かんたん打ち込みギター講座① エレクトリックギター編。ちょっとのコツでとってもロックなトラックに!
皆さんは、自作のトラックに「ギター」を使ってますか?
そもそもKORG Gadgetにギター音色が少ないせいか、GadgetCloudを聴いていても、ギターの入った作品はあまりありません。
しかし「ケミカル・ブラザーズ」や「ファットボーイ・スリム」など、縦ノリロックなトラックを目指すなら、ガツンとしたギターサウンドは捨てがたい。
もちろん生演奏してRosarioで録音するのが王道ですし、Zurichでギター演奏されたサンプルをインポートする方法もありますが、今回はあえて「打ち込み」でのギタートラック作りに挑戦します。
「生演奏」のシミュレートにこだわらず、ササっと打ち込むべし
最初に断っておくと(少なくともKORG Gadgetでは)リアルなギターの生演奏を「打ち込み」で再現するのは、非現実的かと思います。
PCのDAWの世界ではELECTRI6ITYなど、プラグインとして動作するギター専用音源があります。
このような専用音源には「アーティキュレーション」といって、様々なギター演奏テクニック(ダウン/アップストローク、ハンマリングオン、スライド、ハーモニクス、ミュート奏法などなど…)を再現するためのパラメーターが備わっています。
一方でKORG Gadgetに、そのような機能は用意されていません。そこで当ブログでは潔く割り切り、リアルでなくともトラックに「ロックな息吹」をもたらすことを目指します!
使うガジェットはMARSEILLE。音色は121、または122番で
それでは、KORG Gadgetでエレクトリック・ギターを打ち込んでみましょう。
使用する音色ですが、マルチPCM音源ガジェットMARSEILLEにプリセットされている"121 E.GUITAR DISTORTION"、または"122 ROCK DIST GUITAR"を選択します。
この音色をベースに、MARSEILLEの内蔵エフェクターである"Distortion"や"Tube Drive"、"BPM DELAY"などを駆使してギターサウンドを作っていきます。
エフェクトのパラメーターは、MARSEILLEのガジェットパネル左にあるEDITノブ2個で設定します。ただし、かけるエフェクトごとにパラメーターの種類が変わる上、ノブを回すとどのような効果があるのか全く説明されないという豪快仕様。ここはあまり深く考えず「感覚」で、良さげなサウンドを探ってみましょう。
ざっくり言えば、EDIT 1が「エフェクトによって変化するパラメータ」、EDIT 2が「エフェクトの効き具合」といったところでしょうか。。
打ち込みギタリストの救世主「パワーコード」をフル活用!
バンドサウンドにおいては、やはりリードギターによるソロパートが花形。しかし、これを打ち込みで再現するのはあまりオススメしません。
前述のように、アーティキュレーション機能を持たないKORG Gadgetでは、ギターソロの再現はほぼ不可能だからです。
というわけで当ブログでは、ギタートラックを「ソロ」ではなく、もっぱら「バッキング」で使うアプローチをご紹介。
今回はその中から最も簡単、かつ素早くギタートラックを仕上げる奏法・パワーコードを取り上げます。
パワーコードとは?
あるコードの「ルート」と「完全5度」だけを弾く演奏法です。
たとえばCというコードの場合、C(ド)とG(ソ)だけで演奏します。下の譜面の2小節目がそれです。
通常の3和音やセブンスコードなどに比べ、スッキリとしたパワフルなサウンドが期待できます。
とても簡単な奏法ですが、パワーコードで打ち込んだギターにディストーションをかけたサウンドは、打ち込みギターをやる上で手っ取り早くソレっぽいサウンドになるので、ぜひとも覚えておきましょう。
パワーコードの打ち込み例 ①白玉系でサスティンさせる
パワーコードを全音符や2分音符などで伸ばす、最も基本的な奏法。白玉系で空間を埋めるので、パッドのように使えますね。
筆者のオススメは、ディストーションに加えてトレモロエフェクトで揺らぎを与えるテク。特にシューゲイザーっぽく幻想的なトラックにしたい場合、さらにリバーブを深くかけると、ドリーミーな感じでハマります。
あとはルート音をオクターブ違いでユニゾンさせると、調性感はそのままにサウンドが若干分厚くなります。コードがCなら、「ド・ソ」に加えて「1オクターブ上のド」も同時に打ち込むわけですね。
パワーコードの打ち込み例 ②リフレインさせる
先ほどは白玉(全音符)で例示しましたが、もちろんリフを打ち込む際にも有効。
あまり難しく考えず、他のパートとの兼ね合いを図りながら、リズミカルにザクザク行きましょう!
パワーコードの打ち込み例 ③構成音で上昇・下降させる
主に構成音の2音だけでアルペジオっぽく上昇・下降させるのも、簡単に美味しいフレーズが作れるのでオススメ。こんな感じですね。
その際、主旋律の動きとは「反行」させるようなフレーズ作りを心がけるといいです。メインメロディーが「ド→ミ→ソ」なら、「ソ→ド→(1オクターブ下の)ソ」とか「ソ→ド→ド」なんてやってみてください。たまに3度(コードがCなら「ミ」)の音も入れてみたり。
ケースバイケースですが、いい感じになりますよ!
隠し味「ゴースト・ノート」で歯切れの良いギターサウンドに
実はこれ、筆者オリジナル?のマル秘テクなんですが・・・。
試しにコード弾きしたノートの最後に、ごく短い端切れのようなノートを追加してみてください。32分音符か、64分音符分の長さでしょうか。。
筆者はこいつをミュート代わりによく使っていて、上の動画でもやってます。単品だと違和感のあるサウンドですが、他のトラックに馴染ませると妙にシックリくるんですよね。
ディレイをかけると、このノートに反応して、うまくハマれば歯切れよく余韻を残すことができます。
とても簡単なワザなので、ギター打ち込み時の隠し味としていかがでしょう?
トラックにギターを取り入れてサウンドに幅を持たせよう
以上KORG Gadgetのプリセット音色でギタートラックを作るノウハウを、筆者なりにお伝えしました。色々邪道な所もありますが、バッキングにギターサウンドが加わると一気にロックっぽくなります。
トラック・メイキングのための一つのバリエーションとして、ぜひギタートラックを気軽に取り入れてみましょう!
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