「KORG Gadget 総選挙 2020」結果発表。全43機種の頂点に立つガジェットは?
Gadget-Junkies.netでは、昨年に引き続き2度目となる人気投票企画 KORG Gadget 総選挙 2020 を実施しました。
これはWEB投票ツール TAGVOTE を利用したもので、KORG Gadget 2 for iOSに搭載された全43ガジェットの中から、好きな3つを「順位付け」して投票するというもの。1位には3ポイント、2位に2ポイント、そして3位に1ポイントが与えられ、その総得点で順位を決めるという仕組みです。
Twitter上で投票を呼びかけたところ、昨年の総選挙を2名上回る52名のコルガジェユーザーが参加してくれました。
さぁ、今年ユーザーから支持を集めたガジェット音源は一体どれでしょうか。いよいよ発表です!
第1位 リスボン 1位→1位(→)
ダントツの一番人気は、今年も合計得点26Pを獲得したLisbonでした。
Lisbonは2017年にデビューした、フューチャー系のツヤっぽくド派手な出音が魅力のデジタルシンセサイザー。とにかくプリセット音色の出来が良い上、「独自のアルペジエーター」や「独立5系統のマルチFX」など最小努力で最大効果を生み出すエディット性能は実に工夫が凝らされ、非常にユーザーフレンドリー。アプリ内課金ガジェットでありながらこの評価なのは、実際に購入したユーザーの満足度が高いことを示しています。
昨年に引き続き2連覇という偉業を成し遂げたLisbon。総得票数(10票)、合計得点(26P)、1位票の数(7票)がどれもトップの三冠というおまけまで付き、2020年も変わらぬ人気ぶりを見せつける結果となりました。
第2位 ダーウィン 4位→2位(↗️)
2番目の支持を集めたのは、合計得点21Pを獲得したDarwinです。
ご覧の通り、Darwinは伝説のミュージック・ワークステーション KORG M1 をガジェット化したもの。誰もが一度は耳にしたであろう「M1ピアノ」をはじめ、平成の世を彩ったポピュラーミュージックやCM楽曲で使われた音色など膨大な定番デジタルサウンドを扱えるとあって、コルガジェユーザーからも熱い支持を集めています。
2019年も4位と広い支持を集めましたが、今年は更にランクアップ。合計得票数でLisbonと肉薄していることから、Darwinは今後もKORG Gadgetきっての優良ガジェットとして君臨し続けることでしょう。
第3位 シカゴ 22位→3位(↑)
そして第3位は、2つのガジェットが合計得点16Pで並びました。このように同点の場合は「合計得票数」の多いガジェットを、より幅広い支持を集めていると評価したいと思います。したがって支持率3位は、総得票数8票を集めたChicagoという結果になりました。
コルガジェユーザーにはお馴染みのアナログベースマシン。KORG Gadgetのデビュー当時から搭載されている「オリジナル15」の一角ですが、ここにきて昨年の12位からジャンプアップしベスト3入りを果たしました。1位票〜3位票まで満遍なく投じられ、多くのユーザーから堅実な支持を集めている印象です。
Chicagoはそのルックス通り、ROLAND TB-303ライクな太っとい出音にビヨビヨとしたアシッドサウンド、シンプルかつ優れたエディット性に定評がありましたが、そんな実直な素性がユーザーから見直されているのかもしれません。
以上、KORG Gadget 総選挙2020 のトップ3を発表しました。
それ以降のガジェットは…?
