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【Gadget for Switchの使い方】④ 押す、捻る、傾ける…Joy-Conを駆使して「即興」リアルタイム・レコーディング!

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ここまでのチュートリアルでは、演奏データの打ち込みをステップ入力で行ってきました。ピアノロールのグリッドに、自分の好きなタイミングで、ノートをコツコツ置くやり方でしたね。
今回は、リアルタイム入力を覚えます。リアルタイム・レコーディングは曲を再生させたまま、まさに「リアルタイム」に鍵盤やツマミを操作して録音する方法。Switch版KORG GadgetではJoy-Con操作により、素早く体感的に打ち込むことができます。ぜひとも身につけましょう!

目次

ガジェットの演奏情報をリアルタイムに記録する

通常の音楽制作ソフトでは、リアルタイム・レコーディングといえばMIDIキーボードを弾いたり、パッドを叩いたりして行います。

たとえばiOS版のKORG Gadgetでは、このようなMIDIキーボードを 、iPadやiPhoneと接続して演奏を行えます。

KORG microKEY Air 25鍵モデル

しかしNintendo Switchには、MIDIキーボードのような周辺機器はありません。そこでSwitch版KORG Gadgetでは、Joy-Conを駆使してリアルタイム・レコーディングを行うことになります。

このJoy-Conを操作してのリアルタイム・レコーディングこそ、Switch版KORG Gadgetの強み。その理由は、この記事を読みながら実際に操作すると、すぐに分かると思います!

ドラムトラックをリアルタイム・レコーディングする

まずはドラムのリアルタイム・レコーディングにチャレンジしましょう。

ドラムマシン・ガジェット「London」を呼び出す

KORG Gadgetを起動し、メニューから新規作成を選択。

ガジェット・セレクターにてLondonを選んでください。

トラック 1 にドラムパートが立ち上がりました。Londonのガジェット・パネルへ移動しましょう。

クォンタイズを設定する

リアルタイム・レコーディングを行うとき、特に大事な設定がクォンタイズ。リアルタイム録音中に演奏がズレても、グリッド単位でタイミングを直してくれる便利な機能です。

ガジェット・パネルにてXボタンメニューを開き、再生/録音→クォンタイズオン/オフを設定できます。オンにするとクォンタイズが働き、ズレた演奏をしてもタイミングを直してくれます。

グリッドを設定する

クォンタイズをオンにしたら、グリッドの設定も行う必要があります。設定したグリッド単位でタイミングが補正されるからですね。

ガジェット・パネルにてXボタンメニューを開き、再生/録音→グリッド設定でグリッドの細かさを設定しましょう。

1/64などグリッドを細かくするとクォンタイズの効果が薄まり、逆に長くすると、そのグリッド値よりも細かな入力ができなくなります。曲のテンポによりますが、通常は1/16(16分音符単位)あたりにするとよいでしょう。

ドラムをリアルタイム・レコーディングする

Yボタン長押しソングが再生(まだ未入力なので無音ですが…)され、同時にRecモードになります。

キックを打ち込む

これからキックの4つ打ちを、リアルタイム・レコーディングしてみましょう。

RecモードのままLondonのパッドにカーソルを合わせてAボタンを押すと、ピアノロールにノートが配置されます。Rec中はクリック音が鳴らないので、右下の小節数表示(1: 1: 1=シーンの先頭位置)の動きを見ながら確認しましょう。

ループ再生オンXボタンメニュー→再生/録音→シーンのループ再生)になっていると、今レコーディングしたキックが次の小節の始まりからループ再生されます。ここからは、この4つ打ちキックがクリック音代わりになりますね。
もし打ち込みに失敗したら、Lボタンを押しながらAボタンを押すとアンドゥ(やり直し)できます。

クラップを打ち込む

次に、2拍目と4拍目のタイミングでクラップを打ち込んでみましょう。

Recモードのまま左から4番目のパッドを叩くと、先ほど入力したキックにクラップを重ねることができます。

この調子で、ハイハットワンショット系のサウンドを、どんどん打ち込んでいきましょう。

ズレたりしてもだいじょうぶ。後からピアノロールで、いくらでも修正できます。
ちなみに、録音せずに音色だけをプレビューしたいときは、Recモード中にYボタンを押すとモードが解除されます。うまく使ってカッコいいトラックを作ってくださいね。

シンセトラックをリアルタイム・レコーディングする

今度は、鍵盤楽器であるシンセサイザー・ガジェットのリアルタイム・レコーディングを行います。

シンセ・ガジェット「Chiang Mai」を呼び出す

ここでは、煌びやかなサウンドが得意なFMシンセ Chiang Mai を使ってみましょう。

Chiang Maiの新規トラックを作るため、オーバービュー画面にて+ボタンにカーソルを合わせてAボタンを押します。

ガジェット・セレクターで、Chiang Maiを選択。

Chiang Maiガジェット・パネルへ移動してください。

これがChiang Mai 。いかにも金属的なサウンドが得意なシンセらしいルックスですね。

Joy-Conで鍵盤を演奏する3つの方法

レコーディングを始める前に、Chiang Maiの鍵盤をいじってみましょう。KORG Gadget for Nintendo Switchで鍵盤を演奏するには、以下の3つの方法があります。

