トラックを作ってみよう

展開を作りソングに仕上げる

前回までのチュートリアルで、「ドラム」「ベース」「パッド&アルペジオ」という3トラック・4小節の「シーン」を、ひとつ作成していただきました。

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KORG Gadgetでは、トラックの集合体を「シーン」と呼んでいます。

今回はこのシーンを複写し、各トラック内の音を削ったりトラック自体をミュートしたりするやり方で「展開」をつけていきたいと思います。

完成されたシーンを複製して音を抜き差しする

一般的な楽曲の組み立て方として、ゼロから作っていって曲を展開させていく足し算式のやり方があります。

一方、完成された(全ての音が鳴っている)シーンをいくつか作ってから、それらの音を削ったり付け足したりして変化をつける引き算式のやり方も。

この引き算式メソッドは、ピアノなどを使った譜面での作曲法と比べ、音の並べ替えや切り貼りといったエディットが自在にできるDAWならではの方法論。

今回は「引き算式」で展開を広げたいと思います。

まずメイン画面にて、フッターのFunctionボタンをタップしてください。

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するとこのような表示状態となりますので、”1″というシーンにある複製をタップします。

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“1”というシーンがまるごと複製され、”1 copy”というシーンが生成されました。

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このように、オリジナルのシーンをどんどん複製して、複製したドラムトラック内を「キックだけ」にしたり、「パッドトラックのアルペジオ以外をすべてカット」したりして、構成を組み立てていきます。

今回はオリジナルのシーンを16個ほどコピーしてエディットした結果、このような展開になりました。まずは1〜8シーン。

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9〜16シーン。

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これだけでは何が何やらでしょうから、それぞれのシーンごとに解説していきましょう。その前に…。

シーン名を変更する

複写したシーン名は「○ copy」のように自動でリネームされるため、自分にとって分かりやすくなるようシーンに好きな名前をつけてあげましょう。

Functionボタンをタップし、名称変更したいシーンにて、4分割されたコマンドの左上にある「4/4×1」の所をタップしてください。

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するとメイン画面右上に、そのシーンの拍子や繰り返し回数を設定できるダイアログが表示されます。

 

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一番上にある”Name”欄にて、お好みのシーン名を入力してください。

地味な機能ですが、展開を考える上での「メモ欄」として、便利に使えると思いますよ。

各シーンの解説

それでは、シーンごとの解説に移りましょう!

Scene 1

Scene 1は、ドラムとベーストラックをミュート。

パッドトラックのアルペジオをフェードインさせています。

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クリップをミュートするやり方を説明します。

フッターのFunctionボタンをタップし、各クリップに表示されている「ミュート」をタップすると、そのクリップが無音になります。

クリップが薄暗くなり、ミュートされていることが一目で分かりますね。

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ミキサーセクションにある「Muteボタン」はトラックごとミュートされるのに対し、各クリップにある「ミュートボタン」はそのクリップだけをミュート。という違いがあります。

さて、Scene 1でミュート以外に行ったエディットとしては、パッドトラックにて「アルペジオ」と一緒に同居していた「パッド」を、ばっさりカットしています。

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かつ、パッドトラックのエディット画面にて”Mixer Level”パラメータを用い、アルペジオをフェードインさせました。

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このようにして、一つの完成トラックから多彩なバリエーションをつけることができるのです。

Scene 2

Scene 1と同じく、ドラムとベースをミュートしています。

パッドトラックのアルペジオは、途中までオリジナルと同じですが、4 Barだけカットしました。

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Scene 3

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今度はパッドトラックをミュートし、ドラムとベーストラックを初めてオン(ミュートを解除)にしました。

そして、ドラムトラックのキックとクローズハイハット以外をカットし、ベーストラックは4つ打ちキックにマッチするよう、シーケンスを若干変更しています。

Scene 4

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ドラムトラックはオリジナル(全鳴り)、ベーストラックはScene 3を基本に、4 Barだけオリジナルのシーケンス変更。

Scene 5

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パッドトラックをオンにし、今度はアルペジオをカットしつつ、オリジナルのパッドの一部を使っています。

Scene 6

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ドラムトラックでは、3および4 Barをカットして緩急をつけ、ベーストラック、パッドトラックも少々エディットしました。

Scene 7

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ドラム&ベーストラックをミュートし、パッドトラックにオリジナルのアルペジオを適用しています。ただし音程を2オクターブ下げています。

Scene 8

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オリジナルのシーケンスをエディットしたドラムトラックと、最後だけ残したベーストラック、それにScene 7のアルペジオを1オクターブ上げて構成しています。

…ここまででやっと、前半の解説が終わりました。

後半戦に行く前に、ちょっと休憩〜。

pacman3

一休みできたら、次行ってみましょう!

Scene 9

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オリジナルとほぼ同じですが、パッドトラックのアルペジオをカットしています。

Scene 10

Scene 9と同じです。

Scene 11

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オリジナルのパッドトラックから、2 Barと4 Barの前半を切り取ってみました。

Scene 12

Scene 11と同じです。

Scene 13

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Scene11,12と同じシーケンスですが、ベース&パッドトラックの音を、すべて半音上げています。

つまり、元のキーであるCメジャーから、Dbメジャーへ転調したことになります。

これはJ-POPのエンディングによく用いられる常套手段で、極めて単純なテクニックながら劇的な変化をもたらすことができます。

Scene 14

Scene 13と同じです。

Scene 15

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ほぼScene 3と同じですが、ドラムトラックにスネアが追加されています。

Scene 16

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ほぼScene 15と同じで、ベーストラックの最後だけオリジナルのシーケンスです。

まとめ動画

以上の作業を、動画にしてみました。ご参考まで。

以上、オリジナルに変化を加えながら展開をつけるやり方を見ていきました。

たったひとつのシーンから、音を抜き差しすることで、これだけ多彩に発展できるという事がお分かりになった思います。

さらに完成度の高いソングを構築するには、ドラムパターンやコード進行の異なる別のシーンを3〜4つほど作り、同じように音を抜き差しさせるのが良いでしょう。

「トラックを作ってみよう編」の最後に。

さて、無料体験版のKORG Gadget Leを用いた「トラックを作ってみよう」編はこれにて修了。お疲れ様でした!

ここまでのチュートリアルをこなしてきたあなたは、KORG Gadgetでの曲作りを思う存分楽しむことができるようになったと確信しています。

…と、すでにお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、このチュートリアルソングには肝心の「メロディ」が存在しません…

3トラックという制約の中では、残念ながらメロディパートを作ることができませんでした。

ということで、トラック数無制限、かつ20種類以上ものシンセ・ガジェットを自由に使える「完全版」をお持ちでない方は1日も早くゲットされることを心からお祈りして、このチュートリアルを終わりたいと思います。

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引き続き「テクニック編」でお会いしましょう!

作ったトラックをネットにアップしたい方はこちらをどうぞ。

それではまた。Have a nice trip!

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