KORG Gadget 2が「超ド級」アップデート。決して見逃せない「4つの重要ポイント」とは?
コルグは2019年8月8日、音楽制作アプリ「KORG Gadget 2」全ラインナップを対象とする、大規模アップデートを敢行。
KORG Gadget for Nintendo Switchで7月にデビューした「セガ音源」Otoriiと「タイトー音源」Ebinaが、iOS・Mac・そしてPlugins版すべてに対応したことを発表しました。
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その一方で、2018年8月に登場したスタンドアロン・アプリELECTRIBE Waveのシンセ部分を移植した新作ガジェットWarszawa(ワルシャワ)を緊急リリース。
さらには、KORG Gadgetの音源詰め合わせプラグインKORG Gadget 2 PluginsのPC版に、最後まで未対応だったMilpitas(WAVESTATION)の実装が完了しました。
今回は、ユーザー待望のチップチューン音源やウェーブテーブル音源の追加など、この上なく充実した内容となったアップデートについて見ていきましょう。
ポイント① Nintendo Switchで作ったOtoriiやEbinaの楽曲を、ネット上に公開できるようになる。
今回のアップデートにより、OtoriiとEbinaがiOSでも使えるようになった事で、iOS版のコルガジェユーザーはもとより、Nintendo Switchユーザーにも多大な恩恵をもたらすことになりました。これからその理由を述べます。
Nintendo Switchというプラットフォームのポリシーで、残念ながらSwitch版のコルガジェで作った楽曲は、ネット上の楽曲共有サービス…つまり、SoundCloudやYouTubeへ直接アップすることができません。
そこで用意されているのが、QRコードを用いたiOS版へのプロジェクト転送機能です。
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Nintendo Switchで作った楽曲を外部へ持ち出す唯一の手段ですが、これまでOtoriiとEbinaのないiOS版では、それらの音色を再現することができませんでした。
それが今回のリリースによって解消され、Switch→iOS→ネット上という導線が確立された結果、Switchで作ったOtoriiやEbinaの楽曲を、外界へ運び出すことが可能となったのです。
KORG Gadget for Nintendo Switchで作ったOtoriiとEbinaのプロジェクトを、iOS版へ転送して再現。これでセガやタイトー音源の楽曲を、SoundCloudなどネットの楽曲共有サービスで公開できるようになりますね。#GadgetSwitch pic.twitter.com/2Qu0iOcJw6
— くらんけ@Gadget-Junkies.net (@Gadget_Junkies) August 9, 2019
ただ、iOS版へインポートするとMarseilleの1番音色「Marseille Piano」がセットされるため、ガジェットを手作業でOtoriiやEbinaに変更する必要があります。
Switchでの音色エディットも反映されないので、音色データ込みで転送できるようにして欲しい所。今後の改善に期待です。
iOS版に取り込めたらしめたもの。GadgetCloudの仕組みを利用するなどして、セガやタイトー音源で作った楽曲をネット上にじゃんじゃんアップしましょう!
ポイント② 好みのDAWで「セガ/タイトー音源」が使えるようになる。
そして見逃せないのは、EbinaとOtoriiがiOS版だけでなく、Mac版、そしてKORG Gadget 2 Plugins for Mac/PCにも実装されたという事実。
すなわち、LogicやCubase、Ableton Liveなど好きなPC上のDAWで、セガやタイトー音源が「プラグイン」として扱えるようになるのです。
上の動画は、KORG Gadget for Nintendo Switchで作ったOtoriiとEbinaの曲を、一旦iOS版に転送し、Ableton Liveへエクスポートした様子。やり方はこちらでご確認ください。
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他社製DAW上で動作する、OtoriiとEbina…なかなかのインパクトでしょう?
このガジェット・プラグインの詰め合わせ「KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC」は単体売りも行なっていますが、最初から「KORG Gadget 2 for Mac」を購入すれば、同等の機能が手に入ります。Mac使いのコルガジェユーザーなら「for Mac」がお勧めです。
ポイント③ ELECTRIBE Wave自慢のウェーブテーブル音源「Warszawa」デビュー。
先に挙げた2つのポイントだけでも相当充実した内容ですが、さらにコルグは今回のアップデートで、新作ガジェット音源Warszawa(ワルシャワ)をリリースしました。
Warszawaは、iOSアプリELECTRIBE Waveに搭載された「ウェーブテーブル音源」を持つシンセサイザー・ガジェット。
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通常のシンセとは音作りのアプローチが異なり、音の断片をつなぎ合わせ、それを繰り返し再生したり、波形をリアルタイムに捻じ曲げたり…といった特殊な手法をもって行います。
少々難解ですが、モノにできれば極めて洗練された、今風なアブストラクト・サウンドが手に入るでしょう。
強烈無比なフィルターと、2系統のモジュレーションを駆使したユニゾンサウンドも持ち味。
そんなWarszawaは、iOS版ではアプリELECTRIBE Waveを購入するとゲットでき、Mac版とPlugins版ではプリインストールされます。
ポイント④ プラグイン版に「Milpitas」が追加。これにて全ガジェットの実装が完了。
派手なアップデートに隠れ気味ではありますが、KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PCに、名シンセWAVESTATIONをガジェット化したMilpitasが追加。
これにより、iOSやMac版と同じガジェットが、すべてPCプラグイン版でも出揃いました。
KORG怒涛の神対応。コルガジェ独自の「チップチューン文化の創造」に超期待!
今回のアップデートは、そのボリュームと大胆さに、多くのユーザーから驚きをもって迎えられたと思います。
特に、Twitter上などで要望の多かったNintendo Switch版オンリーのOtoriiとEbinaが、iOS・Mac・Pluginsすべてのラインナップに追加された事は意義深く、ユーザー想いなコルグならではの神対応だと感じます。
そして、かねてよりKORG Gadgetは、その出音からダンス系に強いと言われ続けてきましたが、このところのゲーム音源大プッシュ施策により「コルガジェならチップチューン」との呼び声も高まることでしょう。
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今後もそんな「純国産DAW」らしい、独自の立ち位置が確立されていくことを期待したいですね。
それではまた。Have a nice trip!
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