
【Gadget for Switchの使い方】③ 「Marseille」で、コード(和音)を打ち込もう。
2018年4月26日に配信がスタートした「KORG Gadget for Nintendo Switch」。
登場以来、Twitter上では、Switchのキャプチャー機能を生かした自作曲の「30秒動画」が次々にアップされたり、早速ニュースサイトでレビュー記事が登場したりと、大いに賑わっています。
この盛り上がりに便乗?すべく、当Gadget-Junkies.netでも始まった新シリーズ「for Switch特集」。
これまでのチュートリアルでドラム、ベースと来ましたから、今回は「コードトラック」作りに挑戦してみたいと思います。
目次
「ポリフォニック音源」を用意する
KORG Gadgetでのトラック・メイキングは、常に「ガジェット選び」から始まります。
では、これから行おうとしている「コード入力」では、どのガジェットを選ぶのが良いでしょう?
赤枠で示したガジェットがポリフォニック、つまり「一度に複数の音を発声できる」音源です。
今回のテーマ「コードトラックの入力」を行うガジェットは、この中から選ぶのが最適解。
これから和音を打ち込もうとしているのに、「単音」しか出せない音源では困りますからね。
もっとも、モノ音源でトラックを3つ作り、各トラックにコードの構成音を一音だけ入力すれば、決して不可能ではないですが…。
PCM音源モジュール「Marseille」
さて、コード入力には「ポリフォニック・シンセ」ということで、8つのガジェットに絞られました。
それぞれ個性的な音源ですが、今回はピアノやブラスといった「生楽器系のサンプル」を取り揃えたMarseille(マルセイユ)をチョイスしましょう。
このMarseilleですが、実はシンセサイザーではなく「音源モジュール」。シンセのような音作りを行うのではなく、リアルな生音系サウンドに特化したガジェットです。
ピアノでコードをステップ入力する
いつものようにGadgetを立ち上げ、制作中のソングデータをロードしてください。
ドラム・ベースに次ぐ、3つ目のトラックを作ります。
ガジェットセレクターで、Marseilleを選択。
トラック 3に、Marseilleが立ち上がりました。早速クリップを開きましょう。
ピアノロールにコードを入力する
トラック 3「Marseille」のピアノロールです。ちなみに音色は「001 : Marseille PIANO」。
この画面を見て、「斜線のあるグリッド」と「斜線のないグリッド」のあることに気付いた方はスルドい!
しかも「斜線のないグリッド」をピックアップすると、こんな音の階段になっています。
これは、デフォルトで設定されている「Cドリアン」というスケール。
スケールとは「マイナースケール」や「琉球音階」などのことで、これらをうまく活用すると、いわゆる音楽知識のない方でも実に情緒のある、かつ破綻なき曲作りが可能となります。
しかし、今この機能は不要。いさぎよくオフにします。
スケール機能をオフにする
Xボタンでメニューを表示し、「スケール/キーの設定」を選択。
以下のポップアップにて、スケールを「Chromatic」にしてください。
スケール表示がオフになりました。
とはいえ、スケールがとても重宝するシーンがあるのも事実。
あなたの音楽センスを目覚めさせる「スケール機能」の活用術については、また別の機会に取り上げたいと思います。
1小節目に「C」を入力する
今回のチュートリアルでは、トラック 3の1小節目に「C」、2小節目に「F」のコードを打ち込んでみましょう。
まず、Cは「ド・ミ・ソ」。これは3和音で構成されています。
これをピアノロールで入力すると、このようになります。
Cの構成音で、この通りにステップ入力してみてください。
2小節目に「F」を入力する
続いて、2小節目にコード「F」の入力。
まず、前回のチュートリアルでやったように、ピアノロールを2小節分に拡げてみましょう。
Xボタンでメニューを表示し、「クリップの長さ」→「2 小節」です。
Fは、このように「ファ・ラ・ド」の3和音で構成されています。
Cの時と同じように、2小節目のエリアにFの構成音でステップ入力します。
前回のチュートリアルで覚えた「コピー&ペースト」技で、ササっと打ち込んじゃいましょうね。
ベロシティーを調節する
ここまで入力したトラックを、ちょっとYボタンでプレイしてみてください。
Marseilleの「001 : Marseille PIANO」音色で、コードが「C→F」と演奏されますが……生ピアノにしては、少々違和感があることに気づくでしょう。
その理由は、「どの音も全く同じで大きさで抑揚がない」事と「どの音もジャストタイミングすぎて機械的」である点だと思われます。
もちろんテクノなど「あえてジャストで打ち込む」ことを良しとするシーンもありますが、自らの表現を広げるため、単調さを回避するテクニックはぜひ覚えておきたいもの。
ではまず、音のベロシティー(音量)を調節するやり方から紹介します。
Xボタンでメニューを開き、「ベロシティーを編集」を選択。
すると、ベロシティーのパラメーターを設定するエリアが、ピアノロール下半分に出現します。
これから一つ一つの音のベロシティーを調節したいのですが、なにせ「ジャスト」で打ち込まれているので、コード部分の音が完全に重なっていますよね。
重なった部分の音を切り替えるには、そこへカーソルを持っていき、左Joy-Conのスティック上下操作で音を選択してください。
今回は、こんな感じでベロシティーを散らしてみました。
グリッドを1/64にして発音タイミングをズラす
違和感の原因その2「タイミングがジャストすぎる」点も修正しましょう。
グリッド単位を短くして、コードを構成するノートの発音タイミングを、前後にズラすテクです。
Xボタンでメニューを開き「グリッド」→「1/64」と選択。
すると、ピアノロールで入力できる最小単位が、デフォルトの1/16(16分音符)から1/64(64分音符)になります。
この1/64単位で、コード構成音の発音タイミングを前後に移動してください。
「ポロロ〜ン」と鳴らすため、このように音をズラしました。
「スイング」機能を活用する
もう一つ、ソング全体をスイングさせるやり方もあります。
スイングは、前の音を長めにとり、その分後ろの音を短めにとることで「ダッツ|ダッツ|ダッツ|ダッツ」となるリズム。
曲全体に「揺れ」がもたらされます。
やり方は、オーバービュー画面でXボタンを押してメニューを表示し、「曲の設定」を選択。
「曲の設定」ポップアップの「スイング」で、その量を設定してください。
Yボタンで再生させながら数値を変えると、効果がわかりやすいでしょう。
スイング量に決まりはなく、あなた好みで設定してだいじょうぶですよ。
あとがき
ここまでのチュートリアルで、「ドラム」「ベース」「コード」と、3つのトラックを「ステップ入力」で作っていきました。
経過時間にとらわれず、ゆっくりじっくり自分のペースで打ち込めたかと思います。
次回はその真逆。勢いよくソングを再生させながら、ノートやパラメーターをどんどん記録していく「リアルタイム入力」について解説します。
両方の入力方法をモノにすれば、ますます効率的に打ち込むことができますよ!
それではまた。Have a nice trip!
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