KORG ModuleとModule Proの違いって?

iPhoneやiPadをプレミアム楽器に変貌させるiOSアプリ・KORG Moduleには、無料版のKORG Module(以下「無印版」)と、KORG Module Pro(以下「Pro」)の2種類が用意されています。
この記事では、違いが少々分かりにくい両アプリを分かりやすく解説していきます。どちらのKORG Moduleを入れようか迷っている方は必見!
使えるiOSデバイスの違い

KORG Module | iPad Air / iPhone5s 以降の 64bit デバイス |
KORG Module Pro | iPad Air / iPhone5s 以降の 64bit デバイス |
まずは対応するiOSデバイスから。これについては無印版もProも変わりません。より快適に使うためには、最新のiPadやiPhoneが望ましいのは言うまでもありませんが…
価格の違い

KORG Module | 無料 |
KORG Module Pro | 6,400円 |
フルバージョンのPro、無料試用版の無印であることは価格面が物語ります。トラック数などあらゆる制約のかかった無料お試し版 KORG Gadget Leとの関係性に近いですね。
ここからは、無印版とProの違いについてスペック面から探っていきましょう。
総プログラム数の違い
KORG Module | 1プログラム+エクスパンション・サウンド・ライブラリー |
KORG Module Pro | 130プログラム+エクスパンション・サウンド・ライブラリー |
無印版とProの差が際立つのは、デフォルトで使用できるプログラム(音色)数。無印版はあくまで「お試し」的な位置付けゆえ、演奏できるのはアコースティックピアノのNatural Grandのみ。とはいえ、そのサウンドは名刺がわりの高品位さです。iOSデバイスでの楽器演奏に興味を持ったら、まずは試してみる価値アリ。
それに比べProは、最初から6種類の鍵盤楽器に、130ものプログラムが選択できるリッチ仕様です。無印版を試し、気に入ったらProに移行するのが良いですね。
ただし無印版でも、アコースティックピアノ、エレクトリックピアノ、マルチシンセ、クラビネット、オルガン、ハイブリッドシンセの中から、好きな楽器のみをアンロック可能(各1600円)。つまり全部入りのProに対し、無印版はコストを抑えつつ、好みの楽器だけを買い揃えるといった感じでしょうか。
その他 "Pro" だけに搭載された機能とは
Proにのみ与えられた機能面での優位性は、価格以上の価値をもたらすでしょう。ここからは、無印版にはないスペックを見ていきます。
KORG Gadgetとの連携
これが最も大きなメリット…というか、筆者的には絶対に必要不可欠な要素です。
無印版は正真正銘、アプリ単体でのみ楽しむことができますが、Proを選択すればiOS音楽制作アプリKORG Gadgetと連携可能。つまりKORG Module Proの膨大な音色群が、そっくりKORG Gadgetのガジェット音源でも使用できるという、夢のコラボレーションが実現します。
ちなみにProのアコースティックピアノ、エレクトリックピアノ、マルチシンセ、クラビネット、オルガンはKORG Gadge Glasgow、ハイブリッドシンセはFairbanks上で動作します。
一方で作曲に興味がなく、ひたすら演奏のみを楽しみたい方は、コスパの良い無印版をおすすめします。
AUv3サポートについて
近年のアップデートによってAUv3対応となり、KORG Gadgetだけでなく他のiOS音楽制作アプリ内でも扱えるようになりました。
こちらはiOS版GarageBand上で、KORG Moduleが動作する様子。
無印版も一応AUv3に対応しますが、デフォルトで使える音色はグランドピアノ1つだけ。Moduleサウンドを他社製アプリでも使いたいなら、最初からProを選ぶ方が賢明かもしれません。
セット・リスト機能
セット・リスト機能により、以下のことができるようになります。
演奏したい曲ごとにプログラムを変更
画像/PDF楽譜表示
内蔵カメラによるメモなどの撮影
メモを書けるテキストエディット
テキストファイル読み込み
「ミュージック」アプリのライブラリから曲を読み込んで再生が可能
曲の再生スピードの変更が可能
このような「演奏に特化した」多彩な機能を手に入れたいなら、Proを選択する以外ありません。
MIDIプレーヤー機能
SMFファイル(スタンダードMIDIファイル)を読み込むことが可能となり、そのデータをPro内の音色で再生することができます。
オーディオ・レコーディング機能
演奏したデータをオーディオファイル化し、それをSoundCloudやDropboxにアップすることが可能。またiTunesファイル共有によって、Mac/PCへのエクスポートにも対応します。
結論としては…
コストを抑えつつ自分の環境をデザインしたいなら無印、機能面を含め最初から全部入りを求めるならProといった感じでしょうか。
無印版でも多くのサウンドや機能は後からアンロック可能なので、まずは無料でミニマムな環境から始め、徐々にアップデートしていく楽しみはあると思います。しかし、ゆくゆくフル装備にしたいと考えるなら、なるべく早い段階でProに移行する方が、結果として支出を抑えることに。
この記事で、無印版とProの違いをご理解いただけたら幸いです。それではまた!