サイドチェインでEDMサウンドを作る。
今回は、EDMサウンドを作る上での定番テク「サイドチェイン」を、KORG Gadgetで行う方法について紹介します。
サイドチェインとは?
こんなサウンドです。
この曲では、パッドとベースに対してサイドチェインをかけています。
サイドチェインを使うと、このような「ブワッ ブワッ ブワッ ブワッ…」という波打つサウンドを、簡単に作ることができます。
キックが鳴っている時だけ音量が小さくなり、独特のグルーヴが生み出されていますね。
サイドチェインは、あるサウンド(キックなど)をトリガーにして、もう一方のサウンド(パッドやベースなど)の音量を、その時だけ圧縮させるテクニックです。
設定方法
これから実際に、さきほどの曲を作ってみましょう。
4つ打ちキックだけのトラックを作る
まずはキック用のトラックを作り、そこに4つ打ちキックだけを打ち込みます。
パッドトラックを作る
パッドを打ち込みます。
今回は、Phoenixガジェットの"04:DW Brass"を使用。
そして、「B♭メジャー・セブンス」→「G♭メジャー・セブンス」というコードを打ち込んでみました。
基本的に音色はプリセットのままですが、エンベロープだけ少しエディットしています。
パッドトラックにサイドチェインを適用する
メイン画面のミキサーセクションにある、IFXボタンをタップ。
すると、Insert Effectsというパネルに切り替わります。
すかさず一番上のスロットにあるボタンをタップし、表示されたインサート・エフェクトの中からSidechainを選択。
左にあるアクティブランプが点灯しますので、その下のEditボタンをタップしてください。
Slot 1のパネルが表示されました。
ここで、サイドチェインの設定を行います。
今回は、各パラメータをこのようにエディットしてみました。
Source:入力するソースを選択します。ここでは、1/Drum(さきほど作った4つ打ちキックのトラック)を選択。
Threshold:圧縮が始まる音量レベルのしきい値。下げるほど効き具合が顕著になります。
Ratio:圧縮比率。EDMであれば、比率高めで派手にかけても全然OKでしょう。
Release:圧縮がかかる長さ。ここでグルーヴ感を調整します。
やり方としては、トラックを鳴らしながら、主にThresholdとReleaseを調整して音を追い込んでいくといった感じでしょうか?
これらのパラメータ値に、正解はありません。
あなたのセンスで、自由に設定しましょう。
ただし、Thresholdを上げ切ったり、Ratioを下げ切ったりすると、効果がなくなるので、そこはご注意くださいね。
ベーストラックを作る
今度は、ベースを打ち込みます。
Chicagoガジェットの"01:Bite Bass"を使い、コードのルート音であるB♭→G♭を延々鳴らし続けています。
この音色は、最初から1/16でアルペジエーターがかかっているので、打ち込みが楽ちんですね。
あとはCUTOFFのパラメータを、リアルタイム・エディットしています。
ベーストラックにサイドチェインを適用する
パッドの時と同じ要領で、ベースにもサイドチェインを設定してみましょう。
ここでも、Sourceを1/Drumにするのがポイントです。
キック以外のドラムトラックを作る
この曲のドラムパートは、まだサイドチェインさせるトリガーとしての「キック」しかないので、キック以外の音を鳴らすためのトラックも作ってみました。
これで、先ほどの曲が完成!
4トラック(実質「ドラム」「パッド」「ベース」の3トラック)だけですが、サイドチェイン効果のおかげで、そこそこゴージャスな感じになったのでは?と思います。
今回のまとめ
このように「パッド」や「ベース」など、音量を変化させたいトラックに対して、サイドチェインを適用します。
その際「キックだけ」が鳴っているトラックを、入力ソースとして使うのがポイント。
また、「シンバル」にサイドチェインをかけても、「シュワシュワ」したグルーヴになって面白いですよ。
そんな楽しいサイドチェイン、色々な音色で試してみましょう。Have a nice trip. ciao!
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