ここからは、KORG Gadget 総選挙 2020において TOP 10入りしたガジェットを見ていきましょう。
同率3位には、こちらも幅広いユーザーから愛されている名機「Mono/Poly」をブラッシュアップしたMontpellierが入りました。以下、2019年に3位だったセミモジュラーのDublin、チルアウトシンセHelsinkiと続き、ある程度上位人気のガジェットは定着しつつある印象。そんな中で特筆すべきは、昨年の14位からジャンプアップした「リアルPCM音源」Glasgowの躍進でしょう。
Glasgowは順位だけでなく、スコア的にも2019年の3Pから13Pと、大幅に票を伸ばしています。
Glasgowは、元々KORG Moduleの誇る高品位ピアノ、エレピ、オルガン、クラビネット「以外」の楽器を担うガジェットゆえ、多彩な追加音色ライブラリーに対応するのが特徴。つい先日リリースされたKApro – Monumental Choir Dreamsをはじめ、貴重なオーケストラ・ライブラリーKApro Orchestral Dreamsなんてのも。他にもメロトロンの音色を取り揃えたマニアックなライブラリーや、果てはTRITONのサウンドコレクションといった極めて幅広いライブラリー群が用意され、その音色数は実に420(!)にも上ります。そんな収録サウンドの豊富さと汎用性ゆえ、Glasgowが幅広い支持を集めているのかもしれません。
7位に滑り込んだ素朴なアナログドラムシンセTokyo(12P)も得点を伸ばし、さきのChicagoの躍進と併せ考えると、さすがはコルガジェユーザー。地に足のついた渋いチョイスだと混じます。
10位以降のガジェットは、こちらでご確認を。
筆者的にとりわけ目を引くのは、2019年にデビューしたばかりの「タイトー音源」Ebinaが、初登場で9位(10P)と大健闘していること。
Ebinaはダライアスや忍者ウォーリアーズといった、80年代のFMサウンドをサンプリングしたゲーミング音源ですが、プリセットに対し思いのほか多彩なエディット性能を備えていることから、もしかすると「ユニークなデジタルシンセ」としての評価もされているのかもしれませんね。
それと昨年、なんと1票も得ることができなかったMemphisが、ここにきて順位を上げました。2019年はデビュー直後であり認知度の面で不利でしたが、さすがは伝説の名機MS-20。遅れてきた「真打ち登場」といったところでしょうか。
一方で順位を大きく落としたのが、昨年の7位(12P)から、まさかの圏外(得票ゼロ)となってしまったVancouver。簡単操作でチャーミングなメロディーサンプラーですが、なぜこのような動きになってしまったのか…筆者としてはイマイチ要因が掴めません。
それとLexington(13P→7P)の下げ幅もきつく、名機ARP ODYSSEYを忠実に再現した名ガジェットだけに不思議な動きです。上位の3票しか投じることのできない投票システムに翻弄されてしまったのかもしれませんね。
またワブルベース番長のMiamiと、ロータリースピーカーを備えたリアルなハモンドオルガンAlexandriaは、去年に引き続き得票ゼロに甘んじています。。
「推しガジェット」への愛…ユーザーコメントをご紹介
最後に、投票いただいたコルガジェユーザーからの応援メッセージをご紹介しましょう。
1位 Lisbonへのコメント
リスボンは音のキラキラ感がビジュアルイメージにとても合ってて自分としてはフューチャーベースにいつか使ってみたいです。
フューチャー系のガジェットがとにかく好きですね。
同率3位 Montpellierへのコメント
一位はモンペリエ。Mono/Polyは触ってるだけで癒やされてしまう・・・。
4位 Helsinkiへのコメント
ヘルシンキはUIも音もオシャレなのでお気に入り。
ヘルシンキはアナログ的?なのが初心者としては扱いやすく、初めて音色をいじる人にはわかりやすいと思いました!
6位 Glasgowへのコメント
選ぶの難しい…!ので、よく使う上位3つを選んでみました。
7位 Tokyoへのコメント
Tokyoはあまり使ってなかったけど、サブベース的な太いドラムを作るのに便利だと気づいた。素朴な音でLofiに合う気がする。
オートメーションで音色変えたリズム組むのが面白いです
8位 Recifeへのコメント
3位のレシフェは単純に絶対使うガジェットなので。
9位 Gladstoneへのコメント
2位3位はドラムにしました。
10位 Memphisへのコメント
MS-20miniを持っているのでメンフィス推しです。これでベースやら管楽器、弦楽器などいろんな音が作れるので
11位 Kingstonへのコメント
キングストンは使うとカワイイ雰囲気になるのでよく使ってます。
12位 Chiangmaiへのコメント
fm音源大好き人間です
13位 Otoriiへのコメント
大鳥居のノイズかかったドラム音がとても好きです!ドラム音だけでも響きや雰囲気が違って面白いのですが、SEなどが汎用性が高く楽しいです!(特に声ネタや単発音をよく使います。)
◇
「KORG Gadget 総選挙 2020」は、以上のような結果となりました。いろいろな意味で興味深い結果になったのではないでしょうか。
来年2021年のこの時期に、またお会いしましょう。投票してくださった52名のコルガジェユーザーの皆様、ありがとうございました!
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