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KORG Gadgetの選び方。iOS 版と Nintendo Switch 版の違いについて。

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音楽制作アプリKORG Gadgetには2021年現在、以下のエディションが存在します(無料版のLeを除く)。

  • KORG Gadget 2 for iOS:iPhoneやiPad用
  • KORG Gadget 2 for Mac:Mac用
  • KORG Gadget 2 Plugins for Mac/PC:DAW用プラグイン集
  • KORG Gadget for Nintendo Switch:Nintendo Switch用

この記事では、KORG Gadgetに興味を持った多くのユーザーが購入を検討するであろう、iOS版とSwitch版の違いについて解説していきます。

目次

作曲アプリとしての基本概念は同じ

KORG HPより

どちらもKORG Gadgetですから、作曲を行うためのフロー自体は変わりません。最初に「ガジェット」と呼ばれるシンセやドラムマシンを選び、演奏データとなる「ノート」をピアノロールに打ち込んで、楽曲を組み立てて行きます。

アプリを動作させるためのデバイスは、それぞれ iPhone / iPadNintendo Switch なので、電車内やカフェといった出先で曲作りが楽しめる点も同じでしょう。

プロダクトとしては、まず2014年にiPad専用アプリとしてデビューし、その約4年後にSwitch版が登場します。しかしSwitch版は単なる「iOS移植版」では決してなく、ビデオゲーム・プラットフォームならではの数々の工夫が凝らされています。その一方、iOS版でしか実現しない機能があるのも事実。

ここからは、その仕様の違いを比較していきましょう。どちらを購入しようか迷われている方は参考にしてみてください。

iOS版は使えるガジェット数が豊富

まずは、使用できるガジェット音源の数から(2021年6月現在)。

デバイスデフォルト+アプリ内課金ガジェット合計
iOS版202444
Switch版16218

標準搭載されているガジェット数は iOS版の方が多いのですが、これは iOS版でのみ可能な「オーディオトラック」を扱うためのガジェットと、演奏データをMIDI出力するためのガジェット等が含まれるため。

しかし Switch版には、iOS版ではアプリ内課金ガジェットである Kamata が最初から付いてきます。これはお得。

そのアプリ内課金ガジェットについても iOS版の方が多く、コルグ往年の名シンセサイザーをガジェット化したものを始め、グランドピアノやクラビネット専用音源、果てはラウドネス・マキシマイザーまで実に多彩。

一方のSwitch版で追加購入できるのは「セガ音源」Otoriiと「タイトー音源」Ebinaのみに留まっています。

詳しくは、こちらの一覧表をご覧ください。

Switch版はコストを低く抑えることができる

次に、KORG Gadget本体の価格を比較してみましょう(2021年6月現在)。

デバイス価格(税込)
iOS版¥4,900
Switch版¥5,000

初期導入コストはほぼ同じであるものの、Switch版は前述の通り「アプリ内課金ガジェット」が2つだけ。つまりSwitch版は、追加課金という概念がほとんどありません。

つまり一度ソフトを購入すれば、ずっと無料で楽しむことが可能ということ。一方でiOS版は、ガジェットの単体販売に加え、そのガジェットにだけ対応する追加ライブラリーも非常に豊富。

そんな際限のない?課金沼にハマる心配もなく、これは未成年のユーザー、そして親御さんにとっては安心できる要素ではないでしょうか。

くらんけ

Nintendo Switchがビデオゲーム・プラットフォームということもありますが、開発元のDETUNE社も、そのようなプロモーションを打っていますね。

ネット共有や外部連携のしやすさはiOS版に軍配。一方でSwitch版ならではのネット機能も。

iOS版とSwitch版の違いを一言で表すと「開放的なiOS版」「箱庭的なSwitch版」であることでしょうか。具体的には以下の通りです。

主な機能iOS版Switch版
プレイ人数11~4
ローカル/ネット通信プレイ人数11~8
SoundCloudへのダイレクトアップ×
Twitterへのダイレクトアップ×
外部DAWへのデータエクスポート×
外部DAWからのデータインポート×

作った楽曲をネット上で公開する時、まず思いつくのが YouTube や SoundCloud といったネット共有サービスへのアップロードだと思います。

iOS版には SoundCloud に楽曲をダイレクトアップできる GadgetCloud という仕組みが標準搭載されていますが、Switch版はプラットフォームの制約上、「通常の方法では」ネット上への楽曲共有を行えません。

