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「Otorii」&「Ebina」ファースト・インプレッション。

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DETUNEは2019年7月4日、KORG Gadget for Nintendo Switch を新バージョン「3.0」にアップデート。

そして、新作追加音源Otorii(大鳥居)と、Ebina(海老名)を同時リリースしました。

Otoriiは「セガ音源」、Ebinaは「タイトー音源」…発売前から各所でビデオゲーム音源と話題となっていましたが、一体どんなガジェットに仕上がったのでしょうか?

※この記事では、先行リリースされたSwitch版を用い紹介していますが、後にデビューしたiOS・Mac・Plugins版においても同様の機能で、同じパネルデザインです。

これぞ「ザ・セガ」(by Hiro師匠)の音。ドラム/SEガジェット「Otorii」について。

Otoriiは、セガのビデオゲーム7タイトルのサウンドを収録したリズム音源ガジェット

80年代後半に人気を博した名作ゲームで使用された、ドラム音、効果音、それにボイス素材が大量に収められており、全タイトルを合わせると実に486サンプルを数えます(当ブログ調べ)。

収録タイトルは、アウトラン・スペースハリアー・ファンタジーゾーン・アフターバーナー・ゴールデンアックス・パワードリフトのアーケード版、それにメガドライブ作品のレンタヒーロー

「月刊ZUNTATA NIGHT 6月号 ~KORG Gadget特集~」(https://youtu.be/hUO3MtWnzSQ)より

すべて実機から直接サンプリングしたそうで、オリジナルと全く同じ「80sサウンド」がゲットできます。

それでは、Otoriiで何ができるのかを見ていきましょう。

Otoriiのガジェットパネルです。ご覧の通り12個のパッドがあり、それぞれにプリセットサンプルを割り当てて使います。

カートリッジにカーソルを合わせてAボタンを押す(またはタップ/クリック)と選択画面が表示され、好きなカートリッジを選ぶと、その基本プリセット12サンプルが各パッドに自動アサインされます。

このカートリッジは、7つのタイトルごとに「DRUM」「SE」「VOICE」など計18本もあるので、目的のサンプルを素早く探せます。

もちろん、各パッドへの割り当ては手動でも可能。Otoriiの2ページ目にSAMPLE SELECTという小窓があり、そこで音色リストを表示させて、好きなサンプルを目的のパッドへアサインします。

たとえば「アウトランのキックに、アフターバーナーのスネア…」といった、ユーザーオリジナルのドラムキットを作成でき、保存可能です。

その他の機能を見てみると…

  • サンプルのレベル・パン・ディケイ・ピッチ・ビートリピートの設定
  • サンプルのスタートポイント、およびレングス(長さ)の設定
  • ワンショットのON/OFF切り替え
  • グルーピングの設定(ハイハットなどで使用)
  • 25種類のFXから1つを、キット全体に適用可能
  • サンプルリバース(逆再生)のON/OFF切り替え

このように、Otoriiは単なるプリセット・サンプラーではなく、サンプルの音色をエディットできる「リズムマシン・ガジェット」なのです。

名作アーケードゲームのリズムやSEを用いた「チップチューン」作りはもちろん、あえてオリジナルソングでOtoriiを使い、80sの空気感を演出するのもオツですね。

「FMシンセは誰の心にも残っている音色」(by ZUNTATA石川氏)。リード向けガジェット「Ebina」について。

もう一つの追加音源Ebinaは、タイトーの名作アーケードゲーム6タイトルのFM音源によるリードやベースサウンドをメインに収録。これもまた、実機から丁寧にサンプリングされています。

上のツイート動画でお聴きの通り、まさに80年代後半のゲームセンターで鳴り響いていた音そのものです。目がさめるような存在感。

また、当時のザラついたPCM音源によるドラムやSEが収録されているのも嬉しいですね。こちらはタイトルごとに一つのプリセットにまとめられ、呼び出すとEbinaの鍵盤へ自動的に割り当てられます。

Ebinaは、ダライアス・ダライアスII・ニンジャウォーリアーズ・奇々怪界・ナイトストライカー・メタルブラックで使われた58音色と、ワンショット系サンプルを収録。こちらも強烈なラインナップですね。

