせる、渾身のラインナップといえましょう。
肝心のサウンド面に着目すると、全体的にダンスミュージック向けなパワフルで押しの強い味付け。
明快でクリア、かつ存在感のある出音です。
しかし近年では、別の高品位音楽演奏アプリKORG Module Pro譲りである、極めて丁寧にチューニングされた器楽系ガジェットも充実。
これにより、KORG Gadgetは管弦楽やオーケストレーションに対応します。極め付けは、DAW界きってのプレミアムグランドピアノIvoly2までリリースされています。
以下にガジェット早見表を掲載しますので、ご参考にしてくださいませ。
iCloud同期や外部連携にも対応。KORG Gadgetは「オープンワールドDAW」だ!
以上、KORG Gadgetを選ぶべき理由をフォーカスしてご紹介しました。
他にもiCloud同期により、自宅ではMac版、出先ではiOS版という極めて現代的なワークフローを実現できたり、さまざまな外部連携機能を搭載。
その極め付けは、KORG Gadgetで作ったプロジェクトを、Ableton Live上で完全再現できる超高度なエクスポート機能です。
有力DAWの一角であるAbleton Liveユーザーは、iOSデバイスでのサウンドスケッチ用としてKORG Gadgetをチョイスするのが得策でしょう。
タッチパネル上で直感的な操作を実現しますが、さらにBluetooth接続のフィジカルコントローラーにも対応。KORG microKEY Airを使うと実際の鍵盤でガジェットを演奏できるなど、コルガジェに特化した周辺機器も充実しています。
ギタリスト、ベーシストであるあなたにもKORG Gadgetはお薦めできます。それは外部入力に対応するギター、およびベースアンプ・シミュレーターが存在するから。音楽制作アプリとして一切の隙もありません。
そんな魅力いっぱいのオールイン音楽制作環境KORG Gadget。次回からは完全操作ガイドと銘打ち、逆引き辞典としてお届けします。ご期待ください!
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