夢のDTM完全ワイヤレス化を目指して…ケンジントン「Expert Mouse Wireless Trackball」について。

私たちDTMerにとって、マウスは自らの意思を作品に吹き込むための道具。

その道具選びは、皆さんも審美眼やこだわりがお有りかと思います。

様々な製品が提案される中、とりわけ業界標準ともいえるであろう名機「Kensington ExpertMouse Trackball」のワイヤレスバージョンを試してみました。

今回は、KORG Gadgetをトラックボールで操ることを前提に、その使い勝手などを述べていきたいと思います。

ケンジントンのトラックボールについて

www.kensington.comより

まずはケンジントン社製のトラックボールについて軽くご紹介。

冒頭で「業界標準」と述べましたが、古くより多くのレコーディングスタジオの傍(かたわら)にExpert Mouse Trackballがある事実から、その信頼性が証明されています。

トレンド変化めまぐるしいデジタルデバイスにあって、長年現場で使われ続ける定番であり名作。

筆者も10年ほど前から、2度の代替わりを繰り返しながら使い続けた結果、すっかり自分の手に馴染んでいます。

もはや「右手と同化」してると言っても過言ではありません。

このほど、そんな名機のワイヤレス版が、満を辞してリリースされたのですね。

Expert Mouse Wireless Trackballの特徴

そんなExpert Mouse Wireless Trackballについて、具体的に追っていきましょう。

大きなボール

漆黒のボディーに映える、ルビーレッドが印象的なボール。

直径55mmという巨大なサイズは、他社製品と一線を画しています。なんでもビリヤードの球とほぼ同サイズとか。

初めて見たときは「こんなに大きくなくても…」と思ったものですが、このボールの安定感にひとたび慣れると、他のトラックボールでは物足りなくなります。

また球の表面積が広くなるほど、小さいボールよりも連続的に操作できる範囲が広がるという利点も。

この事実は、画面の遠くまで素早く移動できるというより、むしろ至近距離での細かい操作がしやすくなるメリットとなります。

筆者としては、DAW画面におけるノブやフェーダー操作といった細かいエディットがより行いやすいと感じますが、いかがでしょう?

左利きの方も安心「シンメトリックデザイン」

左右対称の形状ゆえ、両手利きに対応します。他にはない素晴らしい美点。

左利き用のトラックボールもなくはないのですが、とても選択肢が限られますからね。

後で述べるカスタマイズ機能で、右下のボタンを通常クリック、左下を右クリックの動作にすることもできます。

親指クリック・人差し指移動・中指スクロール

左右対称、かつ中央にボールが配置されることで、ほとんどのユーザーは「人差し指でボールを回転させ、親指でボタンをクリック」することになります。

「中指/人差し指」の操作を好まれる方もいるかもしれませんね。

いずれにせよ注意すべきなのは親指でボールを操作するのは極めて困難であることです。

ここがケンジントンを選ぶべきか否かの最重要ポイント。

なお親指で操作するトラックボールの高級モデルとして、ロジクールから「MX ERGO」が出ていますので、ケンジントンとの比較検討候補になるでしょう。

そちらについては、ゆにばすさんのレビュー記事をご覧くださいませ。

一度使うと手放せない「スクロールリング」

他にはない極めてユニークな「スクロールリング」。

一般的なマウスは「縦方向」ですが、ケンジントンでは「円周方向に回転」して画面をスクロールさせます。

マグネットの反発力を用いたクリック感が引っ掛かる感じで気に入りませんが、機能としてはとても優秀。

これによりケンジントンでの操作は「親指クリック・人差し指ボール・中指スクロールリング」となります。

独特なポジションですが、一度慣れると、これ以外のコンビネーションはありえないほど使いやすくなりますよ。

Kensington TrackballWorks™でのカスタマイズ

ここからは、Expert Mouse Wireless Trackballを自分仕様にするためのカスタマイズ方法について。

ケンジントン製のマウスには、カーソルの速度やボタン操作を設定できる専用アプリTrackballWorksが提供されます。

Macでのカスタムは「2.4GB USB接続」一択!