それでは、Ebinaのガジェットパネルを見てみましょう。

名作シューティングゲーム・ダライアスの「3画面筐体」を模したデザイン。本体中央部の表示窓にてプリセットを呼び出し、エディット画面に様々なパラメーターを表示させて音を作り込んでいきます。

プリセット音色をリスト表示。

プリセットサンプルは、あらかじめ実際のタイトルで使われた設定が施されていて、そのまま即戦力として使えます。

しかし、それをユーザーが自在に変更できるのが、シンセサイザー・ガジェットEbinaの持ち味だと言えましょう。実際に触ってみると、かなり本気度の高いサウンドメイクを行えました。

エディット可能な要素は、以下の通りです。

  • OSC(3基あるオシレーター間における、ディチューンやディレイなどの設定)
  • PITCH(オクターブやポルタメントなど、音程に関する設定)
  • AMP(サンプルのレベルやADSRなど、音量に関する設定)
  • FLT(カットオフやレゾナンスなど、音色に関する設定)
  • LFO(LFO波形やBPMとの同期設定など)
  • MISC(25種類のFXから1つを適用)

とりわけ注目したいのは、Ebinaが3オシレーター仕様である点。

各オシレーターからは同じサンプルの音が出力されますが、それぞれの出力レベルを調節しつつディレイを適用すると、オシレーター間における発音タイミングのズレで「やまびこ効果」が生まれ、ディチューンをかけるとオシレーター間の音程差によって、音が分厚くなります。

上のツイートでも述べた通り、かつてアーケードゲームのFM音源で音色にディレイやディチューン効果を加える場合、貴重なチャンネルを複数重ねることで実現していましたが、Ebinaだとパラメーターだけで可能になるんですね。

またEGやLFOも搭載。サンプルにトレモロワウをかけられるのはもちろん、音程を揺らすビブラート、そしてスウィープ音(いかにもゲームっぽい「ピュ〜〜〜ン」という上昇下降音)が表現できるのも、ビデオゲーム発祥音源としての美点だと思います。

そんなEbinaですが、筆者としては往年の名作ゲームサウンドの完全再現のみならず、思った以上にFMシンセとして幅広い音作りを楽しめる事が、印象に残りました。

購入方法とインストール手順。

OtoriiとEbinaは、KORG Gadget for Nintendo Switch上で動作するDLC(ダウンロード・コンテンツ)として先行デビュー。各1,000円となっています。

(※ 現在ではiOS・Mac・Plugins版でもリリースされていて、iOS版は期間限定セールで1,200円。MacとPlugins版はプリインストールされます。)

DLCの購入方法は、Nintendo Switchのメニュー画面にて「ニンテンドーeショップ」にカーソルを合わせ、Joy-ConのAボタンを押してください。

ニンテンドーeショップの画面左にあるメニューから「検索」を選び、検索画面にて「korg」と入力して検索実行。

検索結果として、KORG Gadget本体と、今回リリースされた追加音源2つが表示されますので…

お好きなダウンロード・コンテンツを選び「購入にすすむ」ボタンを押してください。

ご注文内容を確認し、「購入を決定する」ボタンを押すと手続き完了です。この間およそ30秒ほど。

なおEbinaは85 MB、Otoriiは134 MBほどのサイズがあるため、お使いのWi-Fi環境によってはダウンロードに時間がかかることも。

ダウンロードが完了するとNintendo Switchの画面左上に通知され、KORG Gadgetで追加音源が使えるようになります!

今回は、2019年7月4日にリリースされたばかりのKORG Gadget「Otorii」&「Ebina」について、ざっくりオーバービューしました。

詳しい使い方については後日、個別にフィーチャーしたいと思います。

それではまた。Have a nice trip!

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この記事を書いた人

KORG Gadgetエヴァンジェリスト。 http://www.Gadget-Junkies.net 運営。ロックなダンスビートにピコピコサウンドを乗せ、昔のビデオゲームっぽい音楽も作ってます!

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