好みのDAWで全ガジェットが使えるGadget Plug-in Collectionのススメ。
KORG Gadgetには「ガジェット」と呼ばれる、約30種類にも及ぶ強力な音源群が搭載されています。
シンセだけでもEDM向け、アシッドハウス向け、チルウェイブ向け、80年代サウンド向け…よりどりみどり。
それに加えてアグレッシブなサウンドメイキングが可能なドラム・マシンや各種サンプラーなど、膨大なコレクションが揃っています。
これらのガジェット音源を、普段愛用しているDAWのプラグインとして使いたい…という要望に答えたのが、KORG Gadget for Macを購入すると付属するGadget Plug-in Collection。
今回はKORG Gadgetを「DAW」としてより「プラグインの詰め合わせ」として使いたい方に向け、その概要をお伝えします。
Gadget Plug-in Collectionの魅力
Gadget Plug-in Collectionの美点について、筆者の主観を述べておきたいと思います。
KORG M1・WAVESTATION・ARP ODYSSEYが最初から使える
膨大なシンセ音色をゲットできる事もさることながら、やはり伝説のビンテージ・シンセが手に入ることが大きな魅力だと思います。
そう、KORG M1、
KORG WAVESTATION、
ARP ODYSSEYが最初から使えるのが素晴らしいです。
これらはKORG Gadget for iOSでは全て有料ガジェットでした。
チップチューン向け音源が充実
KORG Gadgetは傾向としてダンスミュージックに強い音楽制作アプリですが、何気にチップチューン・サウンドも得意としています。
というのも三角波やパルス波、矩形波、果てはノイズなど、ピコピコッとしたファミコンサウンドが持ち味のKingstonというガジェットや…
80~90年代のビデオゲームに広く用いられたFM音源ガジェットChiang Mai、
極め付けは「ゼビウス」や「マッピー」など、イニシエのナムコサウンドをシミュレートした波形メモリ音源Kamataなど、マニアックなガジェットが充実しているから。
これからチップチューンに挑戦したい方にとって、制作環境としてかなりイイ線いっていると思うのですが、いかがでしょうか?
どのガジェットも「押し」が強く音が良い
KORG Gadgetの音色はどれも最初からパンチがあり、音が立っているのでとても便利に使えます。
ヘボいミックスしかできない筆者のような方(苦笑)は下手に調整するより、ガジェットの音を「素」のまま使った方が良好な結果が得られるかもしれません。
なお、ここで取り上げたガジェット以外についても、すべての音源をこちらでガイドしています。
ぜひチェックしてみてくださいね。
Gadget Plug-in Collectionの動作環境
Gadget Plug-in Collectionを導入する前に、動作環境を確認しておきましょう。
以下すべて2017年5月現在の情報です。
対応OS
Mac専用となります(Mac OS X 10.10 Yosemite以上)。
これは元々KORG GadgetがMacのソフトウェアであることから、致し方ないところ。
とりあえずPlug-inだけでも、早急なWindows対応が待たれますね。
動作するDAW
KORG Gadgetと特に相性の良いAbleton Liveを始め、 Logic Pro、GarageBand、Cubase、Digital Performer、Studio One、Bitwig Studio、ProToolsなど。
Macで動作するDAWのほぼ全てに対応しているのではないでしょうか。
プラグイン規格
AU、VST、AAX、NKS。
これも現在の主要プラグイン規格を、ほぼ網羅していると思われます。
ただし64bitのみの対応なので、お使いのDAWが32ビット版の場合は動作しません。
なおNIのファーマットのNKSは、次期バージョンで対応予定との事。
最新の対応情報はコルグさんのサイトでご確認ください。
Gadget Plug-in Collectionの導入方法
動作環境を確認したところで、いよいよGadget Plug-in Collectionの導入方法についてです。
…とは言っても導入に際して、特に何かをする必要はありません。
KORG Gadgetfor Macをインストールすれば、自動的にAUやVSTプラグインとして登録されます。
もし、お使いのDAWで認識されない場合は、プラグインの再読み込みを行いましょう。
繰り返しになりますがKORG Gadget Plug-in Collectionは64ビットのみの対応となるため、32ビットのDAWをお使いの場合は認識されません。そこはご注意ください。
Ableton Liveとの極めて強力な連携が可能に
以上、KORG Gadget for Macにバンドルされるプラグイン群「Gadget Plug-in Collection」について、主に他社製DAWを使っている方向けに紹介しました。
本文中では述べませんでしたが、今回の「全ガジェットプラグイン化」は、KORG Gadgetユーザーにとっても大きなメリットとなる点があります。
それはAbleton Liveとの更なる連携強化。
これまでもKORG Gadgetで作成したソングデータをAbleton LiveへWAVファイルとして渡すことはできましたが、今度はそれに加え「音色情報込み」のMIDIデータとしてエクスポートできるようになりました。
そう、Gadget Plug-in Collectionのおかげで、Live側にもプラグインとして同じガジェットが準備されるのです。
つまりはGadgetのソングデータが、Live上で完全に再現できるようになったのです。
これは極めて画期的な事なので、そのやり方を改めて紹介できたらと思います。
(2017年5月7日追記:この件についての記事をアップしました。こちらをご覧ください!)
それではまた。Have a nice trip!
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして、いつもブログ読ませていただいてます!
KORG Gadgetについて質問なのですが、他のDAWソフトでプラグインとして使用した場合コード機能やスケール機能はMIDIキーボードでそのまま使えるのでしょうか?
画面をクリックする以外の方法があればぜひ知りたいです!
ももた さん
「Ableton LIVE 9」で試したところ、コードもスケールも鍵盤通りに演奏されました。つまり通常のMIDIキーボードでは機能しないようですね。
「KORG nanoKEY Studio」には、それぞれの機能がハード的に組み込まれているので、そちらを検討されてはいかがでしょうか。