nanoKONTROL Studioの使い方①「入門」編。このコントローラーで何が出来るの?
今回から、コンパクトなワイヤレス・フィジカルコントローラー nanoKONTROL Studio を3回シリーズで取り上げます。
1回目の「入門編」は、そもそもnanoKONTROL Studioで何ができるのかや、ツマミやスライダーなど本体各部をご紹介。
次の「セッティング編」では、実際にワイヤレス接続して使い始めるための、初歩的な設定方法について。
締めくくりの「カスタマイズ編」では、nanoKONTROL Studioのカスタマイズや動作モードを、詳しく解説する予定です。
ワイヤレス・フィジコン=コルグ一択?
はじめに、昨今のDTMワイヤレス事情について軽く見ていきましょう。
このところ、PCやiOSデバイスにワイヤレスで接続できるMIDI機器が出始めました。少し調べてみたのですが、Bluetooth MIDIキーボードが数機種リリースされているようですね。
このCME Xkey Airシリーズは、Macのキーボードに似た質感。なかなかスタイリッシュ。
私たちKORG Gadgetユーザーにとっては、Gadgetと高度に連携して動作する「microKEY Air」がベストチョイスでしょう。
microKEY Airについては、こちらの記事で詳しく述べています。
[clink url="https://gadget-junkies.net/?p=2500"]
昔のキーボードのMIDI端子に接続し、ワイヤレス変換できるアダプター「YAMAHA MD-BT01」なんてのもあります。レイテンシーについては要チェックですが…。
このように、少しずつ盛り上がりを見せつつあるワイヤレスMIDIキーボードに対し、ツマミやフェーダーが並ぶBluetoothコントローラーについては、現状KORG社製品の他に見当たらないんです(もし存在するなら教えてください!)。
ということで、もしワイヤレスで扱うことのできるコントローラーをお求めなら、今回取り上げるnanoKONTROL Studioか、以前紹介したnanoKEY Studioがベストチョイスかと思います。
nanoKONTROL Studioで何が出来るの?
数十秒で表現するなら、こんな感じです。
nanoKONTROL Studioで、KORG Gadgetをコントロール。楽しすぎる・・・! pic.twitter.com/j1MAtdPOnm
— くらんけ✈︎KORG Gadgetブログ (@Gadget_Junkies) 2017年10月28日
…nanoKONTROL Studioがいかにコンパクトでワイヤレスで便利か、この動画だけで説明できてしまいますが、一応文章でもまとめておきましょう。
① モバイル/PC両対応のフィジカルコントローラー
KORG Gadgetを始めとする、iOS上で動作する音楽制作アプリを、実際にツマミやスライダーを操作してコントロールできます。
PCにおいては、KORG Gadget for Macはもちろん、Logic・GrageBand・Cubaseなど各DAWにも対応しますし、自動マッピング機能により買ってスグに使うことが可能。
なお、同じワイヤレス・フィジコンに、先ほど触れたnanoKEY Studioがありますが、あちらは「便利なノブやタッチパッドが付いた入力用MIDIキーボード」という感じで、使い勝手にかなりの違いがあります。
② DTM環境のワイヤレス化が実現
モバイル・PC問わず、Bluetoothによる無線接続が可能。
DTMerにとってUSBケーブル/電源ケーブル&アダプターが丸ごと排除できるメリットーそれらのゴチャつきから解放されるスッキリ感ーは、計り知れません。
もちろん電池を使いたくない方や、ワイヤレスの宿命であるレイテンシーが気になるDTMerのためにUSB接続も可能。USBとBluetoothを、パラで同時に使うこともできます。
③ コンパクトで簡単に持ち運べる
とにかくコンパクトで軽いので、MacBookと同じカバンに入れるなどして気軽に持ち運べます。
ライブステージやDJパフォーマンスで威力を発揮するでしょう。
各部の機能
本体を詳しく見ていきましょう。
A4サイズよりも小さいボディーには、スライダーやノブが並ぶミキサーセクション、RecやPlayボタンなどのトランスポート・ボタン群、そしてパラメーターを連続的にエディットできるジョグホイールが搭載されています。
ミキサーセクション
nanoKONTROL Studioの大部分を占めるミキサーセクション。各種ボタンやノブ、スライダーが、8チャンネル分搭載されています。
KORG Gadgetがネイティブ・モードになっていればMute・Solo・Recの各ボタンがGadgetの各機能に対応し、ノブを回すとPanが、スライダーを上げ下げするとフェーダーが連動して動作。
また、nanoKONTROL StudioのRecボタンを押すとGadgetのMIDIランプが点灯し、そのトラックでmicroKEY AirやnanoKEY Studioを使った演奏・コントロールができるようになります。
なおSelectボタンは、Gadgetに対応しないため動作しません。nanoKONTROL Studioを他のDAWで使用する時に有効となります。
トランスポート・ボタン
nanoKONTROL Studioの左コーナーには、録音や再生・停止・ループなどを行う為の操作子が並びます。
ここはボタンが集積されているので、2つに分けて紹介しますね。まずは上側から。
そのすぐ下側に並ぶトランスポートです。
KORG Gadgetで動作するのは、Track・Rec・Stop・Playと、Loopに対応するCycleの各ボタン。
このうちTrackボタンは、フェーダーセクションで操作できるトラックを左右にスライドさせる…というもの。これにより、8トラック以上あるソングでもミキサーコントロールが可能となるわけです。
ただしトラックを移動してもGadget側では何も表示されないので、今どこのトラックにいるのかが非常に分かりにくい。
今いるトラックの「起点」と「終点」を枠表示するなど、何らかのガイド機能を要望したいですね。例えばこんな感じで。
ここで重要なポイントですが、コルグ・ネイティブ・モードにおいてはMarkerやREW/FFなど、KORG Gadgetにその概念がないものは動作しません。
DAWでは、数値入力やロケート位置の調整時に便利なジョグ・ホイールですが、Gadgetに対応する操作が存在しないので、いくらクルクルしても無反応。
nanoKONTROL StudioをCCモードに切り替え、GadgetのネイティブモードをOFFにすることで任意のMIDIメッセージを割り当てることはできますが、そうするとミキサーコントロールができなくなりますね。
コントローラーのカスタマイズについては今度の記事で取り上げますが、Gadgetを快適に使うにはネイティブ・モードをお勧めします。
次回はセッティング編。
KORG nanoKONTROL Studioにフォーカスするシリーズ、1回目はここまで。
次の記事では、nanoKONTROL Studioを使うためのワイヤレス設定などについて掘り下げていきます。
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