  1. 鍵盤にカーソルを合わせてAボタンを押す
  2. 「モーション演奏」する
  3. 「コントローラー演奏」する

それぞれのやり方を説明しましょう。

演奏法① 鍵盤にカーソルを合わせてAボタンを押す

鍵盤までカーソルを持っていき、Aボタンを押してその場所にある鍵盤を弾く方法です。

左スティック(または十字ボタン)を操作し、鍵盤を左右になぞりながら演奏するやり方です。最も単純な弾き方ですが、カーソルが一つしかないので、同時に一つの音しか弾くことができません。

こちらのコード機能を使えば話は別ですが・・・。

演奏法② モーション演奏(Joy-Conを振る)

Joy-Con内蔵のジャイロを活かし、空間的なモーション操作で鍵盤を弾く方法です。Nintendo Switchらしい、とてもユニークでフィジカルな演奏法ですね。

やり方は、ガジェット画面左Joy-Con-ボタンを押し、表示されたポップアップにてモーション演奏を選択。

画面左上に演奏ガイドが表示されます。

ガイドを拡大しました。

左のイラストは、右Joy-Conを内側(左側面)から見た様子。実際のJoy-Con操作と連動して動きます。このガイド通りにモーション演奏してみましょう。

Aボタンを押しながら、右Joy-Conを上へ向けてみてください。音階が上がりながら演奏されます。

今度はAボタンを押しながら、Joy-Conを下へ向けてください。音階が下がりながら演奏されます。

指揮者が振るタクトのように、手首をしなやかに使うのがコツ。ちなみにAボタンを離すと発音されなくなりますが、その間もモーション通りの鍵盤移動が行われています。
したがって、鍵盤をなぞるように弾くことも、音を飛ばして跳躍させることも可能。モーション演奏時においてはAボタンをうまく使って、変化のあるフレーズを作る事がキモになるでしょう。
ちなみにモーション演奏中は、右Joy-Con+ボタン角度をリセットすることができます。
モーション演奏モードを終えるときは、左Joy-Con-ボタンを押すと、通常の操作に戻ります。

演奏法③ コントローラー演奏(Joy-Conのボタンを駆使して演奏)

こちらは、Joy-Conにたくさんあるボタンをフル活用する演奏法。個別のボタンに12鍵分の音を割り当てることで、直線的なカーソル移動によらない自由な演奏を行えます。どういうことか、実際に試してみましょう。

ガジェット画面左Joy-Con-ボタンを押し、表示されたポップアップにてコントローラー演奏を選択。

画面中央に演奏ガイドが表示されました。

コントローラー演奏モードでは、Joy-Conの各ボタンをリアルタイムに押すことで演奏を行います。

それぞれのボタンには、ガジェットの鍵盤が割り当てられています。

どんなに自由な(言ってしまえばメチャクチャな)ボタン操作だとしても、あらかじめスケールを設定しておけば、音楽的に破綻のない演奏が楽しめます。

コントローラー演奏モードの強みとしては、複数ボタン同時押し和音(コード)を弾けることも挙げられます。

この実演動画では、Joy-Conの◀︎・Y・Rボタンを使って、Cmのコードを演奏しています。

かなりアクロバティックな操作になりますが、曲の打ち込みをリズムアクションのように楽しめるのは、Switch版ならでは。
そして左スティックを左右に倒せばピッチ・ベンドが可能。音程が滑らかに上昇・下降し、よくMIDIキーボードに実装されているジョイスティックと同じような操作が行えます。

そんなコントローラー演奏ですが、数ある利点の中でもひときわ強調したいのは、ボタンをランダムに押して行く事で、跳躍的なフレーズを作る事ができる点。カーソル移動モーション演奏だと、どうしてもスケールに沿った連続的な旋律になりがちですからね。

「Joy-Conの優位性」を最大限に活かせるリアルタイム・レコーディング。是非モノにしよう!

ここまでのチュートリアルで、ステップ入力リアルタイム・レコーディングを覚えてきました。それぞれメリット・デメリットはあるものの、筆者としはJoy-Conの自由な操作性を活かせ、大胆にプレイしながら録音できるリアルタイム・レコーディングこそ、Switch版KORG Gadgetの真骨頂だと感じます。

KORG Gadget for Nintendo Switchでの曲作りは、リアルタイム・レコーディングで曲の輪郭をガンガン作ってから、ステップ入力で細かくエディットしていく…これが基本的な流れになるでしょう。

作曲が上達するには、とにかく多くの曲を作り続けること。そのために、素早く快適に打ち込みが行えるリアルタイム・レコーディングを、ぜひともマスターしてくださいね。

次回は、音楽的知識がなくても美しい旋律を作ることのできるスケール機能を覚えていきましょう。

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

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