その代わりSwitch版では、以下の方法でネット公開することが可能です。

  1. Gadgetのプレイ動画をスクショボタン長押しでキャプチャーし、Twitterに投稿する。
  2. ゲームキャプチャーマシンで動画を取り込み、そのファイルをネットにアップする。
  3. ステレオイヤホン端子から音声を出力し、そのファイルをネットにアップする。

最も現実的なのは①ですが、この方法では過去に遡って30秒までしか収録できません。

また②と③では、収録時間は無制限なものの別途キャプチャーマシンや、オーディオインターフェースが必要。いささか敷居が高いかもしれません。

ただし、iOS版KORG Gadgetを経由してのアップロード手段は用意されています。詳しくはこちらで。

そして、KORG Gadgetで作ったトラックを外部のDAWへ渡したり、外部からMIDIやオーディオファイルを取り込むといった外部連携についても、Switch版では不可能。

しかしこれは、KORG Gadgetによる曲作りそのものを楽しみたいだけの場合は、特段欠点とはなり得ません。その辺りは、プレーヤーのスタイル次第と言ったところでしょうか。

一方で、最大4人まで同時に曲作り楽しめるマルチプレイモードや、それをオンラインで楽しむことができるインターネット・マルチプレイモードは、Switch版だけのストロングポイントといえ、最大の持ち味であると言えましょう。

KORG HPより

「大画面での四人同時作曲」「時間制限モード」…Switch版独自の楽しみ方がいっぱい

KORG HPより

先ほど少し述べましたが、KORG Gadget for Nintendo Switchは音楽制作ソフトでありながら、「パーティーゲーム」的な側面があります。

共同作業で作曲を行うマルチプレイモードが搭載されていて、最大4人まで協力しながら曲作りを行えたり、逆に「対戦型DAW」として時間制限下で作曲を行ったりが可能。

つまり、一種のコミュニケーション・ツールとして機能するということで、これは作曲ソフトとしては今までにない、極めてユニークかつ斬新なコンセプトです。もうこれだけで、ネット共有だの外部連携だのといった弱点を、払拭する魅力だと言えるのでないでしょうか。

Nintendo Switch版の強みはまだあります。それはリビングの大画面テレビやプロジェクターに投影して、作曲やライブパフォーマンスを行える点。

これはiOS版の小型タッチパネルでは決して実現できないことで、大きな画面で悠々と作曲を楽しむことができます。

結局、どちらがオススメ?

結論としては、あなたが「マルチプレイモード」や「Joy-Conによるフィジカル操作」「大画面での作曲」といった、KORG Gadget for Nintendo Switchでしか実現できない楽しみ方をしたいか否かで決めると良いでしょう。

そのような楽しみ方にさほど魅力を感じない方や、よりストイックな作曲作業に打ち込みたい方は、利用可能ガジェット数やインサーション・エフェクト、外部連携といった機能が豊富なiOS版を選ぶと吉。

作曲アプリとして出来ることはiOS版の方が多いのですが、出来ることのベクトルそのものが異なるため、その辺りにフォーカスして選ぶことが肝要です。

iOS版がオススメのユーザー

  • 一人でじっくり作曲したい
  • タッチパネルや外部MIDIコントローラーで演奏・操作を行いたい
  • 豊富なガジェット音源を、購入ながら使いたい
  • 自作曲を気軽にアップしたり、DAW等との外部連携を積極的に行いたい
  • 音楽制作アプリとして、より本格的な機能が欲しい

Switch版がオススメのユーザー

  • 一人に加え、複数人でパーティー感覚で作曲したい
  • Joy-Conでのカーソル移動&モーション操作で、直感的に作曲したい
  • 「時間制限モード」「4人同時作曲」など、Switch版ならではの機能を楽しみたい
  • ポータブルに加え、大画面テレビでのびのび作曲したい
  • あまりお金をかけずに曲作りをしていきたい。
  • アプリ内課金アイテム「Kamata」をタダでゲットしたい。
  • Androidユーザーだが、作曲を楽しみたい。

最後の「AndroidユーザーがKORG Gadget for Nintendo Switchを選ぶといい」のは何気にポイントで、Android上で動作する本格的な音楽制作アプリは、iOSより圧倒的に少ないからです。

最後に、KORG Gadgetユーザーのシェア率を紹介しておきましょう。

※ Gadget-Junkies.net調べ

この記事が、プラットフォーム選びの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

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