最初にチェック!快適に使うための「KORG Gadget」初期設定(iOS編)

KORG Gadgetにむずかしい初期設定はいりません。すぐに曲作りを楽しむことができます…とはいえ、トラックメイキング・ライフを快適に送るため、あらかじめ知っておくと便利な設定項目があります。
そこで今回は、初心者の方向けにはじめにチェックしておきたい初期設定を解説。すでにコルガジェに慣れ親しんでいる方も、「気づき」のキッカケになれば幸いです。
まず覚えよう。コルガジェの設定画面はこの2種類!
KORG Gadgetの設定は、アプリ内で行う設定と、iOSの設定アイコンから行う2通りがあります。
① アプリ内で行う設定
メイン画面右上にある歯車ボタンをタップすると、設定という吹き出しが現れます。

nanoKEY StudioやmicroKEY AirといったBluetoothコントローラーを使うときや、MIDI関係の設定が並びます。これらは初期設定というよりも、必要となったときに使う項目です。
② iOSの「設定」で行う設定
①に比べ、より幅広い設定を行えます。この記事で紹介するのは、ここで行う設定です。
KORG Gadgetの設定画面へアクセスするには、他のアプリと同じようにiOSの設定アイコンをタップ。

左手に表示されたアプリのリストを下へスクロールさせ、Gadget 3を探してください。タップすると、右手に設定項目が表示されます。

この設定をGadgetアプリから呼び出すには、歯車ボタン→設定ポップアップの一番下にあるその他の設定をタップしましょう。

「KORG Gadget」初期設定一覧(3段階評価)
ここからは、KORG Gadgetの初期設定項目を解説します。
ぜひチェックしておきたい項目に◎をつけました。また、注目したい順に◯・△をつけましたので、参考にしてください。
◎ Audio Latency|バッファ・サイズを設定する
KORG Gadget全体のバッファ・サイズを定める項目です。単位は「サンプル」。バッファとは、CPUが処理を行ったオーディオデータを、一時的に保存するエリアのことです。

設定値 | メリット/デメリット | |
---|---|---|
128 | 打鍵時の反応が早くなる ↑ | | | | ↓ 打鍵時の反応が遅くなる | プチノイズが発生しやすい ↑ | | | | ↓ 旧型デバイスでも動作する |
256 | ||
512 | ||
1024 | ||
2048 |
バッファ・サイズを大きくするとCPUへの負荷が軽くなり、同時に再生できるトラックを増やすことができます。古いiPadやiPhoneを使うときに役立つでしょう。
その一方で、鍵盤をおさえてから音が鳴るまでの反応が遅くなります。この状態を「レイテンシーが高い」といいます。
逆にバッファ・サイズを小さくすると、遅れが抑えられて素早く反応します。
かわりにCPUに負荷がかかるため、古いiPadやiPhoneではノイズや音の途切れがおきます。
よほど旧型のiOSデバイスでない限り、バッファサイズ512が、音切れ、レイテンシーとも気にならない値でしょう。
最新モデルをお使いの方や、レイテンシーを抑えて正確な演奏を行いたいときは、256や128でも大丈夫。制作中にプチノイズが出はじめたら、バッファサイズを大きくしてあげましょう。
◎ Background Audio|アプリを切り替えてもプレビューできる

Background Audioをオンにすると、他のアプリに切り替えても、KORG Gadgetのサウンドがプレイされ続けます。
つねにサウンドチェックを行えるので便利な一方、バックグラウンド処理のためバッテリー切れが早くなるかもしれません。
△ Network MIDI|同じWi-Fi内で同期演奏できる

Network MIDIは、同じWi-Fiネットワークにあるデバイス同士で、MIDI信号をやり取りする技術。たとえば、PCのDAWと、iPhoneのKORG Gadgetを、同時にプレイできたりします。
アプリに慣れてくると魅力的な機能ですが、はじめてKORG Gadegtで曲作りをする方は、しばらくこの設定は不要でしょう。
△ Metronom Count-in|メトロノームカウントを設定する

リアルタイム・レコーディングを行う直前に鳴るメトロノームのカウント数を設定します。
デフォルトは1 Bar(1小節分)。すぐに録音したければOffにし、余裕を持ってスタンバイするには2 Barにすればよいでしょう。
◎ Knob Gesture|ノブの回し方を選ぶ

