意外と簡単!ダブステップに欠かせない「ウォブルベース」の作り方。
昨今のダブステップにおいて、定番サウンドとなっているウォブルベース。
Skrillexが生み出す、まるで怪物が唸っているかのような「ワル」なフレーズは、とてもかっこいいですね。
このウォブルベース。非常に派手で複雑な音色変化を伴いますが、実は簡単に作ることができるんです。
今回は、そんなウォブル・サウンドを、KORG Gadgetで手軽に作る方法を紹介しましょう。
「テンポに合わせたLFOでフィルターを揺らす」以上!
いきなり結論から述べてしまいましたが、基本的にウォブルベースとは、これだけのこと。
LFOは、音程や音色、それに音量に「波のような揺らぎ」をもたらすオシレーターでしたね。
ウォブルベースとは、このLFOをVCFにかけて音色を揺らし、かつ曲のテンポに合わせてリズミカルに「歌わせる」という、とても単純な方法論なんです。
ウォブルベースを生み出す最適ガジェット「Miami」
ウォブルベースは、先ほど覚えた「BPMと同期させたLFOをフィルターにかける」という方法をとれば、どんなシンセでも作ることができます。
とは言え、そこはエレクトロニック・ミュージックを得意とするKORG Gadget。ウォブル・サウンド作りに特化した音源が、あらかじめ用意されています。
それが、モノフォニック・ウォブルシンセ・ガジェット Miami(マイアミ)。
シンセサイザーとしては、「キャリア・オシレーター」と「クロスモジュレーション・オシレーター」の2VCO仕様。さらにサブ・オシレーターまであります。
ウォブルベース作りに不可欠な「BPMに同期させることのできるLFO」と「強力なフィルター」はもちろん、より暴力的なサウンド・メイクを行うための各種パラメーターを装備しています。
まさに、ウォブルを作るために生まれたガジェットだと言えましょう。
ウォブルベースの作り方
早速、ウォブルベースを活用したトラックを作ってみます。
Miamiを立ち上げ音色を決める
まず、ガジェット「Miami」を立ち上げ、好みのプリセット音色を呼び出しましょう。
例えば、冒頭で紹介したSkrillexっぽいウォブル・サウンドが欲しい場合、「06:Evil Nail」をベースにして、キャリア・オシレーターの波形をSAWにしたり、クロスモジュレーションを強烈にかければ、結構それっぽい雰囲気になります。
こんな感じにしてみました。
ベースラインのフレーズを作る
次に、シンプルなベースラインを作りましょう。
今回はスケール機能を使い、こんなCドリアンのフレーズを打ち込みました。4 Barを1画面表示しています。
ちなみに、こんなフレーズです。まだLFOの揺れ幅が1/2固定なので、単調ですね。
LFOのパラメーターをオートメーションさせる
Miamiのパネル右下には、LFOを設定するためのセクションがあります。
このLFOは、波打つスピードを自由に可変できず、その代わり曲のBPMと強制同期させることにフォーカスした豪快仕様。
したがって、RATE(LFOの周期)の設定値は、ご覧の通り8パターン(1/2〜1/24)のみです。
たったこれだけですが、ウォブルを作るパラメーターとしては必要十分なのでご安心を。
さて、ダブステップのウォブルベースらしいフレーズにするには、フィルターにかけるLFOのRATEを「オートメーションで書く」のがオススメです。
Miamiのパラメーター・プレビューをタップしてください。
Miamiのパラメーターが一覧表示されました。左のパラメーターから「Wabble Rate」という項目を探し、タップします。
ここでWabble Rate、つまり「LFOが波打つ周期」を設定します。以下の8段階から選択できます。
なお、5〜8段目の「1/3」から「1/24」は、いわゆる3連符。
パラメーターの意味を知ったところで、いよいよオートメーションを書いていくわけですが、はっきりいって正解はありません。どんなウォブルにするかは、あなたのセンスとフィーリングで、実際に音を出しながら決めましょう。
今回はこんなオートメーションにしました。4 Barを1画面表示しています。
フィルターのパラメーターをオートメーションさせる
フィルター(Filter Cutoff)も、LFOと同じようにオートメーションさせて、音色をリアルタイムに変化させると面白いですよ。
こちらも4 Bar同時表示です。
ちなみに、このようにオートメーションを細かく書きたいときはグリッドをOFFにしましょう。
やり方は、フッターのFunctionボタンをタップし・・・
画面右上に表示されるポップアップの「グリッド」のうち「Off」をタップです。
「3連符フレーズ」を織り交ぜ、ドラムトラックとマッチングさせる
最後に、ダブステップっぽく聴かせるためのコツを紹介しましょう。
それは、ウォブルベース・パートに「3連フレーズ」のニュアンスを取り入れること。
そして、その3つ取りをドラムパートと同期させれば、トラック全体が引き締まり、かなり「らしく」なりますよ。
ウォブル・サウンドを取り入れて、トラックメイキングの手札にしよう
今回はKORG Gadgetの「Miami」を用い、ウォブルベース作りにチャレンジしました。
これまでのレッスンで、こんなトラックが出来上がりました。
KORG Gadgetのモノシンセ「Miami」で簡単ダブステップ。ウォブルベースってなんとなく難しそうですけど、要は「BPMに同期させたLFOをフィルターにかける」ということ。シンプルなベースラインを作り、そいつにLFOの揺れ具合をオートメーションするだけ。お手軽でしょ?#コルガジェ pic.twitter.com/EiYK7uISsF
— くらんけ@gadget-junkies.net (@Gadget_Junkies) 2018年3月31日
ウォブルは簡単にできる上、変化に富んだフレーズを作れるので非常に効果的。ぜひ、あなたのトラックメイキングの武器にしてくださいね。
それではまた。Have a nice trip. ciao!
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