このTrackballWorks。任意のキーボード・ショートカットを自由に割り当てるためには必須となりますが、これを述べる前に大事な注意点を。

Macで使う場合、ワイヤレス接続を「Bluetooth」ではなく「USB接続」で行う必要があります。

ケンジントンの本体底面にある切替スイッチをBluetooth側にすると、TrackballWorksのシステム環境設定にて以下のアラートが表示されます。

「・・・USBドングル?何を言っておるのかねケンジントン君。」

このメッセージ、最初は全く意味不明だったのですが、ドングルとはどうやら2.4GHz帯で無線接続するための「USBレシーバ」の事のようなんです。

大半のワイヤレス機器がBluetooth接続なのに、いまどきポートひとつをムダにするUSBレシーバなんて…。

しかも、それをMacユーザーにだけ強いるのも謎ですが、そういう仕様なので仕方ありませんね。。

TrackballWorksの設定方法

ともあれワイヤレス接続できたら、ボタンやカーソル速度などのカスタムを行ってみましょう。

まずはケンジントンのサイトで、TrackballWorksのインストーラを入手してくださいね。

インストールが完了したら、システム環境設定にてTrackballWorksをクリック。

TrackballWorksが起動します。

設定できるのは以下の3カテゴリー。

ボタン

ExpertMouse Wireless Trackballには4つのボタンがあり、それと左右同時押しの併用で計6つの機能を設定できます。

あらかじめ用意されているプリセットから機能を選択できますし、任意のショートカットも自由に割り当て可能。

左利きの方は、右下ボタンを「クリック」にすると、左下ボタンを「右クリック」(コンテキストメニューの表示)にできますよ。

ポインター

トラックボールを転がした時のポインターの速度や加速度などを設定します。

「単軸移動」は、ここで設定したキーを垂直/水平移動中に押すと、それぞれの方向へ直線移動できます。

スクロール

スクロールリングを回転させた時の、スクロールの方向を設定できます。

「慣性スクロール」は、リングの回転を止めても急にスクロールは止まらず、ある程度維持し続けるというもの。

筆者は、かえって狙ったところまで持って行きづらくなるので使いませんね。動きもぎこちないですし。。

KORG Gadget for Macでのオススメ設定

ここで、ケンジントンをKORG Gadgetで使う際に便利な割り当てをご提案。

もっとも、ふだん多用するキーボード・ショートカットを自由に設定すれば良いので、あくまで一例ですが・・・。

割り当て設定はアプリごとに登録可能

TrackballWorksでは、ボタンの割り当てなどをアプリケーションごとに登録することができます。

設定画面の上部「プロフィール」の右にある+ボタンをクリックし、KORG Gadgetを指定してください。

提案①「素早く画面を切り替えたい」方向け

ずばり、筆者イチオシの割り当てがコレ!

作業中、とにかく頻繁に行う「画面モードの切り替え」を素早くできるよう設定。

また手前側同時押しで、これも良く使う「Function」のオン/オフ切り替えを行います。

ほとんどのKORG Gadgetユーザーにとって便利であろう、オールマイティーな設定です!

提案②「主にステップ入力で打ち込む」方向け

この設定も捨てがたい。

「ドローモード」と「セレクトモード」を、ワンタッチで切り替えられます。

広い画面を使えて画面切り替えが必要ない方や、ドローモードでステップ入力の多い方にオススメ。

このモード切り替え、キーボード・ショートカットだと「3」「4」なので簡単かと思いきや、しばしば「2」(コードモードのON/OFF)と押し間違えてしまうんですよね〜。

あと「3」と「4」の位置を確認するため、キーボードに目を落とす必要がないのもラクですよ!

以上、カスタマイズ設定例2案を提示しました。

あくまで一例なので、あなたにとって使い易いコンビネーションを色々試してみましょう。

・・・そうそう。「ポインター」カテゴリの「低速ポインター」を有効にするのもいいですね。

この設定では、Shiftキーと同時操作で「ゆっくり」ポインターが動きます。

ノブやフェーダーを操作するときに細かく入力できるので、とても便利ですよ。

「操作が固定」ゆえの自由で新しいスタイル

amazon.co.jpより

ケンジントン社製の定番トラックボールがワイヤレス化されたことで、今までになかった様々な使い道が生まれます。

一例を紹介しますと、上のようにソファでくつろぎながら、アームにケンジントンを置いてMacBookを操作可能。

マウスと異なり本体を固定して使え、しかもワイヤレスなこのトラックボールならではの快適さですね。

この方のように、作曲作業が煮詰まった時など特に有効かと。笑

ボールが重い時は「シリコンスプレー」ひと吹き

Expert Mouse Wireless Trackballは、何と言っても大きなボールが持ち味。

ゆえに使い始めてしばらくは、ボールを転がす際とても重く感じます。

数日で手の油脂成分が潤滑の役割を果たし、スムーズに回転し始めるのですが、最初から快適に使いたいですよね。

そこで、KURE5-56でおなじみの呉工業製「シリコンスプレー」を、少しだけボールに吹きかけてみましょう。

ビックリするほどボールが滑らか動くようになりますよ。まさに宙を浮く感じ。

このトラックボールを買う時は、ぜひ一緒に求めることをお勧めします!

「夢のDTM環境の完全ワイヤレス化」を目指して・・・

今回ご紹介した、ワイヤレストラックボール「Expert Mouse Wireless Trackball」。

人によっては機材をほとんど移設しないDTMに、その意義を見出せないかもしれません。

確かにその通りかもしれませんが「見た目のスッキリ感」は、制作環境を激変させます。

シンセや各種エフェクターなどギチギチに集積されたDTM環境も個人的には好きですが、シンプルなライフスタイルに制作環境を合わせるというアプローチ。

nanoKONTROL StudiomicroKEY Airといった「Bluetoothフィジコン」と合わせ、「DTM完全ワイヤレス化」にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

それではまた。Have a nice trip!

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  • コメント ( 2 )

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  1. アバターButz

    はじめまして。
    いつもROMってましたが、コメント失礼します。
    更新を心待ちにしてました!
    デスクの上がスッキリしてキレイな状態ってモチベーションも上がりますね!

    • くらんけくらんけ

      Butz 様

      いつもGadget-Junkies.netをご覧いただき、ありがとうございます。
      夏場は引っ越しなどがあり、思うように更新できませんでしたが、
      徐々にひと段落してきたので、元のペースで更新を再開したいと思います。

      さて、デスク周りがスッキリするとDTM作業だけでなく、日々の生活へも良い循環をもたらすと思うんですよね。
      一度「ゴチャッとさせない」快適さに慣れてしまうと、その状況を維持するために頑張りますから、スッキリが継続するという良循環。
      ケーブルが見えると、どうしてもゴチャッと感が現れてしまうので、今回紹介したようなワイヤレス環境を目指すのも良いと思いますよ。