KORG Gadget VR 遂にリリース! 現時点で判明している事まとめ
2023年7月7日、世界初のVR本格音楽制作環境「KORG Gadget VR」が発売されました。
すでにSteamとMETA Quest App Labにてダウンロード販売が開始され、KORGによる公式サイトもオープン。販売元のDETUNE公式サイトでは、早くもMETA Quest 2のコントローラを用いた操作マニュアルが掲載されています。
この記事では、これまで筆者が収集したKORG Gadget VRに関する情報をまとめつつ、新たに判明した事柄を追加していきます。
ちなみに以下は、2021年にKORG Gadget VRが発表された時の記事です。併せてご覧ください。
世界発。「VR空間」を活用した本格音楽制作環境!
モバイル音楽制作アプリとして誕生したKORG Gadgetは、2014年デビューのiOS版を皮切りに、Mac版、Nintendo Switch版と、現在では3つのプラットフォームで展開されています。
そして遂に、コルガジェ第4のバージョンとなるVR版が登場しました。
今回のKORG Gadget VRは、言うまでもなくVR空間で音楽製作が楽しめるのが特徴。ユーザーはタッチパネルやモニターではなく、VRヘッドセットを装着してトラックメイクを行います。
ではなぜ、音楽制作をVR空間で行うのでしょうか?
今までにない、臨場感あふれる作曲体験を提供する…それ以上に重要な点として、VR空間でなくては実現不可能な必然性があるからだと考えます。
ガジェットに8方向から囲まれた、VRならではの作曲環境
ヘッドセット越しに広がるVRスタジオは、こんなイメージです。
KORG Gadget VRのプレーヤーは、シンセやドラムマシンといったガジェット群で形作られる、広大な八角形空間の真ん中にて演奏・操作を行います。
それぞれのガジェットには大型ディスプレイが用意され、打ち込みやミックスはこの画面で行います。
つまり、仮想ハードウェアであるガジェットと、それをコントロールするモニターが常に分離されているのです。これによってガジェット・パネルとの画面切り替え作業がなくなります。
その分、プレーヤーにとっては操作の手数が減るわけですから、より効率的、かつ直感的な演奏・操作を行えるでしょう。
それにしても、8つものガジェットをその場にいながら、頭の向きを変えるだけでアクセスする考え方は斬新で、優れた概念だと感心させられます。
こんな「オクタゴン型スタジオ」を構築するのは現実的には不可能。これこそ、VR空間で音楽制作を行う意味だといえるでしょう。
ただ、9トラック目以降がどう表現されるかは現時点で不明。
その場合は、別のオクタゴンスタジオが用意されるのでしょうか。はたまた9、10、11角形…と、多角形になっていくのでしょうか?
近日、筆者がKORG Gadget VRを体験レポートします。お楽しみに!
VR空間だからこそ成し得た、ガジェット楽器の「完成系」
広大なVR空間の恩恵により、ついにプレーヤーは狭小な画面内での演奏から解放されます。
それだけでなく、これまで1画面表示で完結できず、複数パネルの行き来が必要だった一部ガジェットについては、本来あるべきデザインに生まれ変わっています。
音作りのためにパネル切り替えが必要だったChiang Maiは横長となり、すべてのノブを一覧操作できるようになりました。
Warszawaについても大型化によって、SYNTH画面とMG/FX画面の操作子が同じパネルに搭載されているのがわかります。
パネル切り替えの手間がなくなることで、作業の迅速・省力化に大きく寄与するでしょう。これもまた、VR空間でなければ実現できないことです。
まずはβ版でのリリース。最終的にはフルVerへと移行
そんなKORG Gadget VRですが、当面の間は早期アクセスソフトウェアとして販売されます。
早期アクセスソフトウェアはβ版のことで、完成形に至る前に先行リリースを行い、ユーザーからのフィードバックを集めてブラッシュアップを行いつつ、フルVerを目指すというもの。
したがって、リリース当初に使用できるガジェットは以下の6つとなります。
- London…ドラムマシン
- Miami…ウォブルベースシンセサイザー
- Kiev…ベクターシンセサイザー
- Chiang Mai…FMシンセサイザー
- Kingston…チップチューンシンセサイザー
- Warszawa…ウェーブテーブルシンセサイザー
β版ゆえ数は少ないものの、あらゆる音楽ジャンルに対応すべく厳選された、なかなかツボを押さえたセレクトではないでしょうか。
これならEDMを始め、アコースティック系以外の楽曲作成であれば十分楽しめるでしょう。
目を引くのは、やはりWarszawaの投入。iOS版では追加課金アイテム(iOSアプリ "ELECTRIBE WAVE" の購入が必要)、そしてNintendo Switchには非対応であることから、このユニークなウェーブシンセに「オリジナル6」として白羽の矢が立ったのは興味深いです。
なお、β版は2023年末に終了予定とのことで、フルバージョンは2024年以降のリリースを目指しているようです。
プラットフォームはMETA Quest&Windows PC?そのシステム要件とは??
では、どんな環境を取り揃えればKORG Gadget VRを楽しめるのでしょうか。
今回はVRゆえ、まずバーチャルリアリティ表示および操作装置としてMETA Quest 2、またはQuest Proが必要です。
さらに、STEAMの製品ページ上に掲載されている最低限必要となるシステム要件を見ると、以下の通り記載されています。
64 ビットプロセッサとオペレーティングシステム
OS: WIndows10
プロセッサー: Core i5-4590 (AMD FX 8350) or better
メモリー: 4 GB RAM
グラフィック: GeForce GTX 970 (AMD Radeon R9 290) or better
DirectX: Version 11
ストレージ: 2 GB 利用可能
VRサポート: Oculus PC
このことから、KORG Gadget VRはMETA Quest 2単体で楽しめる上、VR描画を実現できるグラフィックパワーを持つWindows PC上でも動作することがわかります。
Quest 2とPCをLINKケーブルで接続するQuest Linkによって、PCの画面をVRヘッドセットで表示する…この場合はKORG Gadget VRの実質的なプラットフォームがWindows PCとなり、そのPCのVRソフトを表示、操作するためにQuest 2を用いるわけですね。
価格は2,990円と3,400円! META App LabおよびSteamによるDL販売
ダウンロード購入方法は2つ用意されています。
KORG Gadget VRをPC上で楽しみたいあなたはSteam版を選びましょう。DL価格は3,400円です。
そして、Quest 2やPro単体の方はMETA Quest App Labにて、2,990円で購入可能。
なお、当面の間は「早期アクセスソフトウェア」(β版)ですが、2023年末のβ版終了時…つまりフルバージョン移行後は価格が上がる予定とのこと。
以上、現時点で判明しているKORG Gadget VRに関する情報をまとめました。
今後も新たな情報を、常時アップデートしていきます。
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