KORG Gadget 追加サウンドパック特集 2021 〜鍵盤5楽器編〜

この記事では、KORG Gadgetの高音質鍵盤楽器ガジェット Salzburg(ピアノ)、Montreal(エレピ)、Glasgow(マルチPCMキーボード)、Alexandria(オルガン)、Firenze(クラビ) に対応する追加サウンドパックを紹介していきます。

Fairbanks(ハイブリッド・シンセ)の追加パックは、こちらをご覧ください。

KORG Module自慢の「高品位サウンド」をGadgetで。

今回紹介するのは、iOS楽器演奏アプリ KORG Module の鍵盤楽器に対応する追加ライブラリーです。

KORG Moduleに搭載された鍵盤楽器の一つ「アコースティック・ピアノ」

KORG Moduleは「楽器演奏専用アプリ」だけあり、収録されたサウンドが極めて高品位なのが特徴。たとえば「グランドピアノ」音色一つとっても、繊細な音質もさることながら鍵盤一つ一つにベロシティ・レイヤーが幾重にも施されています。こうしたこだわりによって、リアルで表情豊かな演奏を楽しめるのですね。

そんな6種類の鍵盤楽器を備えた KORG Module をインストールすると、なんと KORG Gadget にも同じ音源が「ガジェット楽器」としてアンロックされるというわけです。 

KORG Gadget “Salzburg” のガジェット・パネル

そして、それぞれのガジェットに対応する豊富な「追加サウンドパック」が多数用意されているので、ユーザーは好みのサウンドを選び増強することが可能。

この記事では、そんな「追加サウンドパック」を、ガジェット別にガイドしていきます。

❗️Attention
KORG Gadget 2 for MacKORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC では、「Ivory Mobile Grand」「Ivory Mobile American D」「KApro Orchestral Dreams」「KApro Dreamy Synth」「KApro Monumental Choir Dreams」「SCARBEE Classic EP-88M」を使用することはできません。

デジタル・ハイブリッド・シンセ「Fairbanks」について

KORG Moduleにはリリース以来、5種類の鍵盤楽器が搭載されていましたが、最近になってデジタル・ハイブリッド・シンセサイザーという「第6の鍵盤楽器」が追加投入されました。

KORG Moduleの新楽器「デジタル・ハイブリッド・シンセサイザー」

このシンセのガジェット版が Fairbanksよりエフェクティブで、電子楽器としての側面が強く押し出されたサウンドです。

そうではなく、求めるサウンドの傾向が「生楽器系」であるなら、このページで取り上げる5つのガジェットをチェックするのが良いでしょう。

追加サウンドパック購入方法

個別のサウンドパックを紹介する前に、それらの音色をKORG Gadgetに追加する方法を説明しておきましょう。

この記事で紹介するサウンドパックは、すべてKORG Moduleアプリの「Store」で購入します。

まずは、KORG Moduleアプリ画面右上の「Store」をタップ。


追加ライブラリーの紹介画面に移ります。


再生ボタンをタップすると、そのサウンドパックが使われているデモソングを試聴できます。

気に入ったら「購入する」をタップしましょう。画面中央に表示されるApp Storeにて支払い手続きを行なってください。


手続き完了後にアプリを再起動すると、KORG Moduleに新たなプログラムが追加され、KORG GadgetのFairbanksでも、Moduleと同じプログラムが追加されます。

なお、新たにリリースされたサウンドパックを購入するには、KORG ModuleとGadgetアプリを両方ともアップデートする必要があります。

Salzburg(アコースティック・ピアノ)用 追加サウンドパック

お待たせしました。ここからは2021年5月現在、12種類ほど用意されている追加サウンドパックを紹介していきましょう。

まずは「アコースティック・ピアノ」をガジェット化した Salzburg (ザルツブルク)対応のエクスパンションから。

Ivory Mobile Grand(16プログラム)

いきなりの真打ち登場。米・Synthogy社が放つ定番、かつ最高級グランドピアノ・プラグイン Ivory が、KORG Moduleに登場。

こちらは Ivory II Grand Pianos という、PCのDAW向けインストゥルメント・パッケージに収録されたグランドピアノのうち、スタインウェイ社製 German Steinway D Concert Grand を移植したもの。サウンドライブラリーでありながら、iOSデバイスへの導入に2GB(!)を要するという、圧倒的なスケールです。

