【Gadget for Switchの使い方】⑤ 音楽知識は一切不要!「スケール機能」を活用して、魅惑的な旋律を奏でよう。
シリーズでお届けしているKORG Gadget for Nintendo Switchの使い方講座。前回はJoy-Conを駆使して、リアルタイム・レコーディングにチャレンジしました。
スティックを左右に倒してカーソル移動したり、モーション演奏でJoy-Conを傾けたりして鍵盤を弾いていきましたね。あのようなJoy-Conでの操作は、鍵盤を「弾く」というより「なぞる」といった表現の方が、なんとなくマッチするのではないでしょうか?
今回は、そんなJoy-Conと非常に相性の良いスケール機能を覚えます。難しい音楽理論は一切不要。世界中で愛される、トラディショナルでエキゾチックなメロディーを、簡単に作ることができますよ!
スケール機能とは?
スケール機能を一言で表すと、選択したスケールの構成音「だけ」にしてくれる機能です。
たとえば、お馴染みのドレミファソラシドはCメジャー・スケールで、この通りに並んでいます。
ガジェットの鍵盤で表すと、こうなります。
通常は、上の鍵盤のうちドレミファソラシドだけを選んで弾かないとCメジャー・スケールから外れてしまいますが、スケール機能を使えば…
このように、Cメジャー・スケールを構成する音「以外」は消えてくれるので、ただ鍵盤をなぞっていくだけで「何も考えなくても」、正しいスケールで演奏を行うことができるのです。
「ガジェットパネル」でのスケール設定
スケール機能は、ガジェットパネルまたはピアノロール画面で設定します。
やり方は簡単。まずガジェットパネルにて、シンセ系ガジェットには必ず用意されているSCALEボタンへカーソルを持っていき、Aボタン。
キーボードの設定というポップアップが表示されるので、たとえばCメジャー・スケールにしたければ以下のように設定してください。これでスケールの設定は完了です。
このポップアップにある範囲で、ガジェットに表示する鍵盤を4オクターブ分まで広げることができます。こちらは2オクターブにした時の様子。
コードについては、別の機会で触れましょう。
「ピアノロール画面」でのスケール設定
今度は、ピアノロール画面でスケールを設定してみましょう。
ピアノロール画面に移動してください。
斜線が入ったグリッドは、スケール外の音を示しています。
ピアノロールでステップ入力するときは、この斜線グリッドを避けながら打ち込んで行けば、設定したスケール通りの旋律を弾くことができます。そしてリアルタイム演奏の時は、スケール外の音を弾くことはできません。
ガジェットパネル同様、ピアノロール画面でもスケール設定が可能です。Xボタンでメニューを呼び出し、スケール/キーの設定を選択して…
表示されたポップアップにて設定してください。
マイナーペンタ・ジプシー・琉球…豊富に用意された、情感溢れるスケールの数々
KORG Gadget for Nintendo Switchでは、様々な種類のスケールを、なんと35の中から選ぶことができます。トラディショナルなスケールから、異国情緒溢れるエキゾチックな響きまで、幅広く取り揃えています。その一部をご紹介しましょう。
スケール名 | スケール(Key=C) | 一口メモ(筆者主観) |
---|---|---|
アイオニアン | C,D,E,F,
G,A,B | 明るい響き |
リディアン | C,D,E,F#,
G,A,B | 緊張感のある響き |
エオニアン | C,D,Eb,F,
G,Ab,Bb | 物悲しい響き |
ドリアン | C,D,Eb,F,
G,A,Bb | 都会的な響き |
フリジアン | C,Db,Eb,F,
G,Ab,Bb | エスニックな響き |
メジャー・ブルース | C,D,Eb,
E,G,A | 明るいロックな響き |
マイナー・ブルース | C,Eb,F,
Gb,G,Bb | ジャジーな響き |
メジャー・ペンタ | C,D,E,
G,A | 童謡・ポップスっぽい響き |
マイナー・ペンタ | C,Eb,F,G,Bb | メジャーペンタより渋い響き |
ラーガ | C,Db,E,F,
G,Ab,B | インドっぽい響き |
リュウキュウ | C,E,F,G,B | 沖縄っぽい響き |
チャイニーズ | C,E,F#,
G,B | 中華っぽい響き |
ベース・ライン | C,G,Bb | I → VIIb → V など |
ホールトーン | C,D,E,Gb,
Ab,Bb | 全音音階 調性感がぼやける |
5thインターバル | C,G | 完全5度 |
例えばマイナー・ペンタトニック・スケールを使えば、一気にロックっぽいフレーズに仕上げることができますし、スパニッシュやハワイアン、ジプシーといった民族音楽の響きも、簡単に得ることができます。ぜひ様々なスケールを試して、ユニークな旋律作りに役立ててください。
鍵盤の並びを、普通の「ドレミファ」にする方法
最後に、コルガジェ初心者の方が最初にハマる?ガジェットの鍵盤を普通の並びにするやり方をご紹介。
スケール機能を使わない場合は、スケールをChromatic(クロマチック)にしてください。
モーダルではない調性音楽をやりたい場合…特にコードを打ち込む際は、スケール・オフにした方が入力しやすいと思います。
今回は、とても便利なスケール機能を覚えました。Joy-Conを操作してのでの打ち込みは、音階を滑らかに上昇・下降させることで流れるような旋律を作れますし、テクノ・ミュージックを得意とするKORG Gadgetにとっても、スケールを用いた作曲法は極めて好相性。KORG Gadget for Nintendo Switchのウリである4人同時作曲が成立するのも、このスケール機能があってこそです。
ぜひ活用して、あなたの曲に様々なムードを取り入れましょう。
さて次回は、今回紹介したキーボードの設定ポップアップにあったもう一つの項目コード機能を取り上げます。こちらも便利な機能ですので、チェックしてみてくださいね。
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