KORG Gadgetで扱うさまざまなノブ(ツマミのこと)を、タッチパネル上でどう動かすかを設定します。
Linerを選ぶと、ノブの上で上下方向へドラッグして回すことができ…

Rotaryにすると、実際にノブを回す動きで回ります。

Rotaryの方がより現実的ですが、小さいiPhoneでは操作が難しいかもしれません。RotaryとLinerを両方ためしてみて、あなたに合った回し方を選びましょう。
○ Hide Status Bar|ステータス・バーを隠す

iOSのステータス・バーを表示するかどうかを選びます。


アプリを操作しているときに、時間やバッテリーを気にしない方はオンにしましょう。
◎ 1 Finger Scroll|ピアノロールのスクロールを「一本指」で行う

エディット画面で、タテまたはヨコへ一本指でスクロールしたければOnに、二本指でスクロールしたければOffにします。


この設定は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
1フィンガーモードのメリットは、片手でiPhoneを持ちながら、親指だけでスクロールできること。

デメリットは、ノートを置くのと同時に、レングス(長さ)を伸ばせないことです。
1フィンガーモードで長いノートを打ち込みたいときは、その場所で少し長押ししてから右へドラッグしましょう。
逆に2フィンガーモードでは、すぐに自由な長さのノートが置けて軽快になる代わりに、片手持ちのままスクロールさせることが難しくなります。
△ Disable Ripple Animation|「波紋アニメ」を無効化する

Ripple Animationは、ガジェット楽器の鍵盤やパッドをタップしたとき、その動きに合わせて軌跡を表示する演出です。

波紋が流れるような動きは美しく、見ていて気持ちいいですね。
演奏を動画でアップするときも、視聴者に「今どこの鍵盤を演奏しているか」を知ってもらえて便利です。
設定名にあるDisableは「無効にする」という意味で、Onにするとアニメーションしなくなります。
◯ Disable Auto-Lock|「オートロック」を無効化する

Disable Auto-LockをOnにすると、KORG Gadgetが起動している間は、iOSの自動ロック機能が効かなくなります。しばらく操作しなくてもiPhoneやiPadがスリープせず、ロック解除のメンドウから解放されるでしょう。
一方で、できるだけデバイスのバッテリー切れを防ぎたい方はOnにしてください。
◎ native mode|「ネイティブ・モード」を有効化する

native modeをOnにすると、コルグのコントローラーを接続したときにネイティブ・モードとなります。コントローラーのノブなどに、KORG Gadgetを操作する上でぴったりな設定が割り当てられます。
一方で、コントローラーの機能を自由に割り当てたいときはOffにしてください。これは中・上級者向けの設定です。
△ Enable Analytics|ユーザー解析を送信する

日本語に訳すと、使用データは、このアプリを改善するために匿名で送信される。となります。
この設定を受け入れるかは自由ですが、KORG Gadgetのブラッシュアップのため、ユーザーとしては出来るだけ協力したいものです。
「初期設定」は快適操作のカギ。いますぐチェックしよう!
今回は、KORG Gadget for iOSの初期設定について解説しました。
設定画面は、項目名も説明も英語でとっつきにくいのですが、この記事では「目的から逆引き」できるように書いたつもりです。ぜひお役立てください。
ちなみに、この記事をアップするのに先立ち、「コルガジェ・ユーザーの皆さんは、一体どんな設定で使っているか?」という2つのアンケートを、X(当時はTwitter)上で実施しました。
KORG Gadgetユーザーに質問!あなたはツマミを回す操作を、Liner(上下方向)とRotary(円周方向)のどちらで行いますか?#コルガジェ
— くらんけ@gadget-junkies.net (@Gadget_Junkies) 2018年4月6日
KORG Gadgetユーザーに質問!「あなたはピアノロールを、どちらの設定でスクロールさせますか?」
【メリットとデメリット】
1本指:iPhone片手持ちで便利だが、ノートのレングスを書くのにワンクッション置く必要あり。
2本指:ノートのレングスを素早く書けるが、片手持ちで不便。#コルガジェ— くらんけ@gadget-junkies.net (@Gadget_Junkies) 2018年4月11日
さて、KORG Gadget「超・初心者向け」講座のセットアップ編は、これにて終了。お疲れ様でした!
続いて、実際にデモソングを開いてプレイする新チュートリアルに移りましょう!