丁寧に調整されたピアノを、プロエンジニアにより、最高の録音環境で収録されたサウンドは、生々しい存在感を醸し出しつつもクセのない表情。

それゆえソロ演奏で映えるのはもちろん、映画音楽や劇伴制作、バンドサウンドに至るまで、幅広いジャンルに対応するでしょう。

世界中のプロミュージシャンが愛用するIvory。KORG Gadget に追加可能なサウンドパックの中でも、ずばり「目玉」と言えるライブラリーです。

Ivory Mobile Grand ¥3,680

Ivory Mobile American D(20プログラム)

こちらもPCのDAW向けプラグイン Ivory シリーズから移植された、最高級のグランドピアノ音源。

先ほど取り上げた Mobile Grand と同じくスタインウェイ社製ですが、こちらはアメリカンなピアノらしくブライトで力強い、どこかカラリとした感触。陽気なキャラクターからか、ネットでも人気のプラグインみたいですね。

プリセットに関しても、クラシックな「グランド」の他、「Jazz Club」「Pop」「Rock」「Ballad」など、より多彩な印象です。

それでいてクセのない素直なサウンド。こちらもジャンルを問わず使えると思います。Ivory Mobile Grand と併せたりして、お好みで使い分けるのも楽しいでしょう。

Ivory Mobile American D ¥3,680

Montreal(エレクトリック・ピアノ)用 追加サウンドパック

エレクトリック・ピアノ Montreal(モントリオール)。そのライブラリーは3種類用意されていますが、それぞれ全く違う性格。順にチェックしていきましょう。

Wurley Electric Piano(14プログラム)

Wurlitzer Electric Piano(ウーリッツァー・ピアノ)と呼ばれる、フェルトハンマーで金属片を叩いて発音する方式のエレクトリック・ピアノ。

激しく演奏すると鋭く、パンチの効いたトーンとなり、穏やかに演奏すると切なくとろけるような、まるでビブラフォンを思わせる甘い響きを得られます。筆者としては、この二面性が持ち味だと感じました。

こうした演奏スタイルに応じた音色変化を表現するため、このライブラリーでもベロシティ・レイヤーを多段階に搭載。ウーリーらしい、リアルな演奏を楽しむことができます。

もちろん一音一音、ノンループでサンプリングされているので、サスティンの減衰具合も実に自然。音色に派手さはありませんが、真のエレピ好きのためのパッケージに仕上がっていると思います。

Wurley Electric Piano ¥1,220

80’s Electric Piano(30プログラム)

こちらは80年代に大流行した、都会的な響きを持つエレクトリック・ピアノを集めたサンプルパック。

まず目を引くのは、YAMAHA DX-7に代表されるデジタル・シンセサイザーによって作られたエレクトリック・ピアノ音色群。極めて金属的で煌びやかな響きを持つFMエレピは、機械的なメカニズムで発音するウーリーやローズとは全く異なる味わい。そのクリアなサウンドは、シティ・ポップやバラード楽曲で多く使われました。

他にもエレクトリック・グランドと呼ばれる、ハンマーで弦を叩き、その振動をピックアップで増幅して発音する「電気ピアノ」も収録。この YAMAHA CP-80 でお馴染みの明快なサウンドは、ウーリーでもなくローズとも違う、底抜けに明るいキャラクターです。切ない響きのエレクトリック・ピアノにあって、まさに異色の存在感。

そして既存のエレクトリック・ピアノの音色を大胆に加工し、よりシャープにリボーンされたプログラムや、それらをレイヤーしたサウンドも収録。

洗練されたユニークなエレピをお求めなら、ぜひチェックしたいサウンドパックです。

80’s Electric Piano ¥2,440

Classic EP-88M(20プログラム)

元々は Classic EP-88S という、デンマークSCARBEE社製のKONTAKT用バーチャル・インストゥルメント。それが、 KORG Module に EP-88M として移植されました。

1970年代中頃に製造されたローズ・ピアノ(Rhodes Piano)と呼ばれる、音叉をハンマーで叩いて音を出す方式のエレクトリック・ピアノです。

それゆえ、穏やかに演奏すると正弦波に近い丸いトーン強く演奏するとベルに近い独特の響きを得られ、ウーリッツァー・ピアノ「Wurley Electric Piano」に比べると非常に華やいだ音色。プリセットもエフェクティブに作り込まれており、全体的に派手めな印象です。

このように同じエレクトリック・ピアノと言えども、どのライブラリーも持ち味が全く異なります。エレピ好きなら、全部揃えたくなっちゃいますね。

Classic EP-88M ¥2,440

Glasgow(マルチPCMキーボード)用 追加サウンドパック

プレイバック・サンプラーとして、多くのライブラリーに対応する Glasgow。メロトロンからオーケストラまで、あらゆる傾向のサウンドをカバーします。

Mellow Tape Keyboard(20プログラム)

キング・クリムゾンや「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のイントロでお馴染みのメロトロンを多数収録した、マニアックなサウンドパック。

メロトロンは1960年代に製造された、鍵盤一つ一つに仕込まれた磁気テープに、フルートやストリングス、コーラスなどを録音して演奏(再生)する鍵盤楽器。サンプラーの祖先のような存在です。

とにかく哀愁漂うメロウな響きが特徴。このライブラリーを楽曲に起用すると、トラックが一気に枯れた雰囲気になります。本当に強烈な存在感。

Tape Flute や Violin といったメロトロンとしての定番サウンドはもちろん、ピアノやエレピ、果てはメロトロン同士を大胆にレイヤーしたプログラムもあり、どれも実にユニーク。

Marseilleの「TAPE3兄弟プログラム」(STRINGS,VIOLINS,FLUTE)が好きで、それだけでは飽き足らないあなた。ぜひチェックしてみましょう!

Mellow Tape Keyboard ¥1,220

TRITON Best Selection(100プログラム)

KORGの名作ミュージック・ワークステーション TRITON(トライトン)の中から、厳選100プログラムが収録されたサウンドパック。

90年代のJ-POPで用いられた「ド定番」とも言えるサウンド群で、誰もが絶対に聞いたことのある音色が並びます。どの音色もハイファイかつシャープ。

取り扱うサウンドは幅広く、ピアノ4、エレピ6、オルガン9、クラビ3、ストリングス/コーラス系12、ブラス/ウインド系11、ギター系7、ベース7、シンセサウンド20、そしてジ・アーザー音色11ベルとマレットだけで10プログラムもあります。これだけ揃っていれば、音色選びに困らないのではないでしょうか。

数々のヒット曲を生み出した TRITON サウンドを KORG Gadget で。とにかくボリュームがあるので誰もが手を出しやすく、お買い得なサウンドパックと言えましょう。

TRITON Best Selection ¥2,440

Dreamy Synths(63プログラム)

ここからの Dream シリーズ3パッケージは、KORGのミュージック・ワークステーション KRONOS 向け拡張音色ライブラリーの移植版。いずれもKApro社によるものです。

はじめに紹介する Dreamy Synths は、往年に活躍したヴィンテージ・シンセ・サウンドをコレクションしたライブラリー。

1970年代中頃に多くの楽曲制作で使われた、アナログ・ポリシンセの名機による、有名なストリングス、ブラス、パッドサウンドが充実しています。どれもパワフルかつ温かみのある出音で、アナログシンセの王道をゆくコンサバティブなサウンド。Prophet-5Oberheim あたりの音色を彷彿とさせてくれます。

他にも、デジタルシンセによる抽象的なサウンドスケープドローンも収録。キーひとつひとつに違う声がアサインされたコンピューター・ボイスは、便利な飛び道具としても使えるでしょう。

どのプログラムも音色として完成されており、シンセサイザーとしての音作りは一切不要。間違いのない定番サウンドは、トラックメイクにおいて即戦力になること請け合いです。

Dreamy Synths ¥2,440

Orchestral Dreams(60プログラム)

今までKORG Gadgetにはなかった、本物のオーケストラ・サウンドが収録されたライブラリー。それだけでも大変意義のあるパックですが、音質的にも妥協なき仕上がりとなっています。

弦楽器の合奏であるストリング・アンサンブルをメインに収録されていて、そのバリエーションは非常に豊富。大規模編成のオーケストラが一度に奏でる Tutti(トゥッティ)は、ベロシティを上げるとホーンや打楽器などが次々レイヤーされるユニークなプログラム。一方、少人数の室内管弦楽団による Chamber Quintet(クインテット。弦楽五重奏団)といった、異なるスケールのアンサンブルも収録されています。

様々な奏法も再現。歯切れの良い Staccato(スタッカート)や Spiccato(スピッカート)、滑らかに音を繋げる Legato(レガート)、輪郭のはっきりした Marcato(マルカート)なんてのも。あらゆるストリング・アンサンブルが網羅されています。

また、トラックに花を添える可愛らしいピチカートや、壮大で緊張感あふれるクワイヤ、オーケストラに欠かせない打楽器も充実。9種類ほど用意されたコンサート・オルガンは、どれも荘厳な響きです。

リアルなオーケストレーション・サウンドを活かした映画音楽作りはもちろん、チェンバーやクインテット系アンサンブルはポップスにもベストマッチ。あらゆるジャンルに使い回せる、ぜひとも手に入れたいサンプルパックです。

Orchestral Dreams ¥2,440

Monumental Choir Dreams(84プログラム)

クワイヤ…つまり「聖歌隊」による合唱サンプルを集めた、こだわりのサウンドパック。

男声、女声、男女混声合わせて84あるプログラムは、どれもサスティンが長く取られ、とても丁寧にサンプリングされています。元々 KORG KRONOS のライブラリーだけあり、さすがのクォリティー。

サウンドの傾向としては、ポップスのコーラスというよりも、教会やコンサート・ホールで高らかに歌い上げられるようなエピックな雰囲気です。

クワイヤ専用ライブラリーですが、そのバリエーションは豊富。スタッカート唱法やジャジーなVOX系サンプルもあり、いわゆる「飛び道具」的な使い方もできると思います。

シネマティック系クワイヤも用意されているので、Orchestral Dreams など他のライブラリーと組み合わせての映画音楽劇伴制作に最適。あらゆるジャンルで使っても、トラックに荘厳な緊張感をもたらすことができるでしょう。

Monumental Choir Dreams ¥1,840

Module Performance Expansion(62プログラム)

こちらは、少し特殊なエクスパンション。KORG Module にパフォーマンス向けの機能を追加する拡張パックです。

具体的には、異なる楽器の音色を重ねるレイヤーモードの実装。「ピアノ+エレピ」「フルート+ストリングスアンサンブル」といったように、Module で別のプログラム同士を重ね合わせて演奏することが可能となります。

他にもスプリットモードという、一つの鍵盤で複数のプログラムを演奏できる機能も。左手の音域の鍵盤にはベース、その他の鍵盤にはピアノ…といった使い方ですね。

さらには、MIDIコントローラーでModuleを操作できるようになる MIDI CC# Learn 機能も搭載されます。

さて、ここまで述べてきた追加機能の実装はあくまで KORG Module でのこと。KORG Gadget ユーザーが Module Performance Expansion を購入するメリットは、先に述べたレイヤー/スプリットソースとしての62音色が、Gadget にも追加されることでしょう。

その内容は、ストリングス/コーラス系10音色、ブラス/ウインド系12音色、シンセ系16音色、ベル/マレット系10音色、ギターやハープなど弦を弾く楽器6音色、そしてベース系8音色。ごく一般的なラインナップですがそこは Module。どれもレベルの高いプログラムで、Nylon Guitar など無視できない音色もあります。

それらのリッチな音色群を使いたい方はもちろん、Gadget と同じく Module もガンガン活用するユーザーであれば必携のパックと言えます。

Module Performance Expansion ¥3,680

Alexandria(オルガン)& Firenze(クラビネット)用 追加サウンドパック

オルガン Alexandria と、クラビネット Firenze 向け追加ライブラリーは、一つのパッケージに統合されています。

Organ & Clav Collection(52プログラム)

標準搭載のプログラムに飽き足らないオルガン、またはクラビネット奏者は、是非チェックしたいサウンドパック。

まずオルガンですが、このパックを導入すると新たに42音色が追加されます。通常の Alexandria に用意されたオルガンは18種類ですから、なんと計60プログラムにパワーアップ

内容としては、ほぼドローバー(ハモンド)オルガンで占められます。VOX系コンボ・オルガンや、パーカッシブなサウンドも充実。

音色も陽気なものから、倍音成分をたっぷり含んだピーキーなものまで様々なキャラクターのオルガンが手に入ります。ユニークなものとしては、派手にオーバードライブがかかった荒々しいオルガンや、50年代のエレクトリック・オルガンを再現したという非常に渋い代物も。学校の教室にあった、あの足踏み式のリード・オルガンなんてのもありますよ。

少ないながらパイプ・オルガンも加わります。控えめな響きのポジティフ・オルガンや、チープなOld Pipeなど。どれも追加音色だけあって実にユニーク。

そしてクラビネットは10プログラムが追加。元々のクラビにトレモロやワウ、フランジャーなどを効かせた、どれもエフェクティブなサウンドが多い印象です。

Organ & Clav Collection ¥2,440

どれもユニークなサウンドパック。まずは「無料試用」で体験しよう。

今回は、KORG Moduleで買える追加サウンドパックを紹介しました。

ガイド記事としては少々長丁場となりましたが、それだけ充実したラインナップと言うこと。あなた好みのサウンドが見つかると幸いです。

しかし、どれも魅力的な別売音色。あれこれ試したいけどお金が足りないよ!というあなた…だいじょうぶ。ちゃんと7日間ほど無料で試せるサービスがあります。

KORGが贈る、珠玉のエクスパンション・ライブラリ群。じゃんじゃんダウンロードして、未知なる音世界を探求してみましょう。

それではまた。Have a nice trip. ciao!

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